2023年11月13日

適切な句読点の使い方とは?読みやすさを上げる16のポイント

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句読点とは

句読点(くとうてん)とは、文の終わりや区切りに打つ記号のことです。「。」のことを句点、「、」のことを読点と言います。

句点「。」・・・文末に打ち、文章の終わりを表す。
読点「、」・・・文の切れ目に打ち、文や単語の区切りを表す。

※論文などでは句点として「.(ピリオド)」を、読点として「,(カンマ)」を使うこともあります。

句読点は文の流れや区切りを明確にする役割を持っており、適切に使うことで読みやすさや理解度の向上が期待できます。

一方、句読点が適切に使えていないと、文章のリズムが乱れて読みにくくなることに加え、文の切れ目がわからず誤読が起きる原因にもなります。

そこで今回は、句読点の使い方と文章を読みやすさを上げるポイントについてご紹介いたします。

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句点の使い方 6つのポイント

1.句点は文の終わりに打つ

まずは最も基本的な使い方ですが、句点「。」は文の終わりに使用します。ただし、文末に感嘆符「!」や疑問符「?」がある場合は、それ自体がすでに文の終わりを示しているため、その後ろに句点を打つ必要はありません。

(例)×ありがとうございます!
   〇ありがとうございます!

2.「」の末尾には句点を打たない

会話などの引用符として「」(かぎ括弧)を使う場合、その末尾には基本的に句点を使用しません。

(例) ×新入社員が「今日からよろしくお願いします」と言った。
    ○新入社員が「今日からよろしくお願いします」と言った。

ただし、「」内に複数の文が含まれる場合は各文の区切りに句点を使います。

(例) 新入社員が「おはようございます今日からよろしくお願いします」と言った。

3.( )の末尾には句点を打たない

文中に( )(丸括弧)を使う場合は、「」と同様にその末尾には基本的に句点を使用しません。

(例) ×詳しくはマニュアル(2023年11月に改訂しました)を確認してください。
    〇詳しくはマニュアル(2023年11月に改訂しました)を確認してください。

ただし、こちらも( )内に複数の文が含まれる場合は各文の区切りに句点を使います。

(例)詳しくはマニュアル(2023年11月に改訂しました共有フォルダに格納済みです)を確認してください。

4.注釈として文末に( )を使う場合は、( )の後ろに句点を打つ

注釈や補足の役割として( )(丸括弧)を使う場合は、( )の後ろに句点を打ちます。

(例) ×平日は10時~17時まで対応しています(祝日は除く)
    ○平日は10時~17時まで対応しています(祝日は除く)

5.著者名や出典として文末に( )を使う場合は、( )の前に句点を打つ

( )の中が著者名や出典を表す場合には、( )の前に句点を打ちます。

(例) 天才とは1%のひらめきと、99%の努力である(トーマス・エジソン)
    吾輩は猫である。名前はまだ無い(夏目漱石著『吾輩は猫である』)

6.タイトルや見出し、箇条書きには句点を打たない

タイトル(表題)や見出しにおいては、一般的に文末であっても句点は使用しません。ただし、固有名詞や強調のためにあえて句点をつけるケースもあります。

(例) ×今後の進め方について

また、各項目が文章になっている場合は例外ですが、箇条書きも基本的には句点を使用しません。

(例) ×・たまねぎ
     ・にんじん
     ・じゃがいも

読点の使い方 7つのポイント

1.長い主語や目的語の後ろに読点を打つ

主語や目的語が長い場合は、その後ろに読点を打ちましょう。どこまでが主語・目的語なのか、文節のまとまりがつかみやすくなります。

(例) 私が1番好きな食べ物はステーキです。(主語)
    棚の1番奥にある大きなお皿を2枚持ってきてください。(目的語)

主語や目的語が短い場合は、読点を打つとかえって読みにくくなってしまうため、読点を打つ必要はありません。

(例) ×委員長が話し始めた。
    ○委員長が話し始めた。

    ×写真を撮ってもいいですか。
    ○写真を撮ってもいいですか。

2.接続詞や接続助詞の後ろに読点を打つ

接続詞や接続助詞の後ろに読点を打つことで、文脈の流れや変化が明確になります。

(例) しかし彼は怒らなかった。(接続詞)
    もっと勉強していれば合格できたはずだ。(接続助詞)

