2023年5月8日

営業マニュアルに必要な8つの項目とは?目次テンプレートをご紹介

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営業マニュアルは営業活動を円滑に進めるために重要なツールです。

しかし、営業は属人化しやすく正解がないことに加え、さまざまな部署との連携が必要だったり、顧客によって対応方法が異なったり……どのような内容を載せるべきか、マニュアル化が難しい業務でもあります。

そこで今回は、営業マニュアルを作成するメリットと営業マニュアルに必要な項目、目次のテンプレートをご紹介いたします。

営業マニュアルを作成するメリット

1.教育にかかる時間の短縮

営業マニュアルは、営業の基本や実践的なノウハウを網羅的に掲載するため、新入社員をはじめ経験の浅い営業員にとって業務の指針となります。

マニュアルを渡してそれで終わり、というわけにはいきませんが、一から口頭で説明したり、つきっきりで教える時間が短縮され、教育の効率化が図れます。

先輩社員もマニュアルに沿って教えられるため、「この業務について教えていなかった」といった抜け漏れを防ぎ、教える側の負担軽減にもつながります。

また、何かわからないことがあった際もマニュアルを見ればわかるという環境を作っておくことで、新入社員も安心して業務に取り掛かることができるでしょう。

2.属人化の解消

営業は属人化しやすく、営業員の経験や能力によるレベルの差が出やすい業務です。

営業マニュアルを作成し行動指針や業務フロー、トークスクリプトなどの基準を定めることで、個人差が生まれにくくなり属人化の解消につながります。

顧客情報などもあわせてマニュアル内にまとめておけば、急遽担当者が不在の場合でもスムーズな対応が可能になりますし、異動や退職にともなう引き継ぎの際にも役立ちます。

3.営業力の向上

ベテラン営業員や成績のよい営業員のノウハウが共有されることによって、新人の即戦力化や営業員全体のスキルアップも期待できます。マニュアルによって業務手順やルールが明文化されるため、ミスの防止や品質の向上にも役立ちます。

トラブル時の対処法や過去のクレーム事例などもマニュアルに盛り込んでおけば、イレギュラー発生時にも適切な対応ができるようになるでしょう。

4.業務の効率化

マニュアルによって業務内容や手順が明確化されることで、自己流や個人でばらばらだったやり方が統一され、無駄を省き業務効率化を図ることができます。

また、マニュアルを作成する過程では、業務を細かく洗い出したり、業務フローを見える化する必要があります。ふだんの業務を見直す機会が生まれることによって、実は不要だった工程が見えてくることもあります。

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営業マニュアルに必要な項目・目次テンプレート

ここからは営業マニュアルに記載したい項目について具体的にご紹介していきます。業界や対象によっても異なりますが、今回ご紹介する項目を目次のテンプレートとして参考にしてみてください。

営業マニュアル_目次テンプレート

①導入・はじめに

マニュアルの本題に入る前にまずは序文や導入部分を掲載しましょう。マニュアル作成の背景や目的、使用方法などの概要を冒頭に記載することによって、マニュアルの意義や対象が明確になり、より一層の効果が期待できます。

営業マニュアルは顧客情報や機密情報など、社外秘の内容が含まれることが多いため、管理上のルールなども初めに明記しておくとよいです。

②営業活動における方針やビジョン

続いては営業活動における方針や基本となる考え方などを記載します。組織全体のビジョンや理念、行動規範などもあればあわせて記載しましょう。

業務内容やノウハウだけでなく営業の役割や責任についても言及することで、営業活動そのものへの理解が深まり、営業全体の方向性をそろえることにつながります。

③自社の商品・サービスに関する情報

営業活動を行うにあたって、営業は自社の商品やサービスについて詳しく理解しておく必要があります。

・自社商材の特徴
・ターゲット、ペルソナ
・導入事例
・よくある質問
・競合他社との違い
・専門用語

などをまとめておくことで、お客様に対して効果的な説明・提案がしやすくなります。

このまま営業ツールとしても流用できるようにしておくと便利です。

④営業に必要な基本的な知識やスキル

営業活動全般において必要となる基本的な知識やスキルを記載します。会社独自の規則や文化があればそれらも明記しておきましょう。

具体的には以下のような項目が挙げられます。

・ビジネスマナー
・電話対応、ビジネスメール
・プレゼンテーションスキル、資料作成方法
・マーケティング知識
・法律や規制
・顧客の業界知識
・市場動向、トレンド

