2023年6月30日
Excelを使ったアンケートの集計方法とは?【単一回答・複数回答編】

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マーケティングや顧客満足度調査、読者アンケートや社内の意見収集など、ビジネスにおいてさまざまな場面で使われているアンケート。アンケートをとることによって、ニーズや改善点の把握、統計的なデータの収集などが期待できます。
アンケートをより効果的に活用するためにはアンケートを回収した後の集計・分析が非常に重要ですが、データの量が多くなればなるほど集計するデータも膨大になりかなりの時間がかかってしまいます。
そこで今回は、Excelの関数を使って簡単にアンケート回答を集計する方法をご紹介します。
単一回答の集計
アンケートの選択式の回答形式には大きく分けて、単一回答と複数回答の2種類がありますが、まずは単一回答の集計方法からご紹介していきます。
単一回答とは、選択肢の中から一つの回答を選ぶ形式のことで、 Single Answerを略して「SA」とも呼ばれています。 回答者側も選択肢から選べばよいので回答しやすく、集計する側も集計しやすい形式と言えます。
今回は以下のアンケートをサンプルに解説していきます。サンプルの回答数は300とします。
単一回答を修正する際のポイントは、以下のように選択肢に1から順番に番号を振っておくことです。
Q1.商品を知ったキッカケは何ですか?
1.テレビ 2.雑誌 3.新聞 4.ラジオ 5.インターネット(ホームページやSNS)
6.口コミ 7.店頭 8.その他
1.データを用意する
まずは、回答結果の集計データを用意します。上記で説明したとおり、選んだ選択肢は数字で入力されています。下の表では「B12」からが回答です。
ここでは仮に、シート名は「Data」としておきましょう。

2.集計表の枠を作成する
先ほどの「Data」のシートとは別に、集計結果をまとめる表を作成します。
ここでは集計結果をまとめるシートを「Aggregate」とします。
「C1」のCountは選択した人数を、「D1」のRateは割合(%)を表します。

3.集計用の関数を入力する
回答と集計用の表が整ったら、ここからは回答を集計していきます。
集計には「COUNTIF」という関数を使います。COUNTIFは指定した範囲内で、検索条件を満たす数値の個数を求める関数です。
COUNTIF(範囲, 検索条件)となりますので、ここでは「Data」というシート内の「B12:B311」というセルが検索範囲で、「Aggregate」というシート内のA2が検索条件となります。

この後セルをコピーして選択肢ごとの回答数を集計しますが、検索範囲がズレないよう「B12:B311」には「$」をつけて「$B$12:$B$311」としておきましょう。
4.セルをコピーする
C2の列をC9までコピーして他の選択肢の回答数も集計します。

この後回答の割合を集計したいため、C10のセルに回答の合計数も入力しておきましょう。SUM関数【SUM(C2:C9)】を使って回答の合計数を求めることができます。ここではサンプル数が300のため、合計が300となっていれば正しく集計できています。
5.Rate(割合)を算出する
続いてD列に回答した割合を集計していきましょう。
全体の中から「テレビ」と回答した人の割合を算出したいので「C2/$C$10*100」と入力します。ここでも、この後セルをコピーして選択肢ごとの割合を算出するため分母(合計回答数)がズレないよう「$」をつけて「$C$10」としておきましょう。

6.セルをコピーする
D2の列をD9までコピーして他の選択肢の割合も集計します。

ここでも最後にSUM関数を使ってD10のセルに合計数を入力します。D列は割合を表しているため、「100」となればOKです。


複数回答の集計
続いては、複数回答の集計方法についてご紹介します。
複数回答は、一つの質問に対して選択肢を複数選ぶことができる形式で、Multiplee Answerを略して「MA」とも呼ばれています。
複数回答を集計する際のポイントは、選択肢ごとに列を用意し、回答者がその選択肢を選ばなかった場合は0、選んだ場合は1、とすることです。各列の合計を求めることによって、それぞれの選択肢を何人が選んでいるのか集計することができます。
今回は以下のアンケートをサンプルに解説していきます。サンプルの回答数は300とします。
Q1. 商品を購入した理由を教えてください。(3つまで回答OK)
1.機能 2.価格 3.デザイン 4.大きさ 5.広告 6.その他
1.データを用意する
まずは、単一回答を修正するときと同様に、回答結果のデータを用意します。先述のように、選択肢ごとに用意し、0か1かを入力します。下の表の場合、「Q1-1」は「1.機能」、「Q1-2」は「2.価格」という選択肢が表示されています。
ここでは仮に、シート名は「Data2」としておきましょう。

2.集計表の枠を作成する
先ほどの「Data2」のシートとは別に、集計結果をまとめる表を作成します。
ここでは集計結果をまとめるシートを「Aggregate2」とします。

3.集計用の関数を入力する
複数回答では、「INDEX」という関数を使って選択肢ごとの回答数を求めていきます。INDEX関数は、参照範囲の行と列の交差するセル範囲を指定する関数です。
SUM(INDEX(参照, 行番号, 列番号))と入力しますが、行番号を0にすると、指定した列全体のセルを範囲として設定できます。

今回も、コピーしても範囲がズレないように「$」をつけておきましょう。
4.セルをコピーする
他の選択肢の回答数も集計するため、C2をC7までコピーします。

5.Rate(割合)を算出する
回答数が300のため、母数を300とし、単一回答のときと同様に割合を算出します。

6.セルをコピーする
他の選択肢のRate(割合)も算出できるよう、セルを下までコピーして完了です。

まとめ
今回は、Excelを使ったアンケートの集計方法を、単一回答と複数回答に分けてご紹介しました。
アンケートはただデータを集めただけでは効果を発揮しません。データを正しく集計し、見やすいデータに加工することが非常に大切になってきます。
Excelを使えば簡単に集計できるので是非試してみてください。
