2016年1月27日

顧客・見込み客アンケートに必要な質問とは

顧客・見込み客アンケートに必要な質問とは

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

アンケート作成で大事なのは良い質問をすること

販促活動において、顧客・見込み客アンケートが重要であることは、これまで何度かお伝えしています。

参考:
チラシ、DM、集客に顧客アンケートが必要な3つの理由

アンケートを作成する上で大事なことの1つは、良い質問をすることです。

ところがアンケート作成者の悩みはいつも、「どのような質問をすればいいかわからない。」というものです。

また、せっかくアンケートを作っても「回収率が低くて……。」なんてこともあります。

これらの問題は、アンケートを作成する際のちょっとしたコツを知っているだけで改善できることがほとんどです。

今回は、顧客・見込み客アンケート作成時の心構えや注意点、そして販促活動に活かせる質問をご紹介したいと思います。

アンケートを作成する前に大事なこと

どんなアンケートを作成する前にも必要な、心構えや注意点があります。

アンケート作成の心構え1.わかりやすい文章を心がける

もし、あなたが回答していているアンケートに、難しい専門用語や、ややこしい文章が使われていたら、回答する気が失せてしまうはず。

わかりにくい文章は、回答率・回収率に影響します。

たとえば、副詞や形容詞の使い方次第で、質問の意味や回答結果がかわってきます。

「あなたは”頻繁に”髪を切りますか?」

この質問も、”頻繁に”の部分が、”時々”や”いつでも”に変われば意味がまったく違うものになります。

過去形や現在形といった、動詞の使い方も同様です。そのため言葉は慎重に選んでください。

回答者と同じ目線で、回答者がわかりやすい言葉を使うように心がけましょう。

アンケート作成の心構え2.質問はシンプルにする

1つの設問に2つ以上の質問を書いたり、文法上様々な解釈ができる質問の場合、回答者も困りますし、回答の質も落ちます。

例えば、以下のような一文があったとします。

「私は両親と、兄弟の猫と一緒に暮らしています。」

猫が、自分の兄弟の所有する猫なのか、二匹の猫の兄弟のことなのか、どちらでも解釈が可能です。

すべての回答者が同じ意味で解釈できるよう、シンプルな文章・質問を意識しましょう

アンケート作成の心構え3.バランスよく質問する

アンケート結果を自分たちの思い通りにしたいために、偏った内容にしたり、回答者を1つの答えに導くような設問を作成をすると、客観性が失われてしまいます。

全設問でバランスが取れるよう、客観性を保つようにしてください。

アンケート作成の心構え4.本当に必要な質問のみをする

質問全体の堅苦しさをほぐすために、ユニークな質問を1つくらい入れるのは良い策かもしれません。

しかし、質問の量が多すぎたり、テーマに関係のない質問が多いと、回収率も減りますし、収集した情報も、マーケティングに活かせません。

なるべく必要な質問のみを設問にするように心がけましょう。

回答形式の種類

次に、回答形式の種類とそれぞれの特徴についてお話ししたいと思います。

1.単一回答

単一回答は、選択肢形式で、複数の選択肢から1つだけ回答を選ぶものです。

回答者が、回答しやすい最もポピュラーな形式です。

実際にアンケートに記載する際は、「単一回答」ではなく「おひとつお選びください」「1つのみ」などの言葉に置き換えてください。

2.複数回答

複数回答は、選択肢形式で、復数の選択肢から複数の回答を選択できるものです。

3.マトリクス回答

マトリクス回答とは、同じジャンル・カテゴリの質問をする際に、1つ1つ設問を作るのではなく、表にまとめて回答してもらう形のことです。

商品やサービスのイメージを比較するときに有効です。

4.リミテッドアンサー

リミテッドアンサーは、複数回答の形式に回答数の上限を付けたものです。(例:3つまでお選びください)

