2023年5月22日

実は世界共通!マニュアルや取説で使われる「禁止・警告・指示」マークの意味

警告

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「禁止」「警告」「指示」マークは世界共通

製品マニュアルや取扱説明書などでよく見かけるこれらのマーク。実はこれらはすべてISOという国際規格で制定された世界共通のマークです。

ISOとは、スイスのジュネーブに本部のある、非政府組織「International Organization for Standardization」の略称です。日本語に訳すと「国際標準化機構」であり、国際的な基準となる規格を制定することを役割としています。例えば、一つの製品に対する安全基準が国によって異なっていると、輸入や輸出などの取引の際に影響が出たり、ユーザーの安全性を脅かす可能性が出てしまいます。

そこで、世界共通で統一された基準を定めるために「ISO規格」という国際的な規格が制定されているのです。このISO規格は種類ごとに番号が振られており、今回ご紹介する禁止・警告・指示などのマークはISO7001やISO7010といった規格で定められています。

ISO規格では、「できるだけ単語に依存せずに理解できる安全情報を伝える」という意図のもと、マークの種類と意味と区別するために5つの形と色の組み合わせを規定しています。

禁止・警告・指示標識の種類と色

上記の形と色の組み合わせを使用すれば標識の中に記載する記号やピクトグラムはオリジナルで作成することが認められていますが、ISO規格に登録するためにはデザインや形状に細かい規定があります。

また、マークによっては人によって読み違えてしまう可能性があったり意味が伝わらなかったりする可能性もあります。このような誤認識による事故を防ぐためにISOでは、理解度テストを行った結果が「正解が85%以上、かつ重大な読み間違いが5%以下」の標識のみをISO規格として認めるという規定を設けています。

オリジナルで作成せず、すでにISO規格で定められている記号やピクトグラムから該当する意味のものを探して使用することもできます。

また、ISO規格とあわせて「JIS」という規格もありますが、JISは「Japanese Industrial Standards(日本産業規格) 」の略称で、日本の国家規格です。国際規格であるISO規格を日本語に訳して作られています。

今回は、製品マニュアルや取扱説明書でよく使われている「禁止標識」「警告標識」「指示標識」についてご紹介していきます。

禁止標識(禁止マーク)

赤い円に斜線の入った禁止標識は、その名のとおり特定の行動や行為を禁止することを表します。赤は目に入りやすく、注意を引き付けやすい色といえます。

マニュアルや取扱説明書では「火気厳禁」「立入禁止」「接触禁止」といった禁止標識が多く使われています。

以下、よく使われる禁止標識の例をご紹介します。

警告標識(警告マーク)

黄色の正三角形で表示される警告標識は、危険の警告や注意喚起を表しています。黄色と黒の組み合わせは視認性が高く、注意を促すには適したデザインといえます。

マニュアルや取扱説明書では、高温や発火、感電などの注意喚起として使われることが多いです。

「!」(エクスクラメーションマーク)とあわせて表示される「危険」「警告」「注意」はそれぞれ危険度が異なり、以下のように区別されています。

以下、よく使われる警告標識の例をご紹介します。

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指示標識(指示マーク)

青い円で表示される指示標識は、「しなければならない」行動を表しています。ここで気を付けたいのが「してください」ではなく「必ずしなければならない」という強制の指示であるという点です。

マニュアルや取扱説明書では「電源プラグを抜く」「換気をする」などの指示で使われることが多いです。

以下、よく使われる指示標識の例をご紹介します。

まとめ

今回は「危険標識」「警告標識」「指示標識」の意味と、マニュアルや取扱説明書でよく使われる標識をご紹介しました。

これらのマークは世界共通の規格として定められており、ユーザーの安全を守るために欠かせないものです。製品マニュアルや取扱説明書などでは、事故を防ぐためにもあらゆるケースを想定した警告と注意喚起が必要とされています。

また、ISO規格としては「危険標識」「警告標識」「指示標識」のほかにも「安全標識」や「火気安全標識」といった標識もあり、これらは災害や火災など有事の際に身を守るための標識で、ピクトグラムとあわせて使われることも多くあります。

ピクトグラムについては以下の記事で詳しくご説明していますので、ぜひあわせてご覧ください。

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