2016年1月25日
DM(ダイレクトメール)の反響率を上げる4大要素と5:2:2:1の法則とは
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DMの4大要素と5:2:2:1の法則とは
「せっかくDMを送ったにもかかわらず、反響率が低い、売り上げに結びつかない……。」
どのようなマーケティングや販促にもうまくいくコツや秘訣、技術が必要です。もちろんDMも同様です。
もしあなたが何も考えずにDMを送り、成果が出ていないと感じるのであれば、成果を出すためのコツや秘訣、技術を伴わずに実施してしまっている可能性があります。
DMは、ターゲット、オファー(特典)、タイミング、クリエイティブという4大要素で構成されているのですが、この4大要素がうまくかみ合っていないのかもしれません。
さらに、DMの4大要素はただ存在していれば良いわけではありません。DMの成果が出やすい比率があり、「5:2:2:1の法則」と言われています。
5:2:2:1=ターゲット:オファー:タイミング:クリエイティブ
なぜ成果が出ないんだと嘆く前に、まずは「5:2:2:1の法則」を知っておかなければ、例え1度成果が出たとしても、再現性が薄い販促手法になってしまうでしょう。
そこで今回は、DMを成功に導く5:2:2:1の法則と、DMを構成する4大要素について解説していきたいと思います。
DM成功法則の4大要素1.ターゲット
まず、5割を占める一番大きな比率「ターゲット」から解説していきます。
ターゲットと聞くと大まかに年齢層や職業、性別などの属性を分けるイメージですが、実際はそのような単純な分類ではなく、明確なペルソナや顧客イメージを設定することが重要です。
例えば、あなたの取り扱い商品の顧客が「20-30代男性」だった場合、
—–
・東京都江戸川区在住
・21歳
・大学生
・居酒屋での洗い場のバイト中
・同じバイト先には大学生の彼女がいる
・最近の悩みは「惰性で飲食のアルバイトを続けているが、就職活動に力を入れた方が良いのではないか……。」
—–
上記のように、具体的でストーリー性のあるターゲット像を描くことで、顧客イメージが膨らんできます。
ターゲット像を明確にすることは、需要を喚起し、そのDMが顧客にとって必要であることを顧客に判断してもらうためにも重要な準備です。
また、DMが届いた際に「なぜ自分に届いたのか」という疑問を減らすことができます。
ターゲット像が確定したら、次はリストを選定します。リストは内部リストと外部リストに分かれます。
内部リストには顧客・見込み顧客リストがあり、外部リストは他社から購入したリスト、レンタルリスト、交換リストというターゲットが絞りこまれたリストがあります。
どのリストを使うにしても、RFM(Recently|最近購買、Frequency|購買頻度、Monetary|購買金額)情報によってターゲットを絞り込む必要があります。
このターゲティングの際にも、最初に設定した明確なペルソナや顧客イメージから外れないように意識をします。
あなたも含め、これまでにDMを開封したことがない方はいないはずです。それは、あなたがターゲットとして絞りこまれているためです。
またほとんどのDMの失敗は、このターゲットが絞りこまれていないことによる開封率の低さが理由であるといっても過言ではありません。
DM成功法則の4大要素2.オファー
続いては、2割を占めるオファー(特典)です。
オファーとは、ターゲットからレスポンスを得るための特典を提示することです。
たとえば、「クーポン持参で来店すると1割引!」という店舗、「メールアドレスを登録すればセール情報を送信!」というスーパー、などさまざまなオファーが考えられます。
オファーの種類はいくつかありますが、代表的なものは以下の5つです。
オファーの種類1.値引き
オファーの種類2.プレゼント(キャンペーン)
オファーの種類3.クーポン
オファーの種類4.イベント
オファーの種類5.コンテスト
オファーには様々な種類がありますが、ターゲットが絞り込めていないオファーは、顧客の購買意欲を高めてくれません。
・ご来店のお客様先着100名に今話題の化粧水50%オフ!
