2020年8月31日

意外と知られていない営業の基本マナーとは

営業マナー

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意外と知られていない営業マナー

印刷会社にいると様々な業界の方と接しますが、基本的な営業マナーというのは皆共通しているものです。

このようなマナーは新人研修などでフォローしてくれる企業もありますが、そうではない企業ももちろんあります。また転職などで初めて営業職に就く方もおり、意外と知らなかったということも多く見られます。

営業マニュアルなどでフォローしている場合もありますが、「知っていて当たり前」と敢えて掲載から外している場合も…。

そこで今回は営業マニュアルのコンテンツとしても使える基本的な営業マナーについて話をしてみたいと思います。

身だしなみや服装について

営業マンにとって、見た目はとても重要です。

もちろん特段おしゃれである必要はありません。お客様に不愉快な印象を与えないこと、つまり一番大事なのは清潔感です。

企業によっては細かいドレスコードを規定している場合もありますが、ここではあくまでも一般的に営業マンにとって好ましい見た目のチェックポイントをいくつか挙げてみます。

髪型

髪は顔にかからない程度の長さにしましょう。

男性の場合は茶髪や長髪は避けます。そして盲点なのがフケです。ジャケットの肩部分にフケが落ちていないかチェックしましょう。

女性の場合は、多少明るくでもOKですが、明るすぎないようにするのがベスト。顔にかからなければ、ロングヘアを下ろしているのは問題ないですが、まとめ髪のほうが印象は良いですね。

爪(ネイル)

男性の場合はとにかく短めに切りましょう。

女性の場合、ネイルは必ずNGというわけではありませんが、業界によって許容範囲が違う場合や、社内規定などによってNGの場合もあります。

ネイルが可能な場合は、ピンクやベージュなどの派手すぎないカラーが良いでしょう。

服装

基本はスーツ+ワイシャツ、女性ならブラウスです。

スーツはシワやヨレに注意。またワイシャツやブラウスには必ずアイロンをかけましょう。汗ジミやボタンのほつれなど、細かい部分のチェックも忘れずに。

訪問時のマナーについて

早すぎる訪問もマナー違反。約束の時間の5分前後に訪問するのがベストです。

遅刻する場合は早めに連絡を入れましょう。

ご存知の方も多いでしょうが、コートは企業の玄関前で必ず脱ぎます。

受付では、会社名と名前、アポイントメントの相手、時間をはっきりと伝えます。

会議室や応接室に案内された場合、基本は下座(入り口から一番近い席)に座って待つことがマナーとされていますが、「こちらにおかけください」と予め上座を勧められた場合は、そのまま上座へ座って待ちましょう。

その間に資料や名刺などを用意しておきます。

そして相手が入室したらすぐに席を立ち、初めて会う相手なら挨拶や名刺交換のタイミングとなります。

お茶を出された場合は、相手から勧められたら「頂戴します」など一言お礼を添えて飲みます。

また勧められなくても相手が飲み始めたタイミングで「いただきます」と飲み始めればOKです。

一昔前までは、お茶を飲むのは失礼、飲み干さない…など細かいことをいう人がいましたが、基本はお相手のご厚意によるものですので、有り難くいただきましょう。

改めて名刺交換の基本をおさらいしよう

社会人になったらまずは覚えたいのが名刺交換のマナー。

改めて、そのマナーについておさらいしておきたいと思います。

基本的なポイントは、以下の3つ

1.立ち上がった状態で行うこと

2.テーブル越しで行わないこと

3.訪問者側(目下側)から先に渡すこと

※もし相手側から先に渡されてしまった場合は「頂戴いたします」と一言添えて受け取りましょう。その後「申し遅れました」と添えて自分の名刺を渡します。

また、ポケットなどから直接名刺を出すのもNG.必ず専用の名刺入れを使いましょう。

名刺を渡すときは、自分の名刺は相手側に向きを変えて、相手より低い位置で渡します。

その際、相手の顔を見ながら「◯◯株式会社の◯◯と申します(場合によっては部署名も)」など自己紹介を行います。

ちなみに上司や同僚が同席している場合は、目上の人から順番に渡します。

受け取る際は両手で受け取り、「頂戴します」と一言添えます。交換する場合は、右手で出して、左手で受け取ります。

相手のロゴや名前の上に指を置かないように注意しましょう。

受け取った名刺はすぐにしまわず、自分から見て左側のテーブルの上に置きます。

また直接テーブルの上ではなく、名刺入れの上に置きます。

※相手が複数人の場合は、直接テーブルに並べてもOK。

打ち合わせや商談中のマナーや言葉遣いについて

打ち合わせ中は相槌やアイコンタクトも適度に行い、相手の話を聞いているという姿勢が大事です。

そして特に気をつけたいのが言葉遣いです。

例えば、つい、すみませんと言ってしまいがちですが、敬語としては「申し訳ございません」が正解。

目上の人に対しては、

「ご苦労様です」→「お疲れ様です」、「了解しました」→「承知しました」「かしこまりました」に言い換えるなど、常に意識しておいてください。

ちなみに「了解しました」も「了解致しました」であれば謙譲語になりますので、本来であれば目上の人に対して使うのは問題ありません。しかし、あまり知られていないこともあり、ビジネス上は「承知しました」を使うほうが無難でしょう。

また、「ら抜き言葉」や「させて頂く」の乱用など間違った敬語使いにも注意しましょう。

謙譲語と尊敬語

先程も簡単に触れましたが、「謙譲語」と「尊敬語」についても少し説明します。

たまに、謙譲語と尊敬語を反対に使っている人を見かけますが、行為をする人が誰なのかを意識すれば、判断しやすいと思います。

謙譲語とは自分の行為に対して自分をへりくだるときに使う言葉で、結果相手を立てることができるものです。

尊敬語とは、相手の行為にたいして使うことばで、目上の人や相手を立てるときに使います。

例えば、「する」という言葉も謙譲語なら「いたす」「させていただく」になりますが、尊敬語であれば「なさる」「される」となります。

ビジネス会話上で頻度の高い言葉をピックアップしてみます。

行為 尊敬語 謙譲語
言う おっしゃる、言われる 申す、申し上げる
行く いらっしゃる、おいでになる 伺う、参る
来る いらっしゃる、おいでになる、見える、お越しになる 参る、伺う
知る ご存知だ、お知りになる 存じる、存じ上げる、承知する
見る ご覧になる 拝見する
聞く お聞きになる 拝聴する、伺う

意外と知られていない営業の基本マナーとは まとめ

今回は営業マニュアルの基本、営業マナーについて説明しました。

見た目や言葉遣い、所作がきちんとしていると、相手からの印象も良くなりますし、信頼感も増します。「できる営業マン」はこういうところも、きちんとクリアしています。(もちろんちゃんと仕事の上での信頼を勝ち取ることが前提です!)

ただ、このような営業マナー、ビジネスマナーは、状況によっては変わることがあります。

例えば、コートを玄関前で脱ぐのと同様、マスクについても外すことがマナーとされていました。しかし、コロナ禍の現状では、マスクをしてないことがマナー違反のように受け取られています。

マナーとは、相手を尊重するという敬意の現れです。何が相手にとって良いのかを考え、臨機応変に対応したいものです。