2016年8月19日

ビジネス向け移転案内状の例文と作成時の注意点

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

事務所・オフィスの移転が決まったら移転案内状を準備しましょう

事務所・オフィスの移転が決まったら、引っ越しの手配、印刷物の更新など様々な準備が必要になります。

最近はメールで挨拶を済ませてしまう企業も少なくありませんが、やはり取引先や関係各社への移転の挨拶状送付は必須です。

送付先リストの準備をはじめ、送付日、部数、形式(紙質)、印刷会社の選定などを決めなくてはいけません。

参考:
うっかりを防げ!事務所・オフィスの移転に準備する印刷物、更新が必要な印刷物をチェック

特に移転案内状は、マナーとして遅くとも移転の1ヶ月前までの発送を目安としているため、早々の準備が必要となります。

そこで今回は、移転案内状を出すときの注意点、例文をご紹介したいと思います。

移転案内状の注意点

案内状の注意点1.用紙の種類

移転案内状を出す場合、主に使用されている用紙の種類は3つあります。

・官製はがきもしくは私製はがき
・単カード
・二つ折り

一番フォーマルなのは二つ折りです。

二つ折りの場合、右に移転のご挨拶、左に移転先の情報を掲載します。

はがきと単カードの場合はスペースが狭くなるため、情報量やフォントサイズ、レイアウトに注意しましょう。

案内状の注意点2.住所以外の変更点

移転に伴い、住所だけでなく電話番号やFAX番号も変わることがあります。

他にも組織変更や人事異動など、併せてお知らせするものがないかを確認しましょう。

案内状の注意点3.漢数字

案内状は横書きよりも縦書きの方が一般的です。

縦書きの場合は漢数字を用いますが、番地や電話番号などに使用される漢数字は一般的に十を省くのがマナーと言われています。

例えば、三十一ではなく三一、二十ではなく二◯と書きます。

ただし、年月日については、西暦が二◯一六年、和暦は平成二十八年となり、月日は十を用います。

縦書きの漢数字は普段見慣れない分、ミスが生じやすいため、気をつけましょう。

移転案内状の例文と解説

以下の移転案内状を例に解説します。

移転案内状

※基本的に、読点はスペースにし、句点はつけず改行します。

1.主題

「事務所移転のご案内」「事務所移転のお知らせ」どちらでもOKです。

2.時候の挨拶

「拝啓〜敬具」は頭語と結語でセットです。

時候の挨拶ですので「盛夏の候」の部分は時期によって変わります。

例えば8月なら「残夏の候」などです。

参考:
挨拶状や暑中見舞いに使える「時候の挨拶」一覧と使い方

時候の挨拶には、他にも以下のようなパターンがあります。

「◯◯の候 ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます」
「◯◯の候 貴社におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」

3.移転のお知らせ

「〜に伴い」など移転理由を付け加えるパターンが多いですが、以下のようなシンプルなお知らせでもOKです。

「さて このたび営業所を左記(下記)のとおり移転いたしましたので お知らせ申し上げます。」

※二つ折りの場合は左記、単カードやはがきの場合は下記とします。

また以下のように移転日を付けるパターンもあります。

「この度 業務拡充に伴い 平成二十八年九月一日付をもって 事務所を左記(下記)へ移転することとなりました」

4.今後の豊富と締め

他にも以下のようなパターンがあります。

「これを機会に 社員一同 新たな気持ちで社業発展に全力を尽くす所存ですので 何卒ご高承の上 より一層のご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」

「これを機に 社員一同さらに社業に邁進する所存でございますので 今後とも一層のお引立てを賜りますようお願い申し上げます」

「これを機に従業員一同さらに専心努力いたしご期待にお応えする決意でございます 今後とも皆様のご支援ご指導を賜りますよう 伏してお願い申し上げる次第です」

「今後とも◯◯◯◯株式会社をご愛顧頂きますよう宜しくお願い申し上げます」

5.略儀ながら〜

「略儀」とは正式な方法ではなく、本来であれば直接出向いて挨拶に伺うべきところ書面にて失礼いたします…という意味があります。

他にも以下のような表現があります。

「まずは略儀ながら書中をもってご通知かたがたご挨拶申し上げます」
「まずは略儀ながら書中にて ご挨拶かたがたお願い申し上げます」

6.日付

吉日を付けない場合もあります。

7.社名と代表名

基本は会社名と代表者名を記載します。

8.移転先の詳細

始めに「記」をつけます。

二つ折りはカードの左側、単カードやはがきは代表者名の下になります。

また、「拝啓〜敬具」のように、「頭語」をつけたら最後に必ず「結語」をつけます。「謹啓〜謹言」のパターンもあります。

新しい住所については、「移転先」または「新住所」と記載します。

9.電話番号とFAX

電話番号とFAXも変更がある場合は「新電話番号」「新FAX」と表記する場合もあります。

10.業務開始日

挨拶文に移転日が記載されている場合は不要です。

必要に応じて、旧住所での最終営業日時を併記する場合や移転に伴う休業日を併記する場合もあります。

移転案内状の例文と注意点 まとめ

冒頭でも言いましたが、遅くとも移転の1ヶ月前までの発送を目安としているため、余裕を持って準備をすすめましょう。

ちょっとしたミスが取引先への混乱を招くことがあります。

できれば校正付きでお願いしたほうがよいと思います。

移転案内状の他にも住所の更新が必要な印刷物は多いため、こちらの記事を参考にしてみてください。

参考:
うっかりを防げ!事務所・オフィスの移転に準備する印刷物、更新が必要な印刷物をチェック