2016年5月30日
出力、刷版…これって何の料金?印刷見積りの内訳と解説
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印刷物の見積り、理解していますか?
普段私たちが利用している印刷物の見積りについて、内容を理解している人はどれだけいるのでしょうか?
印刷会社から提出される見積りには専門用語も多く、正直「これ何のことだろう…」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか?
また、見積りの内訳や明細は会社によって統一されているわけではありません。
会社によっては細かく記載されているものや「一式」のように大まかに記載されているもの、パッケージ商品もあります。
そこで今回は、見積りの具体例とそれぞれの内訳についてご紹介し、解説していきたいと思います。
見積りの具体例と内訳説明
以下の画像は、パンフレットの見積りです。
こちらの見積りを例にご紹介したいと思います。
まずは、青い囲みの部分、発注した商品の詳細についてご説明します。
見積りの内訳1.仕様
内訳では、用紙サイズ、ページ、用紙の種類や厚さ、製本の種類、カラーかモノクロか、などの仕様を記載しています。
A4判
用紙サイズの完成サイズです。
A4の大きさは「210mm×297mm」です。
本文8P
ページ数です。パンフレットのページ数は基本8の倍数です。
詳細は下記をご覧ください。
参考:
パンフレットページ数の決め方と会社案内の基本コンテンツとは
共紙
「ともがみ」と読みます。パンフレットにおいては、表紙と本文を同質の紙を用いることを指します。
中綴
「なかとじ」と読みます。製本方法の一つで、本を開いた状態の紙を重ねて、中央部分に沿って針金(ステッチ)で止める方法です。
パンフレットはもちろん、週刊誌や漫画誌のような商業出版物によく見られる方法です。
※製本方法については、後日あらためてご紹介する予定です。
両面フルカラー
使用するのが、カラー印刷かモノクロ印刷かを説明しています。今回の見積りの場合は両面フルカラーですね。
コート紙
コート紙とは、用紙の種類です。見積りでは、使用する用紙を指します。
コート紙は名前の通りコートされている紙であるため、見た目がテカテカ、つるつるとして、光の反射が感じられる用紙です。
見積りの内訳2.四六判135kg
四六判135kgとは、用紙の厚さのことです。
詳しくは下記をご覧ください。
参考:
基本の用紙サイズ、厚さ、種類を把握して効果的な印刷を!
見積りの内訳3.デザイン
パンフレットの場合、表紙のデザインのことを指します。今回の見積り例ではデザインを2案作成し、その中から1つを採用します。
見積りの内訳4.文字修正
見積もりでは、校正後の修正作業のことを指します。
「3回校正まで」と記載がありますが、納期に影響することもあり、ほとんどの印刷会社では回数を制限しています。
校正の意味は以下を参照してください。
原稿とゲラを照合して、誤りをチェックし、校正紙に校正記号を使って、修正指示を加える作業のことを言います。
見積りの内訳5.DDCP出力
DDCPとは、ダイレクト・デジタル・カラー・プルーフの略で、デジタルデータの直接出力ができるプリンタのことです。
見積りにある「DDCP出力」とは、DDCPによる出力で、仕上がりのイメージを確認する色校正を行うことを指します。
見積りの内訳6.刷版
刷版とは、製版工程で印刷機に直接取り付けられるアルミ板のことです。
見積りでは、作成する刷版の数のことを指します。
単位は版です。殆どの場合ページ数と同じ数です。
製版工程では、製版用データを出力して印刷機に取り付ける刷版を必要枚数作成します。
見積りの内訳7.印刷
印刷とは、刷版にインクを付けて、紙などに転写することです。
見積りでは、印刷作業に対する費用のことを指します。
見積りの内訳8.用紙
用紙とは、パンフレットの製本に必要な用紙の枚数のことです。ページ数と部数から計算されます。
見積りでは、パンフレット作成に必要な用紙枚数を指します。
見積りの内訳9.製本
印刷された用紙を本の形に加工することです。パンフレットの場合は中綴じ、並製本が殆どです。
見積りでは、加工作業に対する費用のことを指します。
見積りの内訳10.梱包・発送
印刷・製本された印刷物を梱包し、発注側の指定場所に届けます。
見積りでは、上記の作業に対する費用のことを指します。
印刷見積りの内訳説明と見積り例まとめ
今回は弊社のパンフレット制作を例としてご紹介しました。
(印刷会社によって見積りの方法が変わることもありますので、ご注意ください。)
オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いや、商品の違い、部数にもよっても料金は大きく変わります。
中には撮影料やデザイン料が別途必要なこともあります。
パッケージものの場合、明細もなく一式でまとめられている場合もありますので、気になる方は詳細を聞いてみるのも良いでしょう。
見積りの不透明さに疑問を持つ発注者が多いと聞きますが、少しでも疑問に思えば内訳(明細)について印刷会社に質問してみてください。