2016年8月15日
「クール」「暖かみ」をどう表現する?言葉のイメージを色調(トーン)で表現する方法
目次 ▼
- 色の使い方を知ると表現が広がる
- トーンとは
- 色調(トーン)の種類
- 色調(トーン)の分類
- 色調(トーン)の分類1.pale(ペールトーン)
- 色調(トーン)の分類2.light(ライトトーン)
- 色調(トーン)の分類3.bright(ブライトトーン)
- 色調(トーン)の分類4.light grayish(ライトグレイッシュトーン)
- 色調(トーン)の分類5.soft(ソフトトーン)
- 色調(トーン)の分類6.strong(ストロングトーン)
- 色調(トーン)の分類7.vivid(ビビッドトーン)
- 色調(トーン)の分類8.grayish(グレイッシュトーン)
- 色調(トーン)の分類9.dull(ダルトーン)
- 色調(トーン)の分類10.dark grayish(ダークグレイッシュトーン)
- 色調(トーン)の分類11.dark(ダークトーン)
- 色調(トーン)の分類12.deep(ディープトーン)
- 言葉のイメージを色調で表現する方法 まとめ
この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
色の使い方を知ると表現が広がる
「クールなイメージでお願いします」
「ここでは暖かみのある色を置いてください」
「求めているのは子供向けのデザインです」
こんなことを言われたらあなたはどうデザインしますか?
暖かみのある色なら暖色を使おう…子供向けならシンプルな純色を使う方が良いかな…などあれこれ考えると思います。
暖色とは、色の心理的効果により暖かみを感じる色、逆に寒色は寒さを感じる色のことです。
子供向けデザインの傾向としては、まずシンプルであることが挙げられます。一番わかりやすい例は絵本の挿絵です。
言葉のイメージと配色が合致できれば、デザインの幅は広がり、デザインに統一感が出たり、より洗練された印象になります。
そこでぜひ参考にしてもらいたいのが「色調(トーン)」です。
今回は、配色における重要な概念の一つ、色調(トーン)ついてご紹介したいと思います。
トーンとは
色調(トーン)とは、明度と彩度で表す色のバリエーションのことです。
上図は、PCCS色彩体系といって、色調(トーン)の分類を表したものです。色彩検定でも使われています。
PCCSをご覧いただくとわかるように、同じ色でも明るかったり暗かったり、鮮やかだったりくすんでいたりします。
同じ色調(トーン)や近い色域を使用すれば、統一感のある配色が可能になります。
色調(トーン)の種類
PCCS色彩体系の分類説明の前に、まずは色調(トーン)の種類について説明しましょう。
色調(トーン)の種類1.純色
純色(じゅんしょく)とは、各色相の中で最も鮮やかな色のことです。彩度が高く非常に目立ちます。
PCCS色彩体系では、vividがこれに当たります。
色調(トーン)の種類2.明清色
明清色(めいせいしょく)とは、純色に白のみを加えた色のことです。
tint colorともいいます。
PCCS色彩体系では、pale、light、brightがこれに当たります。
色調(トーン)の種類2.中間色
中間色(ちゅうかんしょく)とは、純色に白と黒を混ぜた色のことです。
PCCS色彩体系では、light grayish、soft、strong、grayish、dullがこれに当たります。
色調(トーン)の種類4.暗清色
暗清色(あんせいしょく)とは、純色に黒のみを加えた色のことです。
shade colorともいいます。
PCCS色彩体系では、dark grayish、dark、deepがこれに当たります。
色調(トーン)の分類
PCCS色彩体系に基いた色調(トーン)の分類について説明します。
色調(トーン)の分類1.pale(ペールトーン)
明清色の一つです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
薄い/軽い/あっさりした/弱い/女性らしい/若々しい/優しい/淡い/かわいい
色調(トーン)の分類2.light(ライトトーン)
明清色の一つです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
浅い/澄んだ/子供っぽい/さわやかな/楽しい/上品な
色調(トーン)の分類3.bright(ブライトトーン)
明清色の一つです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
明るい/健康的な/陽気な/華やかな/ナチュラル(自然)な
色調(トーン)の分類4.light grayish(ライトグレイッシュトーン)
中間色の一つです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
明るい灰みの/落ち着いた/渋い/おとなしい
色調(トーン)の分類5.soft(ソフトトーン)
中間色の一つです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
柔らかな/穏やかな/ぼんやりした
色調(トーン)の分類6.strong(ストロングトーン)
中間色の一つです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
強い/くどい/動的な/情熱的な/ゴージャスな
色調(トーン)の分類7.vivid(ビビッドトーン)
純色です。PCCS色彩体系では一番彩度が高いです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
冴えた/鮮やかな/派手な/目立つ/活き活きした/カジュアルな
色調(トーン)の分類8.grayish(グレイッシュトーン)
中間色の一つです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
灰みの/濁った/地味な/落ち着いた/本格的な
色調(トーン)の分類9.dull(ダルトーン)
中間色の一つです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
鈍い/くすんだ/シックな/クラシックな
色調(トーン)の分類10.dark grayish(ダークグレイッシュトーン)
暗清色の一つです。PCCS色彩体系では彩度と明度が一番低いです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
暗い灰みの/陰気な重い/固い/男性的/重厚な/本格的な
色調(トーン)の分類11.dark(ダークトーン)
暗清色の一つです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
暗い/大人っぽい/丈夫な/円熟した/伝統的な
色調(トーン)の分類12.deep(ディープトーン)
暗清色の一つです。
以下のようなイメージに使うと良いでしょう。
深い/濃い/充実した/伝統的な/和風の/渋い
言葉のイメージを色調で表現する方法 まとめ
色調(トーン)の分類を見ると、色のチョイスや配色次第でデザインの印象が変わることがわかります。
イメージやデザインについて曖昧な指示があったとしても、色調(トーン)を理解していれば、表現しやすくなります。
また別の視点ではありますが、色には心理的な影響もあります。
例えば、青は食品には使用されません。なぜなら青は、食欲を減退させる色と言われているからです。
食欲を抑えるためにあえて青い器を使用するなんていうダイエット法があるくらいです。
業界ごとにもイメージカラーのようなものがあります。
会社案内やパンフレット、ロゴには業界や業種ごとに適したイメージカラーやデザインの傾向があります。
このように、色が与えるイメージと言葉のイメージを合致できれば、より伝わるデザインができるはずです。
ぜひ参考にしてみてください。