回答に制限をつけないと回答が多数出る場合や、より重要な項目のみを複数選択してほしい際に有効です。

5.自由回答

自由回答とは、質問に対して、自由に文章を書く形式です。

設問者が気づかない自由な意見を得たい際に有効です。しかし、回答の自由度が高いために回答者の負担は増えます。

6.順位回答

順位回答とは、選択肢に上から順位をつけてもらう形式です。人気投票等で活用することができます。

顧客・見込み客アンケートの具体的な質問例

では、実際に顧客・見込み客アンケートでは、どのような質問を設定するべきなのでしょうか。

アンケートに必要な質問1.回答者の属性

「属性」とは、年齢や性別、年齢、職業など、調査対象者の特性データのことで、アンケートの基本となるものです。

回答者の属性を分けておくことで、属性ごとのクロス集計やセグメーテーションが可能になり、データの整理がしやすくなります。

優良顧客を把握するためにも、属性は重要な役割を持ちます。

ただし、回答率を下げないよう、必要最低限の質問にとどめましょう。

ちなみに、同時に個人情報の記載を求める際は、プライバシーポリシーの提示やパーミッション(許可)が必須です。

アンケートに必要な質問2.商品を知ったキッカケ

商品やサービスを知ったキッカケを聞いてみましょう。見込み顧客であれば、そのまえに「知っているかどうか」の設問を追加しても良いでしょう。

これにより、どの広告媒体であれば効果が見込めるのか、どの広告媒体が無駄になっているのかがわかります。

例)この商品を知ったきっかけは何ですか?
TV・雑誌・ラジオ・知人の紹介

広告や販促活動におけるコストの削減や効率化を測るためにも、必須の質問です。

アンケートに必要な設問3.商品購入/利用回数

利用したり購入した回数を聞きます。

初めてであれば新規顧客、それ以上であればリピーターの意見として判断することができます。

新規顧客が何を期待して商品購入に至ったのか、、リピーターがなぜ再度商品購入したのかは、マーケティングの観点が全く違います。

例)当店のご利用回数はどれくらいですか?(1つのみ)
初めて・2回目・3回目・4回以上

アンケートに必要な設問4.商品購入/利用頻度

購入頻度や利用頻度を聞きます。

この質問により、優良顧客像を把握したり、顧客の購入/利用サイクルを把握することができます。

商品購入頻度を把握できれば、商品のライフタイムバリューがわかります。そのため、顧客獲得コストも算出できるようになります。

例)当店の利用頻度はどれくらいですか?(1つのみ)
週1回・月1回・3か月に1回・6ヶ月に1回

アンケートに必要な設問5.商品購入場所

商品を購入した場所やサービスを思量した場所を聞きましょう。

顧客の消費行動を知ることで、商品に適した販売チャネルが明確になり、的確なプロモーションを行えるようになります。

例)
当商品を普段どこで購入していますか?(当てはまるものすべて○をつけてください)

店頭(直営店・百貨店・スーパー・ショッピングセンター・化粧品専門店・ドラッグストア・その他)
インターネット(直営オンラインストア・楽天市場・Amazon・その他ショッピングサイト)

アンケートに必要な設問6.商品を利用した/購入した理由

商品を購入した、または利用した理由を聞きましょう。

価格、性能、デザイン、味、接客、etc、復数の選択肢を用意し、複数回答で聞くのが良いでしょう。

この質問により、商品やサービスの強みを知ることができます。

例)購入の決め手は何ですか?(複数回答)
価格・デザイン・色・性能・その他

アンケートに必要な設問7.顧客満足度

顧客アンケートにおいて、サービス・商品への満足度評価は必須です。

満足度は「良い・ふつう・悪い」や「1~5」など、3〜5段階にわけ、回答者が答えやすい形式にしましょう。

顧客満足度は、商品に対する強みや弱みを端的に知ることができます。

例)商品に対する満足度はいかがですか?(ひとつのみ)
満足・まあまあ満足・普通・少し不満・不満

アンケートに必要な設問8.商品満足度の理由

自由回答形式で、商品満足度の理由を書いてもらいましょう。

自由回答形式で得られる回答は、不満点の方が多いでしょう。ただ、自分たちでは気づけないことがわかり、販促活動に成果をもたらすはずです。

回収率を高めたいのであれば、任意回答にします。

例)上記の質問で(満足/不満)と答えた理由をお聞かせください。(自由回答)

アンケートに必要な設問9.意見・要望

自由回答形式で、新製品の開発や、今後の販促活動の参考になる意見を求めます。

こちらもプラスよりは、マイナス意見の方が多いでしょう。

顧客・見込み顧客アンケートは目的を明確に

どのようなアンケートでも、最終的なゴールは、集計結果を有用なデータに変え、マーケティング活動にフィードバックすることです。

そのためにも、アンケート作成前のターゲットや目的を明確化しておきましょう。

商品やサービス独自の質問も必要でしょう。

今回ご紹介したのは、どの顧客アンケートにも必要な基本的な質問です。もちろん、目的に応じてアンケートの内容は変わるので、質問例を参考にアレンジしてみてください。

また、アンケートの回収率を高めるためには、以下の内容を参考にして、文章や言い回しには気を付けてみてください。

参考:
回収率を高める顧客アンケート7つの作り方