2016年3月23日

優良顧客の定義とは?顧客分析による一般顧客との違いと特徴

ターゲット

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そもそも顧客の定義とは?

あなたは「優良顧客」と聞いて何を思い浮かべますか?

「たくさん買う顧客」「よく買う顧客」というイメージでしょうか。

そもそも顧客の定義とはなんでしょうか?

顧客とは、一般的に自社の商品やサービスを販売する対象のことを指します

参考:
DM成功の鍵を握る各種リストの集め方

つまり、実際に購入したお客だけでなく、商品を購入する可能性のある見込み客も顧客に含まれます。

見込み客とは、キャンペーンやアンケートなどで何らかの接点があったり、類似商品の購入経験があるなど、様々な顧客分析によってターゲットと想定された層です。

今回は、優良顧客と顧客の違いはどのように生まれるのか、その元となる顧客分析方法についてご紹介していきます。

顧客分析とは

優良顧客と一般顧客を分けるには、まず顧客分析を行う必要があります。

顧客分析とは、顧客それぞれの属性や消費行動を把握し、セグメントすることです。

なぜ、このような顧客分析が必要なのでしょうか?

なぜならマーケティングや販促活動には、タイミング、販売チャネル、商品、訴求内容に至るまで、ターゲットへの適切なアプローチが必要だからです。

そのためにも顧客分析に基づいた施策を行い、PDCAを回していかなければいけません。

中でも購入履歴による顧客分析は、優良顧客と一般顧客、休眠顧客、新規顧客などそれぞれのアプローチに必要なものです。

まずは購入履歴の具体的な手法についてご紹介していきます。

RFM分析

RFM分析とは、顧客の購買行動を「Recency (最新購買日)」「Frequency (購入頻度)」「Monetary (累計購買金額)」の3つの指標で分類し、顧客のグルーピングとランク付けを行うことです。

それぞれの指標の頭文字をとり、RFM分析と呼ばれており、顧客分析方法では一番メジャーな手法です。

Recency (最新購買日)・・・最近購入された日(年月日)
Frequency (購入頻度)・・・一定期間(例:過去1年間)の間、何度購入されたか
Monetary (累計購買金額)・・・一定期間での購買金額

またRFM分析の中でも有名な分析法が、RFMセルコード法です。

RFM各自を5段階で評価し、セグメントします。

各指標のセグメントの範囲やベースになる期間(ここでは1年とします)は、商材の価格帯、業界、または企業によって設定が異なります。

表1

上記の表のとおりに分けると、5×5×5で125のグルーピングが可能になります。

RFM全てが5評価のグループであれば、最近購入したのは1ヶ月以内で、ここ1年の購入頻度は100回以上、累計購買金額も30万以上と一番の優良顧客グループであることがわかります。

逆にRFM全てが1の場合、半年以上購入しておらず、1年に1度しか購入せず、購入金額も低く、切り捨てても問題ない顧客と判断できます。

Mのランクが高くてもRが低ければ、他社に顧客を奪われたか不満がある…といった理由で離れた休眠顧客といえるでしょう。もしかしたら引っ越したかもしれません。

このように顧客分析によりセグメントされたグループごとに、それぞれ異なるアプローチが可能となります。

他社に奪われた可能性があるならオファーで来店促進する、購買額が低い顧客には2点以上の購入で割引するキャンペーンをプッシュする…など手法はたくさんあります。

ちなみにRFMの順番には意図があり、優先順位通りに並んでいます。

購入金額より、購入頻度、購入頻度より最新購買日の方が重要です。

表2

RとFの2軸でグルーピングを行うと、「R5F5/R4F5/R5F4/R4F4」の4グループは優良顧客、などと分類していくことができます。

もちろん、どのグループが優良顧客など、どのように分類していくのかは企業によって様々です。

今回は各5段階でセグメントし、グルーピングを行いましたが、それが全てとは限りません。商材によっては、もっと細かくセグメントを行う場合があります。

※「RFMセルコード法」ジェリコ・コンサルティングの登録商標です。

デシル分析

購買分析のもう1つの手法が「デシル分析」です。

デシルとは10等分という意味で、その名のとおり、購入金額合計に対し10グループにわけて並べます。RFMよりシンプルで簡単な分析手法です。

例えば100名の顧客に対し、Excelなどの表計算で合計購入金額を降順でソートし、10名ずつにグルーピングしそれぞれの合計金額や比率を計算します。

表3

上記の売上比率から、上位2グループが売上の40%以上を占めていることがわかり、優良顧客と定義することができるでしょう。

また、こちらの分析は優良2グループ以外のセグメントに対しても、施策を打つことが可能になります。

ただし、RFMのように細かい分析もできませんし、購入頻度の多い人も1度だけ購入した人も雑多にカウントされてしまいますので、集計期間には注意しましょう。

今回はわかりやすく100名を例にしましたが、実際のサンプルは数千人単位など、できるだけ多い方がおすすめです。

優良顧客と一般顧客の違い・定義のまとめ

リストは定期的に更新し、最新の情報にしなければいけません。

その更新作業においても、購入履歴による顧客分析は非常に重要です。

なぜなら、優良顧客が休眠顧客になっていたり、また逆に、優良顧客化していた顧客への機会損失が生じたりするなど、リストの更新を怠ることで、DMのコストパフォーマンスが低下するためです。

また、ダイレクトマーケティング以外にも、顧客分析は販促・マーケティングにも大きな影響を与えます。分析結果によっては、方向性や商品展開が変わったり、コアターゲットが変わる可能性もあります。

それだけ顧客分析は、DMのパフォーマンスを左右するだけでなく、マーケティングの要となるものなのです。