3.漢字やひらがなが続くときに読点を打つ

文中に漢字やひらがなが連続する場合は、間に読点を打つようにしましょう。

(例) ×基本毎年私の家では正月をハワイで過ごす。
    ○基本毎年私の家では正月をハワイで過ごす。

また、以下の例文の場合、読点がないと「着物」なのか「履物」なのかわからなくなってしまいます。単語の切れ目に読点を打つことで、誤読の防止にもつながります。

(例) ×ここではきものを脱いでください。
    ○ここではきものを脱いでください。

4.語句を並列するときに読点を打つ

語句が二つ以上並列する場合は、それぞれの語句の間に読点を打ちましょう。各要素が並列であることが強調され、情報が明確に伝わります。

(例)明日のピクニックには、弁当水筒レジャーシートを持って行こう。

5.修飾語と被修飾語を明確にするために読点を打つ

読点の位置によっては本来の意図とは異なった解釈を生んでしまうケースもあります。
例えば以下の例文の場合、読点がないと「音楽を聴いている」のが「私」なのか「友達」なのか判断ができません。

(例)×私は音楽を聴きながら勉強している友達に話しかけた。
   ○私は音楽を聴きながら勉強している友達に話しかけた。
   ○私は音楽を聴きながら勉強している友達に話しかけた。

文が長くなればなるほど修飾語と被修飾語の関係は複雑になります。読点で区切って、修飾語がどの語句にかかっているのかが明確にわかるようにしましょう。

6.重文や複文の区切りで読点を打つ

述語が一つだけの文のことを単文と言いますが、単文が二つある文を重文、二つ以上ある文を複文と言います。

重文や複文のように、一つの文の中に述語が複数存在していたり、「主語+述語」が続く場合には、間に読点を打って文の切れ目がわかるようにしましょう。

(例)×私の趣味はキャンプでバーベキューをしたり焚き火をしたりするのが好きです。
   ○私の趣味はキャンプでバーベキューをしたり焚き火をしたりするのが好きです。

   ×私はギターを弾き彼女はフルートを吹いた。
   ○私はギターを弾き彼女はフルートを吹いた。

7.「」の前後には読点を打たない

「」の前後には基本的には読点を使用しません。「」があることによって文の切れ目が明確になるため、読点は必要ないとされています。

(例)×担当者は「明日確認します」と言った。
   ○担当者は「明日確認します」と言った。

句読点の使い方に迷ったときは?

1. 長すぎる文章は適度に句点で区切る

読点を使って文の区切りを明確にすることもできますが、文自体が長すぎる場合はまずは句点を使って一文を短くすることも重要です。

一文が長いと読み手に冗長な印象を与えるだけでなく、文の構造がつかみにくくなり理解度が下がってしまいます。意識的に文を短く区切るようにしましょう。

(例)×最近、人手が少なく困っているのでアルバイトを募集しているが、なかなか良い人材も集まらないので、結局一人でお店を切り盛りしている。
   ○最近、人手が少なく困っているのでアルバイトを募集している。しかし、なかなか良い人材が集まらないので、結局一人でお店を切り盛りしている。

2.読点を多用しすぎない

読点は文の区切りを明確にすることで、誤読を防ぐだけでなく文そのもののリズムも整えています。

読みやすくしようと意識するあまり、読点を打ちすぎてしまうケースもありますが、読点を多用しすぎると文のリズムが崩れ、つっかえて読みにくくなってしまいます。

(例)×私は、毎朝、出社したら、まずは、コーヒーを入れて、花に、水をやるのが、日課です。
   ○ 私は毎朝出社したら、まずはコーヒーを入れて、花に水をやるのが日課です。

また、文が長くなればなるほど、読点の数も多くなるため、先述のように一つひとつの文を短くすることも効果的です。

3.息継ぎするタイミングで読点を打つ

「どこで読点を入れるべきかわからない」という場合は、文全体を実際に読んでみて、息継ぎをするタイミングで読点を入れてみてください。

読点は文のリズムを整える役割を持っているため、息継ぎをするタイミングで読点を入れることで、読み手にとっても読みやすい流れを作ることができます。

まとめ

今回は句読点の使い方についてご紹介しました。

句読点は文章全体の読みやすさを左右し、読み手の理解度にも大きく影響します。「読者にとって読みやすいかどうか」「誤読がないかどうか」を念頭に、ぜひ今回ご紹介したポイントを意識してみてください。

また、句読点を適切に使うことに加え、漢字とひらがなを上手に使い分けたり、箇条書きや見出しを活用するなど、書き方や見せ方を工夫することによっても、より一層読みやすい文章になります。

以下の記事もあわせて参考にしながら、よりよい文章作成をめざしましょう!

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