2024年12月13日
グラフの種類と使い分け一覧!作成時の5つのポイントとは
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データや数値をわかりやすく伝えるために、グラフを活用する機会は多いでしょう。しかし、棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ、帯グラフなど、さまざまな種類があって「どのグラフを使えばよいかわからない…」と感じることも少なくないのではないでしょうか。
グラフは情報を直感的に伝える便利なツールですが、目的や内容に合わないものを選んでしまうと、かえって見づらくなり、伝えたいポイントが伝わらなくなることもあります。
そこで今回は、Excelで作成できる代表的なグラフを中心に、それぞれの種類や特徴、適切な使い分け方についてご紹介いたします。
代表的なグラフの種類
棒グラフ
棒グラフは、棒の長さを用いてデータの大小を比較したいときに利用されるグラフです。同じ視点で複数のデータを比較するのに適しており、視覚的にわかりやすいのが特徴です。
棒グラフには縦型と横型がありますが、比較する項目名が長い場合は横型を選ぶと見やすくなります。
円グラフ
円グラフは、全体を100%として、各要素が占める割合や内訳を表現するのに利用されるグラフです。「はい/いいえ」「男性/女性」「パン派/ごはん派/麺派」など、項目数が少ないデータの比率を示すのに適しています。
一方で、項目数が多いと、グラフが複雑になり割合がわかりにくくなるため注意が必要です。その場合は「積み上げ棒グラフ」を活用したり、割合が少ない要素を「その他」としてまとめるなどの工夫をするとよいでしょう。
また、円グラフの中央部分が空洞になったドーナツ型円グラフも、見た目のバリエーションとしてよく使用されます。
折れ線グラフ
折れ線グラフは、時間の経過にともなうデータの変化を表現する際に適したグラフです。線の傾きによって増減の幅を示せるため、傾きが急であるほどデータの変動が大きいことが一目でわかります。
横軸には「年」や「月」などの時間軸を設定することが多く、月ごとの気温の変化や年間売上の推移など、時系列に沿ったデータの動向を視覚的に把握する際に活用されます。
帯グラフ
帯グラフは、割合や内訳の変化を表すのに適したグラフです。
Excelには「積み上げ棒グラフ」と「100%積み上げ棒グラフ」があり、名前に「棒グラフ」と付いていますが、これらも帯グラフの一種です。「積み上げ棒グラフ」は各項目の合計とその内訳を表し、「100%積み上げ棒グラフ」は帯全体を100%とした場合の割合を表しています。 これらは縦型と横型の形式があり、用途に応じて使い分けることができます。
割合や内訳を表すという点では円グラフと似ていますが、割合の変化を視覚的に捉えたい場合には帯グラフのほうが適しています。
ヒストグラム
ヒストグラムは、データの分布や散らばり具合を表すために使用される棒グラフの一種です。横軸に階級(点数や年齢など)、縦軸にその階級に含まれるデータ数を配置し、どの階級が最も多いのかを示します。
統計データの可視化に適しており、点数の分布、偏差値、年齢別の集計結果などを表現する際によく用いられます。
箱ひげ図
箱ひげ図は、ヒストグラムと同様にデータの分布やばらつきを視覚的に示すグラフで、箱とその上下に伸びる「ひげ」によってデータを表現します。
箱ひげ図はデータを四等分して「最小値~第1四分位数」「第1四分位数~中央値」「中央値~第3四分位数」「第3四分位数~最大値」を示すため、ヒストグラムよりも最小値や中央値などが明確にわかりやすいのが特長です。また、複数のデータ間の分布の違いを比較する際にも適しています。
レーダーチャート
レーダーチャートは、一つの対象を複数の項目で評価し、そのバランスや特性を示す際に用いられるグラフです。商品の特徴、食品の栄養バランス、個人成績など、さまざまな視点で評価するのに適しています。
複数のレーダーチャートを重ねることで、異なるデータのバランスや傾向を比較することも可能です。
散布図
散布図は、二つのデータ間の相関関係を可視化するためのグラフです。例えば、縦軸に身長、横軸に体重を設定すると、身長が高い人ほど体重が重いかどうかを、点の配置によって見ることができます。
データ間に相関がない場合は点がばらばらに分布しますが、正の相関(右肩上がり)や負の相関(右肩下がり)がある場合は、点が一定の傾向を持つ線状に配置されます。