服装・髪型などの身だしなみや言葉遣い、名刺交換などの基本的なビジネスマナーから、マーケティングや市場動向まで、営業に関連する知識は網羅しておくとよいです。これらの知識を持ち合わせていることで、顧客からの信頼獲得にもつながります。

市場動向やトレンドなども入れておくとよりリアルタイムなマニュアルになりますが、情報が古くなってしまわないよう注意しましょう。定期的に見直しをして更新することが重要です。

⑤営業活動の手順と業務内容

具体的な業務内容について記載します。

新規顧客の開拓方法や見込み客となるまでの顧客育成、商談の進め方や契約の締結など、営業活動の一連の流れとそれにともなう業務内容を具体的に示し、スタンダードな業務遂行ができるようにします。

具体的には以下のような項目があります。

・新規顧客の開拓(リード獲得)
・リードから見込客への育成
・見積の作成
・商談
・契約の締結
・契約後のフォローアップ
・顧客維持(アップセル・クロスセル)

対顧客の業務に加え、社内業務やルーティンワークなどもまとめておきましょう。

その際、ただ単にまとめるのではなく、各営業員が持っているノウハウやコツなども盛り込むとより実践的なマニュアルになります。

⑥顧客への対応方法・トークスクリプト

業務手順に沿って、顧客やシーンごとのアプローチ方法やトークスクリプトもまとめておくとよいです。

「新規問い合わせにはこのように対応する」「関心度の高い顧客にはこのようにアプローチをする」というようにアプローチ方法が明文化されれば、それぞれの顧客に対して適切な対応ができるようになり、成約率の向上にもつながります。

また、「商談ではまず何から話せばよいか」「どのように会話を進めていけばよいか」など、トークの流れやよくある質問などをまとめておくことで、経験の浅い営業員も自信を持って話すことができるようになります。 成績のよい営業員のトークスキルを共有できれば、営業員のレベルのばらつきも軽減され、顧客対応の質の向上も期待できるでしょう。

⑦顧客情報の管理方法

各営業員が持っている顧客情報をどのように集約し管理するか、明確なルールを決めましょう。

顧客管理が曖昧だと、見込み顧客の取りこぼしや引き継ぎの抜け漏れが発生する原因にもなりかねません。

SFAやCRMなどの営業支援ツールを利用している場合は、それらの使い方や操作方法もあわせて記載します。操作画面のキャプチャも載せながら説明すると丁寧です。

⑧トラブル・クレームの対応方法

トラブルやクレームが発生した際の連絡経路や対応方法を明記します。

過去の事例とあわせて記載することでクレームの再発防止につながりますし、予期せぬ事態が起こった際もマニュアルを参照することで迅速な対応が可能になり、さらなるクレームを防ぎます。

何かトラブルがあった際には、その都度原因と対処法、結果などを細かく記載し、マニュアルに更新するようにしておくと事例が蓄積されて記録としても活用することができます。

まとめ

今回は、営業マニュアルを作成するメリットと、営業マニュアルに記載したい項目についてご紹介しました。

営業活動には、商品知識やトークスクリプトなど、さまざまな知識やスキルが求められます。そのため、営業マニュアルには業務内容や手順以外にも幅広い情報を記載する必要があり、マニュアル化が難しいと感じる方も多いかと思います。

しかし、営業はさまざまなスキルが必要で属人化しやすい業務である分、マニュアル化したときの効果をより得やすい業務とも言えます。

まずは今回ご紹介した目次を参考にしながら、営業マニュアルに記載したい内容を洗い出し、情報を整理・階層化してみてください。

▼営業マニュアルの作成方法については以下の記事でご紹介しています。

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