2026年8月17日
ピクトグラムとは?意味やメリット、作り方・無料素材サイトを紹介
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駅や空港、公共施設などで見かける「ピクトグラム」。トイレや非常口、エレベーターなどを示すマークとして、私たちの身近な場所で使われています。
ピクトグラムは、文字を使わずに情報や意味を直感的に伝えられるため、案内表示だけでなく、マニュアルや取扱説明書、プレゼン資料など、さまざまな場面で活用されています。
本記事では、ピクトグラムとは何か、その意味やメリット、作り方、無料で使える素材サイトについて詳しく解説します。

ピクトグラムとは?
ピクトグラムとは、文字を使わず、絵や図形によって情報や意味を伝える視覚的な記号のことです。駅や空港、公共施設などの案内表示をはじめ、非常口やトイレ、エレベーターなどを示すマークとして、私たちの身近な場所で幅広く使われています。
ピクトグラムは、対象物や行動などをシンプルな形に置き換えて表現することで、文章を読まなくても情報を直感的に理解しやすいことが特徴です。そのため、短時間で情報を伝える必要がある場所や、さまざまな言語を使用する人が集まる場所などで活用されています。
代表的なピクトグラムには、以下のようなものがあります。
・トイレを示すマーク
・非常口を示すマーク
・エレベーターを示すマーク
・禁煙を示すマーク
・飲食禁止を示すマーク
・車いす対応設備を示すマーク
ピクトグラムとアイコンの違い
ピクトグラムと似たものに「アイコン」があります。
どちらも絵や図形を使って情報を視覚的に表現するものですが、一般的には、ピクトグラムは情報や意味を直感的に伝えること、アイコンは機能や対象を示すことを目的として使われることが多いという違いがあります。
例えば、駅や公共施設にある「トイレ」「出口」「非常口」などの案内表示は、ピクトグラムの代表例です。一方、Webサイトやスマートフォンのアプリで使われる「検索」「設定」「ホーム」などのマークは、アイコンと呼ばれることが一般的です。
ただし、両者に明確な境界はなく、用途やデザインによっては、同じ図形がピクトグラムとアイコンのどちらとも捉えられる場合があります。
ピクトグラムの歴史
ピクトグラムの発展に影響を与えたものの一つに、オーストリアの哲学者・社会学者であるオットー・ノイラートが1920年代に考案した「アイソタイプ(ISOTYPE)」があります。
アイソタイプとは、ノイラートが「社会経済博物館」で使用した、 複雑な社会・経済に関する情報を、絵や図を使ってわかりやすく伝えるための視覚的な表現方法です。ノイラートは、こうした図を用いた教育が、言語の違いを超えた国際的な共通理解を築くと考え、その重要性を提唱しました。
このように、複雑な情報を視覚的な記号に置き換え、誰にでもわかりやすく伝えるというアイソタイプの考え方は、現在のピクトグラムにも通じています。
東京オリンピックで世界的に注目されたピクトグラム
ピクトグラムが世界的に広く知られるきっかけの一つとなったのが、1964年に開催された東京オリンピックです。
当時の日本では、標識や案内表示の多くが外国語に対応していませんでした。そこで、海外から訪れる人々に情報をわかりやすく伝えるため、美術評論家の勝見氏を中心に、競技を表す20種類のピクトグラムと、トイレや電話などの施設・設備を表す39種類のピクトグラムが考案されました。
これらのピクトグラムは、特定の言語に頼らず情報を伝えられるデザインとして注目され、その後、広く普及させることを目的に著作権が放棄されました。これをきっかけに、ピクトグラムは日本国内だけでなく、世界各地へ広まっていったとされています。
さらに、2021年に開催された東京オリンピックでは、33種目・50種類のピクトグラムが新たに制作され、開会式で競技ピクトグラムを表現するパフォーマンスが行われたことでも再び注目を集めました。
ピクトグラムのメリット
一目で情報を伝えやすい
ピクトグラムは、文章を読まなくても意味を理解できるよう、情報をシンプルな図形に置き換えて表現します。
そのため、道路標識や非常口の案内、施設内の表示など、遠くからでも一目で情報を伝える必要がある場面に適しています。
また、色や形を組み合わせることで、「禁止」「注意」「安全」などの情報がより視覚的に伝わります。
限られたスペースでも使いやすい
文章で説明すると多くのスペースが必要になる情報でも、ピクトグラムなら一つの図形で表現できます。
そのため、案内板や冊子、マニュアル、取扱説明書など、限られたスペースに情報を掲載したい場合にも活用しやすいでしょう。
文章だけでは情報量が多くなってしまう場面にも、ピクトグラムを取り入れることで、内容を整理し、視覚的にわかりやすくする効果が期待できます。
言語や年齢の壁を超えて伝わりやすい
ピクトグラムは文字ではなく図形で情報を伝えるため、言語や年齢を問わず多くの人に理解してもらいやすいという特徴があります。
そのため、空港や駅、観光施設など、さまざまな属性の人が訪れる場所でも活用されています。
ただし、国や文化によっては異なる解釈をされる場合もあるため注意が必要です。国際的に使用する場合は、対象者や利用環境を考慮し、ISO規格に準拠したピクトグラムを使用することをおすすめします。必要に応じて文字で情報を補足するのも一つの方法です。
ISOとは、「International Organization for Standardization(国際標準化機構)」の略称で、スイスのジュネーブに本部を置く非政府組織です。この機構は、国際的な基準となる規格を制定し、各国での基準のばらつきをなくす役割を担っています。例えば、一つの製品に対する安全基準が国ごとに異なっていると、輸出入時に問題が生じたり、ユーザーの安全性が脅かされたりするおそれがあります。
そこで、こうした課題を解決すべく、世界共通の基準を設けるために「ISO規格」という国際的な規格が制定されているのです。
引用: 実は世界共通!マニュアルや取説で使われる「禁止・警告・指示」マークの意味

