2016年3月17日

会社案内は必要か?パンフ型の役割とコーポレートサイトとの違い

会社案内

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

なぜ会社案内は健在なのか

インターネットが普及した現在、多くの企業がWebサイトを持っています。

そして企業のコーポレートサイト(Webサイト)のメニューには必ず会社概要、企業理念や沿革、事業内容を紹介したページがあります。

世界中の人が見ることができ、会社の顔でもある企業のWebサイトですが、その一方でパンフレット型(紙)の会社案内もいまだに健在です。

対面営業や新規開拓の営業の際、会社案内は必ず持参するという営業マンも多いと思います。

しかし、なぜわざわざ会社案内をパンフレット型でつくるのでしょうか。

「会社の情報は、コーポレートサイトを見てください」では何がいけないのでしょうか。

そこで今回は、パンフレット型(紙)の会社案内の役割と、持たないことのデメリット、コーポレートサイト(Webサイト)との違いを考えてみたいと思います。

会社案内の役割とは?

会社案内の役割とはその名のとおり、会社を案内し、紹介することです。ブランディング目的であることも含め、紙もコーポレートサイトも役割はほぼ同じです。

しかし、パンフレット型の会社案内の場合は、コーポレートサイト(Webサイト)より、もう少し目的や意図をもったツールといえます。なぜなら、会社案内は基本的に営業ツールとして使用することを想定しているからです。

コーポレートサイトは「この会社はどこにあるのか」「資本金はいくらか」「創業はいつなのか」など、能動的に会社の事を調べたい人が見る、いわばPull型の広報ツールとしての役割を担っています。

一方、パンフレット型(紙)の会社案内は、基本的に対面営業での使用や展示会・イベントでの配布を目的としたPush型の営業ツールであり、営業マンが自社をプレゼンし、強みをアピールするためのツールです。

紙であることは紹介できる内容が限られていますが、逆に伝えたいことだけをメインに伝える手段であるともいえます。

コーポレートサイトと会社案内の違いと特徴

では、コーポレートサイト(Webサイト)とパンフレット型の会社案内の違いと特徴をご紹介していきましょう。

会社案内は、自社を端的に紹介できるツールとして、新規開拓の対面営業でよく使われます。そんな場面を想像しながら読み進めてみてください。

一覧性がある

一般的な会社案内であれば約1〜2ページで会社概要や組織図、事業内容や沿革等が掲載されており、どのような企業なのか即時に理解できます。

Webサイトの場合は、1ページに多くの内容を記載できますが、一画面に収まりきっていないので、掲載内容を読み切るためには、何度もスクロールする必要があります。

目的の情報へ辿りつくために何度もスクロールやクリックが必要なWebに比べ、紙もののパンフレットは情報の一覧性に秀でています。

情報がコンパクトで伝わりやすい

一般的なWebサイトの場合、各ページにメニュー表示があり、いつでも必要な情報にアクセスできる設計になっています。

ユーザーが必要な情報だけを見られるのは便利ではあるのですが、逆に言えば、伝えたい情報が見逃されてしまう可能性もあります。

もちろん、UI/UXを検証し、アピールしたい情報への導線を増やすことも可能ですが、興味のないユーザーに誘導させることはなかなか難しいものです。

紙の場合、短い時間と限られた紙面で伝えなければならないため、コンパクトに情報が網羅されています。

順番通りに読んでもらえる

会社案内は、基本的に営業マンが自社をプレゼンすることを想定しています。

紙の印刷物には、順番があります。会社案内も紹介する順番を意識して作られています。

この順番に基づき、

「我々は◯◯を理念に、◯年創立いたしました。〜現在では全国◯の拠点を持ち〜◯◯事業をメインとして〜」

などページを進めながらストーリーを組み立てることができるため、どんな新人であっても容易に自社を紹介することができます。

携帯性に優れている

最近では、iPadやSurfaceなどのタブレット端末でプレゼンをする営業も珍しくありません。

しかし、すぐにカバンから取り出し、すぐに見せることができるのは、印刷物の良さです。

会社案内は8ページ or 16ページ構成が主流です。薄くて軽いので、手軽に持ち運びができ、お客様へそのままお渡しすることもできます。

時間がなく、その場では丁寧に説明できなくても、後ですぐに読み返せるのも大きなメリットなのです。

回覧機会と伝搬力の高さ

紙の会社案内が営業ツールとして優れている点は、回覧機会の高さです。

軽くて薄い紙の会社案内は、手から手へ伝わる機会も高くなります。

実は私たちも、配布1年後に「◯◯さんから会社案内を貰ったんだけど…」と問合せを頂いたことがあります。

また展示会やイベントでの印刷物の配布は、多くの人の目に触れる機会にもなります。

最終的には読まれなくても、社名やサービス名が一度でも目に入れば、思い出してくれる可能性もあります。

SNSや検索エンジンとは違った、紙ならではの伝搬力があるのです。

会社案内を作らないことのデメリットはあるか

コーポレートサイト(Web)とパンフレット型の会社案内の違いをご紹介しましたが、実際に「作らない」ことによる営業活動への影響はあるのでしょうか?

実は、会社案内を持たないことは、営業活動に以下のような印象を与える可能性があります。

お金がない

デザイン費や印刷代を出すお金がないどころか、単純に「人件費や管理コストがない」という印象を与えてしまいます。

お金がないということは、つまり、売れていないということ。商品やサービスの品質や会社の評価を下げることになります。

会社案内は何もデザイン会社や印刷会社に頼むような立派なものを作れば良いというわけではありません。PowerPointやIllustratorなどを使い、自社で制作しても良いのです。

業績・実績が浅い

会社案内には、創立、社員数、主要取引先や資本金、売上など、企業の規模感や業績・実績を示す内容が記載されています。

会社案内がないということによって「業績が浅い企業・実績がない企業なのでは?」という印象をクライアントに与えてしまいます。

会社案内は必要か?パンフ型の役割とコーポレートサイトとの違い まとめ

会社案内があることの一番のメリットは、どのような会社なのかをすぐに理解してもらえることです。

よっぽどの有名企業でない限り、社名を言ったところでどんな会社なのかはわかりませんし、事業内容を口頭のみで説明するのは難しいものです。

対面営業において、すぐに取り出せて、渡すことのできるパンフレット型は携帯性も優れており、簡単に自社の紹介が可能です。

Webサイトを見せるにしても、プロジェクターで説明する機会があれば良いですが、ネット環境が用意できるかどうかで場所を考慮する必要があります。また、パソコンの画面で説明するなら、同席人数がどれくらいなのかで、視認性にも関わってきます。

パンフレット型であれば、自社の説明をする時間がなくても、お客様にお渡しすることが出来れば、後々お読みいただける機会が作れます。

また、会社案内は思わぬチャンスを生み出すこともあります。

例えば、ページ数が限られ汎用的な内容であるからこそ「御社はこんな事業もやっているんですね」と別件で新たな取引の話が出ることもあります。

Webの時代とはいえ、パンフレット型(紙)の会社案内の効果は、まだまだ健在なのです。