2015年7月29日

販促の超基本!2ステップマーケティングのメリットデメリット

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

2ステップマーケティングは販促の基本

2ステップマーケティングというマーケティング用語をご存知ですか?

非常に有名で基本的なマーケティング手法であるため、しっかりと理解して効果的に2ステップマーケティングを行っている企業はたくさんあるでしょう。

また、2ステップマーケティングという名前を知らなくても、昔から自社のマーケティング戦略として当たり前のように行っている企業も多いでしょう。

反対に、2ステップマーケティングという名前も知らず、このマーケティング戦略自体を全く行っていない企業があるとしたら非常にもったいない……。

というわけで今回は、販促の基本である2ステップマーケティングの特徴とメリット・デメリットの解説をしたいと思います。

これまで知らなかった方は、ぜひ2ステップマーケティングを覚えて自社の販促に活かしてみてください。

2ステップマーケティングとは?

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2ステップマーケティングを理解することは、難しくありません。

・スーパーの試食を食べて、美味しかったので、その商品を購入した経験はありますか?
・化粧品の試供品を試してみたところ、良い商品だったので、買ったということはありますか?
・知り合いに誘われたBtoBのセミナーを通じて、主催企業と取り引きを開始したことはありますか?

これらは全て、2ステップマーケティングです。

簡単に言うと、ハードルの低い入り口(フロントエンド)を設けておいてゴールとなる商材(バックエンド)に導くためのマーケティング手法のことです。

試供品や割引商品などのフロントエンド商品、本当に販売したいバックエンド商品を作って2つのステップを踏ませるため、2ステップマーケティングと呼びます。

上記の例でバックエンド商品を購入した経験がある方は、2ステップマーケティングが非常に効果の高い手法だということが理解できるはずです。

なぜなら2ステップマーケティングは、単純接触効果、一貫性の法則など、複数の心理的効果に基づいて考えることができる、極めて理論的なマーケティング手法だからです。

単純接触効果(ザイオンス効果)とは

単純接触効果という心理的効果があります。人と人の関係は他人→知人→友人→特別な人という風に、接触頻度によって親密度が増していきます。つまり、接触回数が増えることで好感度が増していくというものです。

これは人と人の接触だけではなく、商品の体験や見聞きしたもの全てが対象になります。日用品メーカーの花王やライオン、P&Gなどが、絶えずテレビCMを打ち続けているのはそのためです。

つまり、2ステップマーケティングは、顧客にステップを踏ませることで単純接触回数を増やしています。

一貫性の法則とは

一貫性の法則とは、人間は一度自分で決めたことをやり続ける、または信じ続けようとするという心理のことです。

一貫性の法則を利用したものが、フット・イン・ザ・ドアですね。フット・イン・ザ・ドアとは、まず簡単なお願いを受け入れてもらうことで、次の要求を受け入れてもらいやすくするトーク手法です。

つまりフロントエンド商品を顧客自らが受け入れたことで、次のバックエンド商品に繋がりやすくなっています。

2ステップマーケティングのメリット

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2ステップマーケティングは正しく行えば非常に効果の高いマーケティング手法であるため、メリットはたくさんあります。まずメリットを押さえて、2ステップマーケティングをやる意義をしっかりと押さえましょう。

メリット1.中小企業の場合ブランディングの弱さをカバーできる

単純な広告競争を行うと、ブランド力のある大手や地元の名士には敵いません。

フロントエンド商品を使って自社製品の良さを知ってもらい、顧客との間口を広く持つことで、次のステップに繋げる足がかりを作ることができます。

メリット2.見込顧客との接点を持ちやすい

たとえ顔が見えない商品だったとしても、単純接触効果によるあなたの企業への信頼感や価値観は増します。

一度フロントエンド商品を体験させてしまえば、次回以降のDMやチラシなどにも抵抗は少なくなり、反応率は上がります。

メリット3.効果測定を行いやすく、改善しやすい

ハードルの高いバックエンド商品のみの場合は効果測定にばらつきが生じやすいのですが、ハードルが低いフロントエンド商品を経由することによって、ポイント毎の達成率を計測しやすくなります。

メリット4.見込顧客リストを手に入れられる

フロントエンド商品を体験した見込顧客のリストが手に入れられます。

これにより、あなたの企業や商品に対して良い印象を持った見込顧客に対して、継続的なアプローチが可能になります。

メリット5.強気の営業を行える

商品を体験した見込顧客リストを手に入れられるため、ある程度強気の営業を行うことができます。

たとえば、使ってみてどう思ったか、どうすれば使い続けるかなど、本来顧客でなければ聞くことができない話の展開も可能です。

2ステップマーケティングのデメリット

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2ステップマーケティングのデメリットは、デメリットと呼べるようなものはありません。メリットを享受するために、どれだけ手間を割くかが焦点です。

デメリット1.ステップを踏むため、仕組みづくりにコストがかかる

2ステップマーケティングを始める場合、ある程度の事前準備に手間やコストがかかります。

また、ちょうど良い設計も必要になるため、始めてからの調整にもある程度の手間やコストがかかってしまいます。

デメリット2.商品によって2ステップマーケティングに合わない場合がある

端的に言ってしまうと、2ステップマーケティングは、

・顧客単価が極端に低い商品
・1度の購入でもう購入する必要がない商品

この2点を併せ持った商品には向きません。自社のバックエンド商品を理解した上で行いましょう。

逆にフロントエンドに据えやすい商品も存在します。以下を参考にしてみてください。

2ステップマーケティング成功の鍵はフロントエンド設計と媒体選び

2ステップマーケティングのメリットデメリットまとめ

冒頭でお話しした通り、2ステップマーケティングという名前は知らなくても、自社の販促活動として当たり前のように取り組んでいた方はいるでしょう。

今回ご紹介したメリット、デメリットを知ることで、さらに効果的な活用法を考えてもらえればと思います。

特に中小企業の場合、これまでの広告手法を見直して2ステップマーケティングが販促活動の核になる可能性は十分にあります。

と言っても、今までの広告手法をガラッと変えてしまうということではなく、使い慣れた広告手法を通して2ステップマーケティングにチャレンジしてみるのが良いでしょう。

2ステップマーケティングを成功させるための鍵は、フロントエンド商品の設計です。

次回は、2ステップマーケティングを成功させるためのフロントエンド設計と媒体選びに焦点を当てて、お話ししたいと思います。

2ステップマーケティング成功の鍵はフロントエンド設計と媒体選び