2020年12月15日

漢字とひらがなの適切な使い分けとは

どっちがいいの

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漢字とひらがな、どっちが正しい?

文章を書いていて、漢字とひらがなどちらを使っても間違ってはいないけれども、どちらが適切なのだろうかと迷ったことありませんか。

先日、表記のゆれについて解説した記事をお届けしましたが、漢字とひらがなで表記がゆれている文章はよくあるミスの一つです。

同じ単語を漢字とひらがなと無意識に混合していることが原因だと思いますが、一般的に多く使われているものをベースに適切な使い方やルールを徹底すれば表記のゆれをおこさずに済みます。

そこで今回は、一般的な語句について漢字とひらがな(仮名)の適切な使い方を説明していきます。

常用漢字について

わかりやすい文章を書くためには、常用漢字表に掲載されていない漢字を使わない、というルールを設定するのがおすすめです。

常用漢字とは、一般の社会生活において,現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものとして、1981年に内閣告示・訓令された漢字のこと。

その後2010年に改定、告示されました。

余談ですが、子どもの名前に使える漢字もこの常用漢字と戸籍法で定められた人名用漢字のみとなります。

参考:子の名に使える漢字

あくまでも目安としてではありますが、常用漢字は多くの人にとって読みやすい文章を作るための基準になっています。

ちなみに常用漢字は常用漢字表として、文化庁のWebサイトに掲載されています。

参考:常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)

さらに2010年の改定では、別紙「公用文における漢字仕様等について」を制定。別紙では「1.漢字使用について」として、原則として漢字で書く品詞、仮名で書く品詞を定めています。

続いては、漢字で書くべき言葉、ひらがなで書くべき言葉をご紹介します。

漢字で書く語句

原則として漢字で書くものをご紹介します。

漢字で書く語句1.代名詞

漢字ひらがな
おれ
かれ
だれ
なに
ぼく
わたし
我々われわれ

漢字で書く語句2.副詞

漢字ひらがな
余りあまり
至って いたって
大いにおおいに
恐らくおそらく
概してがいして
必ずかならず
必ずしもかならずしも
辛うじてかろうじて
極めてきわめて
殊にことに
更にさらに
実にじつに
少なくともすくなくとも
少しすこし
既にすでに
全てすべて
切にせつに
大してたいして
絶えずたえず
互いにたがいに
直ちにただちに
例えばたとえば
次いでついで
努めてつとめて
常につねに
特にとくに
突然とつぜん
初めてはじめて
果たしてはたして
甚だはなはだ
再びふたたび
全くまったく
無論むろん
最ももっとも
専らもっぱら
僅かわずか
割にわりに

連体詞

漢字ひらがな
明くるあくる
大きなおおきな
来るくる
去るさる
小さなちいさな
我が(国)わが(国)

接頭語

漢字 ひらがな
御案内(御+案内)ごあんない
御挨拶(御+挨拶)ごあいさつ

接続詞

漢字ひらがな
及びおよび
並びにならびに
又はまたは
若しくはもしくは

※その接頭語が付く語を漢字で書く場合は,原則として, 漢字で書く。

ひらがな(仮名)で書く語句

続いては、原則としてひらがな(仮名)で書くものをご紹介します。

副詞

ひらがな漢字
かなり可成り
ふと不図
やはり 矢張り
よほど余程

接頭語

ひらがな漢字
ごもっとも(ご)御尤も(御)

※その接頭語が付く語を仮名で書く場合は,原則として,ひらがなで書く。

接尾語

ひらがな漢字
惜しげもなく(げ)惜し気もなく(気)
私ども(ども)私共(共)
偉ぶる(ぶる)矢張り
弱み(み)弱味
少なめ(め)少な目

接続詞

ひらがな漢字
おって追って
かつ且つ
したがって従って
ただし但し
ついては就いては
ところが所が
ところで所で
また
ゆえに故に

助詞・助動詞

ひらがな漢字
行かない(ない)※動カ行五段活用の動詞詞「行く」の未然形に打ち消しの助動詞「ない」がついた形
そのようだ(ようだ) その様だ(様)
これぐらい(ぐらい) これ位(位)
好きなだけ(だけ) 好きな丈(丈)
10日ほど(ほど)10日程

その他

以下の例文のように用いる場合、()内に示した語句は原則ひらがなを使います。

ひらがな漢字
そこにある(ある)そこに有る
あそこにいる(いる)その様だ(様)
良いことがあった(こと)良い事があった(事)
利用できる(できる)利用出来る(出来る)
以下のとおり(とおり)以下の通り
何か会った時(とき)何かあったとき(時)
お忙しいところ(ところ)お忙しい所(所)
嬉しいとともに寂しくもある(ともに)嬉しいと共に寂しくもある(共)
欠点がない(ない)欠点が無い(ない)
三年生になる(なる)三年生に成る(成る)
そのほか(ほか)その他(他)
正しいもの(もの)正しい物(物)
それゆえに(故)それ故に(故)
待つわけにはいきません(わけ)待つ訳にはいきません(訳)

漢字とひらがなの適切な使い分けとは まとめ

常用漢字はあくまでも目安なので、使用のさじ加減は書き手に委ねられているともいえます。

常用漢字としては、漢字を使うように掲げられている語句であっても、あえてひらがなを使うことがあります。

例えば、「すでに」「さらに」など、副詞の場合はひらがなを使用することが多いです。

また漢字が多い文章は堅苦しい印象を持たれることもあり、読み手のターゲット次第では、あえてひらがなにすることもあります。

このように、漢字をひらがなになおすことを「ひらく」、逆にひらがなを漢字”になおすことを「とじる」といいます。

例えば「あえて」も「敢えて」より「あえて」を使うメディアが多いですが、これは上記のように常用漢字で示されているものでもありません。

ほとんどのメディアでは、このように漢字とひらがな(場合のよってはカタカナや英語も)の使い方に独自のルールを設けています。読みやすさを考えてのことでもありますが、ルールを敷くことによって表記ゆれを防ぐこともできるからです。

文章を書くときは、読み手を意識した上で、漢字とひらがな、どちらが適切なのかを考えてみましょう。