2015年10月13日

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4マス広告のメリットとは

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4マス広告は広告手法の基本

広告といえば、テレビCMや雑誌広告を思い浮かべる方は多いでしょう。これらは一般的に4マス広告と呼ばれています。

テレビCMや新聞、雑誌、ラジオなどを総称して、マスメディアと呼びます。そして、主要な4つのマスメディアを使った広告のことを4マス広告と総称します。

4マス広告の長所は、広い層に対して、一気に情報を拡散でき、かつブランディングに繋がることです。

どのメディアもさまざまな対象に向けたものがありますので、広告宣伝したい対象に応じた使い分けが可能です。

参考:実はシンプル!クロスメディア戦略のメリットと媒体組合せ事例

広告手法は他にもたくさんありますが、まずは基本的な知識として4マス広告を押さえておくと、広告手法、販促手法を選択する基準の1つになるでしょう。

そこで今回は、広告手法として(今のところ)一番強力だと考えられている4マス広告それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。

4マス広告の特徴1.テレビCM

マスコミといえばテレビ、テレビの広告といえばCMと連想するほど、日本人の多くが日常的に触れているのがテレビCMです。

テレビCMの特徴は大きくわけて2つ「タイムCM」と「スポットCM」に分かれています。

タイムCMとは、番組枠として設けられたCMのことで、1本あたり30秒が基本、出稿期間は3ヶ月(1クール)が基本の広告のことです。

スポットCMとは、番組とは無関係に放映されるCMのことで、1本あたり15秒を基本とし、時間帯によって広告料金が変わります。

テレビCMのメリット

テレビCMのメリットには、以下が考えられます。

・広範囲に一斉に告知することが可能
・伝達速度が早いので、新商品告知やキャンペーンに向いている
・繰り返し流すことによって視聴者の記憶に残りやすくなる
・映像を使うことで、人の感情に訴えかけやすい
・ブランド広告としてイメージを伝えやすい

また、中身にもよりますが、メッセージ性の強いテレビCMやトレンドを意識したテレビCMの場合、テレビCM自体が話題となったり、出演タレントの人気によって副次的な広告効果も見込めます。

テレビCMのデメリット

テレビCMのデメリットには、以下が考えられます。

・テレビCM制作からオンエアまでにある程度の準備時間が必要
・1つのテレビCMをつくりあげる時間とコストがかかる
・視聴者が録画によってリアルタイムで見られない状況がある
・テレビCMは意図的に見られない可能性がある

テレビCMは主にイメージ戦略やブランディングのために行われるため、広告に対する直接的な売上効果を期待したり、効果の可視化を期待する事はできません。

また、先程のメリットとは逆で、出演タレントが不祥事を起こした場合、スポンサーの評判も落ち、逆広告効果になってしまう可能性があります。

4マス広告の特徴2.ラジオCM

ラジオCMは、ラジオの放送中に流されるコマーシャルのことで、時間帯によってラジオ放送を聞く聴取者(リスナー)層が分かれています。

たとえば、朝は出社するサラリーマンが中心、夜~深夜は受験勉強をする中高生、タクシー運転手や長距離移動のトラック運転手が中心となります。

ラジオCMを検討する場合、対象となるリスナー層が聴取している時間を見極めることが大切です。

ラジオCMのメリット

ラジオCMのメリットには、以下が考えられます。

・ラジオ番組のリスナー層からターゲットが絞りやすい
・客観的な司会者(パーソナリティ)が語ることで、リスナーに受け入れられやすくなる
・テレビや新聞同様、社会信頼度が高いメディアなので、信頼獲得につながる
・地域によって放送が分かれるため、地域密着型の広告展開が可能
・テレビCMのようにCMを飛ばされることがない
・制作費はテレビCMの10分の1程度なので低コスト
・テレビCMと違って映像がない分、短期間でのCM作成が可能

ラジオCMのデメリット

ラジオCMのデメリットには、以下が考えられます。

・ラジオCMは音声だけなので、イメージが伝わりづらい
・他のメディアに比べて、「ながら聞き」されることが多く、CM理解度は劣る
・そもそも4マスの中で、最も広告費が安い=ターゲットが少ない

媒体別広告費(4マスとインターネット、億円)

