2016年6月30日
懸賞やオファーの金額には限度額がある!?景品限度額と計算方法について解説
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懸賞やオファーにも限度額がある!不当景品類及び不当表示防止法とは
懸賞やオファーの景品類には限度額があるのをご存知ですか?
以前ご紹介した「不当景品類及び不当表示防止法(以下、景表法)」は、誇大広告や虚偽広告などの不当表示だけを禁ずる法律ではありません。
参考:
信用失墜!誇大、虚偽、二重価格…使っちゃいけない広告禁止用語
景表法は、名前のとおり不当な景品類を禁ずる法律です。
そのため、私たちが普段チラシやDMに掲載する懸賞やオファーにも関わってくる法律でもあるのです。
万が一景表法に違反する行為を行った場合は、消費者庁により誤認の排除や再発防止策の実施などを命ずる措置命令が行われます。
また、消費者庁だけでなく各都道府県からも指導を受ける場合があります。
そこで今回は、懸賞やオファーの設定の際にぜひ注意して欲しい景表法で禁止されている景品類の限度額やルールについてご紹介したいと思います。
景品の種類1.一般懸賞
一般懸賞とは商品・サービスの利用者に対し、くじなどの偶然性や特定行為の優劣等によって景品類を提供することです。
例えば、袋を開けないとわからない当たりクジやジャンケンの勝者、クイズの正解者のみに景品を提供するなどの行為です。
一般懸賞における景品類の限度額は、以下のように設定されています。
一般懸賞の限度額
一般懸賞限度額の計算方法
例)300円以上お買い上げの方に抽選で提供する場合
(売上予定総額は300万円とする)
↓
景品の最高額:300円×20倍=6,000円
景品の総額:300万円×2%=6万円
よって、6,000円の景品であれば10個まで提供できます。
※来店者に対し、抽選で提供する景品は当該店舗で一番安い商品の金額を基準に算定します。Wチャンスがある場合は一般懸賞を優先します。
景品の種類2.共同懸賞
共同懸賞とは、商品・サービスの利用者に対し、一定の地域や業界の事業者が共同して景品類を提供することです。
例えば、デパートやショッピングモールなどの商業施設、地域の商店街などが共同で行う当たりくじなどがこれに該当します。
共同懸賞の限度額
共同懸賞限度額の計算方法
1ヶ月間に懸賞販売を行う場合、期間中の売上予定総額が1億円とすれば、提供できる景品の総額は300万円までです。
※「○○チェーン」など1つのグループとみられる小売業者などは、たとえ「相当多数」と認められても一般懸賞扱いとなります。
景品の種類3.総付景品(ベタ付景品)
総付景品とは、懸賞によらず、商品やサービスを利用したり、来店したりした人にもれなく景品類を提供することです。
チラシに掲載されるオファーは主に「総付景品」がほとんどです。しかし、こちらも懸賞と同様限度額が決められています。
限度額オーバーにならないよう景品類の金額には充分気をつけましょう。
総付景品の限度額
総付景品限度額の計算方法
5万円以上お買い上げの方にもれなく提供する場合
↓
景品の最高額:5万円×2割=10,000円
※景品の総額規制はありません。そのため、10,000円の景品を多数提供できます。
※来店者に対し、もれなく提供する場合の景品は、当該店舗で一番安い商品の金額を基準に算定します。
景品の種類4.オープン懸賞
オープン懸賞は景表法に該当しないのですが、念のためご紹介します。
新聞やテレビ、雑誌、Web等で企画内容を広く公表し、商品やサービスの購入や来店を条件とせず、郵便はがきやWebサイト等で申し込むことができ、抽選で金品等が提供される企画には景品規制は適用されません。
このような企画は、一般に「オープン懸賞」と呼ばれています。
オープン懸賞で提供できる金品等の最高額は、従来1,000万円とされていましたが、平成18年4月に規制が撤廃されました。現在では、提供できる金品等に具体的な上限額の定めはありません。
景品類の価額について
オリジナルノベルティなど非売品を総付景品とする場合もよく見られます。
景品類の価額とは、製造原価または販売価格どちらを基準にすれば良いのでしょうか。
景品類の価額1.景品類と同じ物が市販されている場合
景品類の提供を受ける者が、それを通常購入するときの価格を景品類の価額とみなします。
景品類の価額2.非売品の場合
景品類を提供するにあたっての当該景品の入手価格、製造コストや販売コストに利益率などを考慮して、通常購入する場合の価格を算定し、その価格を景品類の価額とします。
ちなみに市販品も非売品も「通常購入する場合」とあるので、消費税込の価格です。
景表法とオファーの関係 まとめ
キャンペーンやイベントに伴い懸賞やオファーを設定することは定番の販促手法です。
魅力的な景品で消費者の興味を引くことは大事ですが、予算だけでなく景表法の限度額に収まるかどうかも、気をつけなければいけない点です。
もし消費者庁や自治体から内容が公表されれば、自社のブランドや信用に大きな傷がつきます。
オファー付きのキャンペーンやDMなどを計画する際は、企画の段階で景表法は必ず頭に入れて、必ず金額に間違いがないかを確認しましょう。