・ビジネスシューズ1,000円引きクーポンプレゼント
さて、あなたはこの2つのオファーのどちらに魅力を感じたでしょうか。人によって、魅力を感じるオファーは違います。
オファーは、お得感や予算も大事ですが、ターゲットにとって魅力的なオファーでなければいけないということです。
DM成功法則の4大要素3.タイミング
次は、2割を占める「タイミング」です。
シーズナル商品の需要や、以前顧客が購入した商品を使い切る時期、それぞれのタイミングに合わせてDMを送ることで、効果を高める要素になります。
例えば、「ちょっと髪が気になるな……。」と思っている時に以前利用した美容院からDMが届くと、ついつい髪を切りたくなります。DMが届かなければ「まぁいいや。」で済ませてしまうかもしれません。
キャンペーンやセール情報、シーズナル商品の需要を見込んだDMの送付も、タイミングを間違えると最大限の効果は発揮されません。
「小さな娘さんがいる家庭には2月(節分終了後)にケーキや雛人形などのDMを送る」
「3月から4月の上旬にかけて卒業・入学・引っ越し関連のDMを送る」
など、商品やサービスによって、DMを送るタイミングは異なります。
シーズナル商品やサービスは、需要喚起のタイミングを逃さないために、以下の様に販促カレンダーを活用しましょう。
企業が消費者に向けて新商品を出したり、セールを行ったり、広告戦略を行ったりなど、販促活動を行うために、様々な年間行事が記されたカレンダーのことです。
DM成功法則の4大要素4.クリエイティブ
最後に、1割を占める「クリエイティブ」です。
通常クリエイティブとは、コピーやデザインのことです。もちろん「成功法則の4大要素」の1つなのでとても大事なものですが、見た目が良いコピーやデザインばかりに力を入れても、DMの成果は期待できません。
DMにおけるクリエイティブとは、思わず目を引くデザインでDMを開封したくなるようなコピー、来店や購入を促すための文章などを指します。
そのため、クリエイティブ設計の際は、郵便受けから顧客の手に渡るまでのユーザー体験(ユーザーエクスペリエンス)を想定したデザインやコピーを作成する必要があります。
いくらターゲットにマッチし、タイミングもピッタリで、その人にとって魅力的なオファーだとしても、DMに目を通してもらえなければ意味がありません。
圧着ハガキや封書であれば、開封してもらう必要があります。そのため、パッと見でターゲットにとって必要な情報だということをアピールできなければいけません。
さらに、開封後も興味や関心を惹きつけ、読み進めてもらえるようなコピーやデザインが重要になります。
またそこから来店や購入を促すためには、情報不足やわかりにくい表現がないターゲットマッチした文章やデザインが重要となるのです。
DMの反響率を上げる4大要素と5:2:2:1の法則まとめ
今回ご紹介したターゲット、オファー(特典)、タイミング、クリエイティブの4大要素は非常に重要です。どれが欠けてもDMの効果は激減してしまいます。
まずは4大要素をしっかりと理解し、次に4大要素の比率を意識してDMを作成することで反響率は確実に上がるはずです。
それでも反響率が低い、効果が見られない場合は、それぞれの要素が明確であるかをチェックしてみてください。
ちなみに私の経験上、DMの反響率が上がらない原因の多くが、ターゲットの設定が間違っていることです。
「あの人もターゲット、この人もターゲットだ!」と欲張ってしまうと、DMの効果が上がりにくくなるためご注意を。
以前ご紹介した、「やってはいけないDM失敗の12法則」では、主にクリエイティブ面での失敗を挙げているので、こちらも参考にしてください。
DMは受け取る側の気持ちになって作らないと反響率は上がりません。
最初は大幅な効果がみられないかもしれませんが、各要素を意識し、トライアンドエラーを繰り返して成果を上げていきましょう。