2026年4月10日
取扱説明書の作成に欠かせない6つのポイントとは?
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取扱説明書を読むのは、製品に関する知識がない一般のユーザーがほとんどです。だからこそ、「誰もが迷わず、正しく、安全に使える」ことを最優先に設計しなければなりません。
もし取扱説明書に不備や誤りがあれば、思わぬトラブルや重大な事故につながるおそれがあります。それは製品への信頼低下だけでなく、企業の法的責任にも直結します。
取扱説明書は、ユーザーの安全を守り、製品価値を最大化するためのものであるからこそ、作成には十分な時間をかけ、慎重に内容を検討することが重要です。
本記事では、取扱説明書を作成する際に押さえておきたいポイントを解説します。

取扱説明書作成の6つのポイント
1. イラストや写真を積極的に活用する
「現場で使われるマニュアルの作り方|押さえておきたい5つのポイント」でもご紹介したように、文字だけの説明では、操作のイメージが伝わりにくく、「どの部分を、どう操作すればいいのか」が読み取れないことがあります。
製品のイラストや写真を効果的に活用し、ユーザーが視覚的に理解しやすい構成を心がけましょう。その際のポイントは以下の3点です。
・全体図と部分図を組み合わせる:該当箇所が製品全体のどこに当たるかを示す
・矢印や過去魅惑で該当箇所を強調する:視線を自然に誘導する
・操作前・操作後の状態を並べて示す:変化がひと目でわかる
適切なビジュアルがあるだけで、ユーザーの理解速度と正確さは大きく向上します。
2. 操作の「結果」まで明記する
取扱説明書には、操作手順を書くだけでは不十分です。その操作を行った後、どういう状態になれば正解なのかを必ず記載しましょう。
結果の記載がないと、ユーザーは正しく操作できているのか判断できず、不安を感じたり、誤操作に気づけないまま使い続けるリスクがあります。「正しい状態の基準」を明示することで、ユーザーが自己判断できる取扱説明書になります。
【例】
・ボタンを押す → ボタンを押し、ランプが青色に点灯したことを確認する
・コードを差し込む → カチッという音がするまでコードを差し込む
3. 必要な情報にすぐアクセスできる構成にする
取扱説明書を最初から最後まですべて読み込むユーザーはほとんどいません。多くの場合、操作中に困ったとき、「必要なページだけを素早く探して読む」という使い方をします。
そのため、取扱説明書には、検索性の高い構成が求められます。構成の例としては、以下のような内容が挙げられます。
・目次は階層を整理し、ページ番号を明確に記載する
・ページ内見出しは「ユーザーが検索するキーワード」で設定する
・機能の羅列ではなく、「目的別」「シーン別」で分類する
さらに、「音が出ない」「電源が入らない」など、ユーザーが直面する状況をそのまま見出しにすると、必要な情報へのアクセスが格段にスムーズになります。
4. PL法に基づき、警告・注意事項を正確に明記する
PL法(製造物責任法)は、製品の欠陥によって生命や身体、財産に損害が生じた場合、被害者が製造業者等に対して損害賠償を求めることができる法律です。
ここで言う「欠陥」には、製造・設計上の不備だけでなく、危険性に対する注意喚起や安全に使用するための情報が不足している「指示・警告上の欠陥」も含まれます。つまり、適切な警告を記載していない取扱説明書は、それ自体が法的リスクになり得るのです。
実務上の注意は以下のとおりです。
・警告・注意・お知らせなど、危険度に応じてレベルを分けて表示する
・危険が及ぶ対象(人体・財産など)と具体的な結果を明記する
・法務部と連携して内容を確認・承認するプロセスを設ける
取扱説明書の作成担当者も、必ずPL法の基本を理解したうえで制作に臨みましょう。
▼以下の記事では、「禁止・警告・指示」マークについて詳しく解説しています。
5. トラブルシューティング・FAQを設ける
どれほど丁寧な取扱説明書を作っても、ユーザーが想定外の状況に直面することはあります。万が一のトラブルや不具合が発生した際に備えて、原因の特定と対処法をまとめた「トラブルシューティング」と「FAQ(よくある質問)」の項目を設けましょう。
・「エラーが表示されたとき」「電源が入らないとき」など、よくあるトラブルを想定して網羅する
・原因と対処法をセットで記載する
・対処しても解決しない場合の連絡先・窓口も明示する
FAQを充実させることは、ユーザーの自己解決率を高めるだけでなく、サポート窓口への問い合わせ件数の削減にも直結します。
6. 索引を作成する
目次に加えて、巻末索引を設けることで、ユーザーが思い浮かべたキーワードからダイレクトに必要なページへたどり着けるようになります。
・五十音順・アルファベット順に整理する
・専門用語だけでなく、ユーザーが使いそうな日常表現も入れる
・複数のキーワードから同一情報へ
例えば、「音量」「ボリューム」など、同じ機能を表す複数の表現から同じページに誘導できると、ユーザー体験が大きく向上します。
まとめ
今回は、取扱説明書を作成する際に意識すべき6つのポイントをご紹介しました。
製品の種類や業界によって記載内容は異なりますが、共通して重要なのは「ユーザーの視点に立つこと」です。ユーザーが製品を正しく、安全に使えるかどうかは、取扱説明書の品質に大きく左右されます。内容の誤りや抜け漏れは、思わぬトラブルや事故、そして企業の信頼失墜につながりかねません。
作成後は必ず、実際の製品知識がない第三者にレビューしてもらうことをおすすめします。作成者や開発者には「当たり前」の情報でも、ユーザーには伝わっていないケースが多いからです。取扱説明書を作成する際は、ユーザーが内容を正しく理解できるか、不足や誤りがないかを入念に確認しましょう。