ピクトグラムの作り方
ピクトグラムを作成する方法は、大きく分けて「自分で作成する方法」と「素材サイトから入手する方法」の2つがあります。
自分で作成する場合は、伝えたい情報を明確にしたうえで、モチーフをシンプルな形に置き換えていくことがポイントです。ここでは、ピクトグラムを作成する基本的な手順を解説します。
1.何を伝えたいかを決める
まず、ピクトグラムを使って何を伝えたいのかを明確にします。
例えば、「立入禁止」「非常口を示す」「ごみを捨てる」など、伝えたい情報をできるだけ一つに絞りましょう。
一つのピクトグラムに複数の情報を詰め込むと、何を表しているのかがかえってわかりにくくなるため注意が必要です。
2.モチーフを決める
次に、伝えたい情報を表現するためのモチーフを考えます。
例えば「ごみを捨てる」という情報であれば、「ごみ箱」や「ごみを捨てる人」など、見る人が意味を連想しやすい要素を選びます。
このとき、細かな装飾や背景などをすべて描こうとするのではなく、「この情報を伝えるために最低限必要な要素は何か」という視点で考えることが大切です。
3.モチーフを基本形状に置き換える
モチーフが決まったら、「丸」「四角」「線」などの基本的な形状を使って、シンプルな図形に置き換えていきます。
例えば、人を表現する場合は、頭を「丸」、体や手足を「線」や「四角」などで表現できます。
ピクトグラムでは、細かな形状をそのまま再現するのではなく、特徴的な部分を残しながら、できるだけ単純化することがポイントです。
4.不要な要素を削る
基本形状で大まかな形を作ったら、不要な要素を削っていきます。
ピクトグラムでは、「何を描くか」だけでなく、「何を描かないか」も重要です。
細部を描き込みすぎると、サイズを小さくしたときに形がつぶれたり、何を表しているのかわかりにくくなったりします。
「この要素がなくても意味は伝わるか」という視点で確認しながら、必要最小限の要素に整理しましょう。
5.視認性を確認する
完成したら、実際に使用するサイズや環境で見やすいかを確認します。
特に、小さなサイズで使用する場合は、細かな部分がつぶれてしまうことがあります。また、案内表示など遠くから見る用途では、距離が離れても形や意味を認識できるか確認することが大切です。
以下のような点をチェックするとよいでしょう。
・小さなサイズでも形を認識できるか
・遠くから見ても意味が伝わるか
・背景とのコントラストが十分か
・線が細すぎたり、要素が複雑になったりしていないか
・色がなくてもある程度意味を理解できるか
6.デザインに統一感を持たせる
複数のピクトグラムを作成する場合は、それぞれのデザインに統一感を持たせることも重要です。
例えば、以下のようなデザインルールをあらかじめ決めておくとよいでしょう。
・サイズ
・線の太さ
・色
・図形の形状
・人物の表現方法
特にマニュアルや冊子、案内表示などで複数のピクトグラムを使用する場合は、ページや項目ごとにデザインが変わらないよう、共通のルールに沿って作成することが大切です。
ピクトグラム作成に使えるツール
ピクトグラムは、Illustratorなどのデザインソフトだけでなく、PowerPointなどを使って作成することもできます。
代表的なツールには、主に以下のようなものがあります。デザインの自由度や作業環境、必要な機能などに応じて、自分に合ったツールを選びましょう。
・Adobe Illustrator
・Microsoft PowerPoint
・PICTOGRAMMING
ピクトグラムを作るときの注意点
ピクトグラムは、単純に図形を組み合わせればよいわけではありません。「誰が見ても一目で意味を理解できるか」という視点を意識し、情報のわかりやすさや視認性、使用する環境などを考慮してデザインすることが重要です。
ここからは、ピクトグラムを作成するときに注意したいポイントを紹介します。
情報を詰め込みすぎない
一つのピクトグラムに複数の情報を詰め込むと、何を伝えたいのかわかりにくくなり、ピクトグラム本来の「一目で情報を伝える」という効果を発揮しにくくなります。
不要な要素はできるだけ削り、伝えたい情報をシンプルに表現することを心がけましょう。複数の方法を伝える必要がある場合は、一つのピクトグラムにまとめるのではなく、複数のピクトグラムや文字などに分けて表現するのも一つの方法です。
色だけに頼って意味を伝えない
色は情報をわかりやすく伝えるための有効な手段ですが、色だけで意味を区別すると、色覚特性などによって情報を認識しにくい場合があります。
色だけで意味を伝えるのではなく、形や記号、文字なども組み合わせると、より多くの人に情報が伝わりやすくなります。
また、背景とピクトグラムの色のコントラストを十分に確保し、見やすさにも配慮しましょう。
使用する環境に合わせてデザインする
ピクトグラムは、使用する場所や媒体によって、適したサイズや色、デザインが異なります。
例えば、施設内の案内表示で使用する場合は、離れた場所からでも認識できるサイズや視認性が求められます。一方、マニュアルや冊子などの印刷物では、小さなサイズでも形がつぶれず、内容を理解できることが重要です。
印刷物、Webサイト、案内表示など、実際に使用する環境を想定してデザインするようにしましょう。
対象者に意味が伝わるか確認する
ピクトグラムは「自分には分かる」だけではなく、実際に使用する人に意味が伝わるかを確認することも大切です。
制作者にとってはわかりやすいデザインでも、見る人によっては別の意味に受け取られる可能性があります。
特に、一般の人が利用する案内表示や取扱説明書などでは、実際のユーザーに見てもらい、「何を表していると思うか」を確認するとよいでしょう。
国際的に使用する場合は規格を確認する
公共情報用の図記号には、国際規格が定められているものもあります。
例えば、ISO 7001は「公共情報用図記号」を対象とした国際規格で、公共空間などで使用される図記号について定めています。
ただし、ISO 7001はすべての安全標識や道路交通標識を対象とするものではありません。使用する目的や場所によって適用される規格や法令が異なるため、必要に応じて確認することが大切です。
また、先述のとおり、国や文化によって図記号の受け取られ方が異なる場合もあります。海外向けの資料や案内表示などに使用する場合は、対象となる国や地域で意味が正しく伝わるかにも配慮しましょう。
無料で使えるピクトグラム素材サイト3選
ここからは、無料でピクトグラム素材をダウンロードできる3つのサイトをご紹介します。
素材を利用する際は、商用利用や加工の可否、クレジット表記の必要性など、各サイトの利用規約を必ず確認するようにしましょう。
ヒューマンピクトグラム2.0