参考:
30年あまりにわたる広告費推移をグラフ化してみる(上)…4マス+ネット動向編(特定サービス産業動態統計調査)(最新) – ガベージニュース

4マス広告の特徴3.新聞広告

新聞広告には、1ページ全体を使った「全面広告」、各記事下部に掲載される「記事下広告」、記事中に小型サイズで掲載される「小型広告」、出版や求人に使われる「用途別広告」などがあります。

全国紙から地方エリアに配布されている県紙(都道府県内)、ブロック紙(複数都道府県)まで、各新聞社が出す新聞は1000以上のさまざまな種類が存在します。

しかし、新聞の定期購読率は若年層だけでなく、50~60代でも低下傾向にあり、10年前から変わらず購読している世代は70代のみです。

新聞広告のメリット

新聞広告のメリットには、以下が考えられます。

・地域によって新聞が分かれるため、地域の購買層を考えた広告展開が可能
・社会信頼度の高いメディアなので、信頼獲得につながる
・文字情報だけではなく、写真やイラストを使った説得力のある表現が可能
・広告原稿の締切から掲載までの時間が短い

また、掲載された新聞の切り抜きをコピーし、営業資料や店内ポップとして使うことで、信用を得るという二次的な使い方も考えられます。

新聞広告のデメリット

新聞広告のデメリットには、以下が考えられます。

・新聞は毎日届くものなので、1日で広告媒体価値を失う
・直近10-15年で確実に新聞購読者数が減っている
・購読者の年齢層が高いため、商材によっては広告価値が薄い
・雑誌に比べると紙質が劣るため、デザインや色の表現は難しい

もちろん新聞広告は、雑誌と比較すると購読者は多いですが、紙質が劣ったり、デザインや色の表現がしにくいデメリットがあります。

4マス広告の特徴4.雑誌広告

ファッション・趣味など、特定のジャンルに特化した紙メディアに掲載される広告です。雑誌のジャンルに興味のある方が購買層です。

雑誌広告の種類は「編集タイアップ広告」と「記事型広告」があります。編集タイアップ広告は、雑誌の編集者が作成する広告で、記事型広告は、広告代理店などが作成する広告です。

雑誌広告のメリット

雑誌広告のメリットには、以下が考えられます。

・雑誌の購読者層に合わせて、ターゲットが絞りやすい
・特定の購読者層に対しての信頼性が高い
・写真やイラストなどを使った表現で、読者にイメージさせやすい
・購読者の再読率が高く、媒体としての価値が長期にわたる
・コンテンツを作りやすく、購読者に受け入れられやすい

雑誌広告のデメリット

雑誌広告のデメリットには、以下が考えられます。

・雑誌の読者層に合わせて、広告ターゲットが絞りやすい
・媒体特性上、読者層と合わなければ、広告を載せてもらえない
・掲載までに2ヶ月程かかるため、突然のイベントやキャンペーンには不向き
・通常の広告では、読み飛ばされてしまう可能性がある
・テレビCMやラジオCMの様に、たまたま見かける潜在顧客は発掘できない

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌広告のメリットまとめ

このように、4種類のマス広告には、それぞれメリットとデメリットがあります。

それぞれ商品ターゲットが比較的広く、一気に宣伝拡散をしたい場合に有効な手段ですが、特徴を押さえておけば広告費を効果的に使うことが可能でしょう。

ただし、以下のデータを見てお分かりの通り、4マス広告の勢いは少しずつ衰えてきています。

 媒体別広告費(積み上げグラフ、億円)

参考:
30年あまりにわたる広告費推移をグラフ化してみる(上)…4マス+ネット動向編(特定サービス産業動態統計調査)(最新) – ガベージニュース

これは、広告市場にインターネットが大きな影響を及ぼしているためです。

また、今のところ4マス広告に対する信頼度は高いのですが、少々ターゲット層が高齢化し始めているため、広告効果がどこまで続くかという問題を持っています。

この辺りも踏まえた上で、4マス広告をうまく活用して、事業のカンフル剤を投入できる時期を正しく見極めてください。

様々な広告媒体の広告費を知りたい場合はこちらをご参考に。

販促費用はいくらかかる?16種類の広告媒体料金

また、広告市場を知る上で、プロモーションメディア広告の意味も知っておいた方が良いでしょう。合わせて押さえておきましょう。

日本の広告費50%を占めるプロモーションメディアとは?