2016年8月24日
高級感や保存性を求めるなら!上製本・ハードカバーの特徴とメリット
目次 ▼
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上製本(ハードカバー)の特徴とは
製本には大きく分けて並製本と上製本の2種類があります。
並製本(なみせいほん)とは、ソフトカバーと呼ばれる製本です。商業印刷で使用される冊子は殆どがこの種類です。
そして今回取り上げるのは上製本です。
上製本とは、本の中身をしっかりと糸でとじ、別仕立ての厚めの表紙でくるむ製本方法です。
いわゆるハードカバーと呼ばれているものです。
少し値が張りますが、大好きな小説や写真集など、ここぞという大事な一冊はハードカバーが良いと考える人も少なくありません。
そこで今回は、上製本(ハードカバー)の特徴とメリットを詳しくご紹介したいと思います。
上製本(ハードカバー)の特徴1.高級感がある
表紙に厚みもあり、布やレザーなどの素材でくるまれた上製本は、見た目も高級感があり、アルバムや一般書籍の他、記念誌や写真集などによく用いられています。
上製本(ハードカバー)の特徴2.保存性が高い
上製本は、無線や糸などで綴じた本を別仕立ての厚めの表紙でくるんでいるため、長期の保存に耐えられるようになっています。
また、後述する糸綴じは開け閉めにも強く、頻繁に開け閉めする本にも向いています。
上製本(ハードカバー)の特徴3.背の形が2種類ある
上製本には、本体の仕立てによって、背の形が丸い「丸背」、角張った「角背」の2種類があります。
丸背は、自伝などページ数の多い書物や書店で販売されている単行本などに用いられています。
角背は、研究論文や卒業論文、アルバム、絵本、日記帳などに多く用いられています。
上製本(ハードカバー)の特徴4.選べる表紙素材
上製本では、他の製本にはない特別な仕上がりが可能です。
その特徴の一つが表紙素材です。
例えば、布クロスやレザークロス、コート紙などにPP加工を施した印刷用紙まで、様々な表紙素材を選ぶことができます。
布クロス
レザークロス
印刷用紙
上製本(ハードカバー)の特徴5.選べる綴じタイプ
印刷会社によって取り扱いは違いますが、大きく分けて無線綴じや糸綴じ、針金綴じ、以上3つの種類が選べます。
無線綴じ
無線綴じとは、接着剤を使って綴る方式のことです。
無線綴じとは、冊子の背の部分を強力な糊(接着剤)で綴る製本です。表紙で本分に巻きつけることから、くるみ製本とも呼ばれています。
工程がシンプルなため、安価で製本できます。
無線綴じを改良し製本強度を高めたアジロ綴じもあります。
糸綴じ
糸を使って綴じて紙を縫い付ける方式のことです。
本の開きが良く、見開きのデザインなどページを大きく使ったレイアウトに適しています。
通常の糸綴じと、安価でできるミシン綴じの2種類があります。
糸でしっかりと縫い付けるため、抜け落ちしにくく、丈夫であることが最大のメリットです。
針金綴じ
無線綴じの工程で背固めしたうえで、さらに針金で綴じる方式です。
上製本(ハードカバー)の特徴6.あらゆるオプション加工が可能
上製本は、表紙の他にも、オプション加工の種類が多くあります。
印刷会社によって取り扱いの違いはありますが、上製本を補強・装飾するためにハードカバーの内側に紙を貼る「見返し」、上製本の背の部分上下に貼る小さな布「花ぎれ」、しおり(スピン)など、様々な色や模様を選ぶことができます。
また、角背の場合はブックケース、丸背は表紙カバーなども用意されています。
ブックケース
表紙カバー
上製本・ハードカバーの特徴 まとめ
上製本は、並製本に比べ制作料金も高く納期にも時間がかかります。
しかし、高級感もあり保存性に優れた上製本は、記念となる一冊を作るにはおすすめです。
表紙のデザインに頼らずとも、加工次第でオリジナリティを出すこともできます。
ぜひあなたならではの特別な一冊を作ってみてはいかがでしょうか?