「ヒューマンピクトグラム2.0」は、人物をモチーフにしたユニークなピクトグラムを数多く提供している素材サイトです。
一般的な案内表示で使われているピクトグラムとは一線を画し、遊び心のあるデザインやユニークなポーズの素材も充実しています。資料やWebサイトなどにアクセントを加えたい場合にも活用できるでしょう。
ダウンロード形式は、ai、png、jpgに対応しています。会員登録不要でダウンロードでき、商用利用も可能です。
ピクトアーツ

URL:https://pictogram-free.com/
「ピクトアーツ」は、モノクロを基調としたピクトグラム素材を提供しているサイトです。コミカルで親しみやすいデザインから、ビジネスシーンで使いやすいシンプルなデザインまで、幅広い素材が用意されています。
ピクトグラムだけでなく、ビジネスアイコンやイラストなどの素材も探せるため、さまざまな用途に活用できます。
ダウンロード形式はpngのみですが、会員登録やクレジット表記は不要で、商用利用も可能です。
SILHOUETTE ILLUST

URL:https://www.silhouette-illust.com/
「SILHOUETTE ILLUST」は、人物や動物、モノなど、10,000点以上のシルエット素材を提供しているサイトです。モノクロのシンプルな素材が多く、さまざまな用途に使いやすいのが特徴です。
ファイル形式はai、png、jpgに対応しており、一つのZIPファイルにまとめられているため、ワンクリックで手軽にダウンロードすることができます。
会員登録やクレジット表記は不要で無料ダウンロードでき、商用利用も可能です。
▼以下の記事では、ピクトグラム以外のイラスト・アイコン素材サイトも紹介しています。
まとめ
今回は、ピクトグラムとは何か、メリットや作り方、無料で使える素材サイトなどをご紹介しました。
ピクトグラムは、文字を使わずに情報を視覚的に伝えられるため、駅や空港、公共施設などの案内表示だけでなく、マニュアルや取扱説明書、パンフレット、プレゼン資料、Webサイトなど、幅広い場面で活用できます。
上手に活用することで、文字だけでは伝わりにくい情報を、直感的に伝えることが可能になりますので、ぜひ参考にしてみてください。