バブルチャート
バブルチャートは、散布図にもう一つのデータを加え、三つの要素を同時に分析するためのグラフです。縦軸と横軸で二つのデータを表し、さらに点(バブル)の大きさで三つ目のデータを表現します。
バブルチャートは、データ数が多すぎると、バブルが重なり見づらくなることもあるため注意が必要です。マーケティング分野でのPPM分析などによく利用され、縦軸に市場成長率、横軸に市場シェア、バブルの大きさで売上を表すケースが一般的です。
各グラフの特徴・使い分け・活用例の一覧
ここまで、さまざまなグラフの種類と特徴についてご紹介しました。グラフには、それぞれ表現するのに適したデータや目的があります。ここでは、活用例を含めた一覧表でまとめてご紹介します。
グラフの種類 | 特徴・適しているデータ | 活用例 |
棒グラフ | データの大小を比較 | 売上比較、アンケート結果の比較 |
円グラフ | データの割合・内訳・構成比 | 売上の内訳、アンケート回答の内訳、予算構成比 |
折れ線グラフ | データの推移 | 売上推移、人口の変化、顧客数の増減 |
帯グラフ | 割合・内訳・構成比、 とその推移 | 売上構成の変化、市場シェアの推移 |
ヒストグラム | データの分布 | 顧客の年齢層、売上額の分布 |
箱ひげ図 | 分布や比較、 最大値・最小値・中央値 | 製品別売上分布の比較、欠陥品の異常検知 |
レーダーチャート | 複数観点からのデータ評価 | 製品評価、社員評価、他社サービス比較 |
散布図 | 二つのデータの相関関係 | 顧客満足度とリピート率の相関、目標と実績の相関 |
バブルチャート | 三つのデータの相関関係 | 市場成長率・シェア・売上の相関 |
グラフ作成時の5つのポイント
1.目的に応じて適切なグラフを選ぶ
データの特徴に合わないグラフを使用すると、何を伝えたいのかが、かえってわかりにくくなってしまいます。
グラフを作成する際には、「グラフを使って何を見せたいのか」「どのような数値を強調したいのか」など、目的を明確にしてグラフを使い分けることが重要です。特に「データが1種類なのか複数なのか」「推移を示したいか」といった観点で選ぶとよいでしょう。
2.データの大きさに合わせて目盛りの間隔を調整する
Excelなどでグラフを作成すると、自動で目盛りや軸の最大値・最小値が設定されますが、そのままだとデータが正しく読み取れなかったり、グラフ内の情報が煩雑になったりする場合があります。
目盛りの間隔が広すぎたり狭すぎたりしないよう、データの大きさや見せ方にあわせて見やすく調整するようにしましょう。Excelでは「軸の書式設定」で、最大値・最小値、目盛りの間隔を簡単に設定することができます。
3.データの並び順を工夫する
グラフをわかりやすくするためには、データの並び順も重要です。並び順によってデータの意味や傾向が明確になり、読み手に与える印象も変わってきます。推移や関連性など、どこを強調したいかによって並び順を工夫しましょう。
時系列データは時間順に並べる、商品別データはカテゴリ別や五十音順に整理するなど、意図に応じて順序を工夫することで、視覚的な分析や比較がしやすいグラフになります。
4.3Dグラフはなるべく使わない
Excelなどではグラフを立体的に表現した3Dグラフを作成することができますが、この3Dグラフの使用はなるべく避けるようにしましょう。
見栄えはいいかもしれませんが、データの正確性が損なわれたり、3Dの効果によって本来小さいはずのデータが大きく見えてしまうなど、誤解を招く可能性もあります。正確なデータを伝えたい場合は、2Dグラフの使用をおすすめします。
5.不要な要素を削除する
グラフには縦軸と横軸のほかに、目盛り、補助線、数値ラベルなど多くの要素を表示することができますが、情報を詰め込みすぎるとどの情報に注目すべきなのかがわからなくなり、本来伝えたい情報がかえって目立たなくなってしまいます。本当に必要な情報だけを残し、不要な要素はできるだけ省略するようにしましょう。
また、色を多用すると見づらくなるため、色の使い方にも注意が必要です。
まとめ
今回は、グラフの種類と特徴、適切な使い分けについてご紹介しました。今回ご紹介した以外にもさまざまなグラフがありますが、重要なのは「目的に合ったグラフを選び、わかりやすく表現する」ことです。
ぜひこの記事を参考に、見やすく効果的なグラフを作成してみてください。