2022年11月11日

マニュアルの翻訳を依頼する前にしておきたい4つの準備

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翻訳とローカライズの違いとは?

グローバル化が進み、日本製品を海外に輸出して販売したり、事業を海外展開したりするケースも珍しくなくなりました。

それにともない、マニュアルや取扱説明書の作成においても翻訳やローカライズのニーズが増えてきています。

翻訳とローカライズは似ていますが、厳密には、翻訳は言語を訳すことだけを指すのに対し、ローカライズは言語だけでなく、対象地域の文化や慣習、宗教などを考慮してその地域に適した状態にしていくことを指します。

ただ翻訳しただけでは、国によって意味が伝わらなかったり、間違った意図で伝わってしまう可能性があるため、他の国で製品やサービスを展開する際にはローカライズも必要になってきます。

日本の製品・サービスを海外市場向けにローカライズする場合、それぞれの規格に適用させる必要がありますし、日本製品を海外向けにローカライズする場合には、対象地域の文化や慣習などに対応させる必要があります。

マニュアルや取扱説明書の翻訳・ローカライズは専門的な作業のため、翻訳会社に依頼するケースが多いかと思います。

そこで今回は、翻訳会社に依頼する際に準備しておくべきことをご紹介します。

日英の機械翻訳の注意点については以下の記事を参考にしてください。

マニュアル制作.com_事例バナー

マニュアルの翻訳を依頼する前に準備しておきたいこと

1.翻訳を依頼する範囲を決める

日本語のマニュアルをそのまま翻訳会社に渡して丸投げするのではなく、まずは一度マニュアル全体に目を通してどの部分を翻訳するのかを確認します。

翻訳した後に「実はこの部分は翻訳しなくてよかった」ということが発覚したのでは余計なコストや労力がかかってしまいます。

翻訳を依頼する前に元のマニュアル自体を見直しておくことで、コストを抑えられるだけでなく、元のマニュアルの重複部分や不要な部分が見つかるかもしれません。

図や画像を使っている場合は、その中の翻訳も必要なのか、対象の地域にあわせて画像自体のローカライズも必要なのかまでチェックしておきましょう。

2.元となる日本語マニュアルの文章を整える

わかりやすい原文を提供すればその分翻訳作業がスムーズになり、精度も高まります。

はじめから外国語版を作成することがわかっている場合は、元の日本語マニュアルの作成段階から翻訳を意識した文章にしておくとよいです。

日本語は曖昧な表現が多く主語を省略する性質があるため、「伝わるだろう」と思っていても、翻訳会社が意図とは違う解釈をし誤った訳し方になってしまう可能性があります。

主語述語の関係を明確にしたり、一文一文を簡潔にするなど、翻訳会社と解釈のずれが出ないように文章を整え、日本語母語話者だけが理解できる言い回しや社員だけがわかる略語なども修正しておきましょう。

また、元となる日本語のマニュアルに誤りがあると当然翻訳したマニュアルにも誤りが反映されてしまいますので、間違っている箇所がないかどうかも必ず事前に確認してください。

3.専門用語の用語集や対訳表を用意する

専門的な用語や略語は、そもそもの日本語の意味が翻訳会社に正しく伝わりにくく、翻訳した際にニュアンスが変わってしまう可能性があります。

自社の業界を得意としている翻訳会社に依頼するのも一つの方法ですが、専門用語の意味や正式名称などをまとめた用語集や、「この用語はこのように訳す」という対訳が明確な場合には対訳表を用意しておくと確実です。

また、表記方法のルールがある場合なども事前にまとめておきましょう。

4.完成形のイメージを共有する

用語集や対訳表とあわせて、過去に翻訳したマニュアルや別製品の外国語版取扱説明書などがあれば翻訳会社に共有しておきましょう。

過去のマニュアルや取扱説明書を参考に文体や表現の仕方などの方向性が明確に伝わるため、翻訳会社も完成形がイメージしやすくなり、精度の高い仕上がりが期待できます。

また、外国語に翻訳するにあたり、どの国のどのような人が読むのか、マニュアルの対象者や目的などもあらかじめ伝えておくとよいです。

まとめ

今回はマニュアルの翻訳を依頼する際に準備しておきたいことをご紹介しました。

翻訳会社ごとに得意分野や得意言語がありますので、事前に下調べをしておくことも大切です。

余計なコストの削減や翻訳精度を高めるためにも、しっかりと準備をしておきましょう。