2023年8月7日

記念誌の基本構成とは?おすすめの企画例と装丁をご紹介

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

記念日やイベント時など、大きな節目となるタイミングで制作される記念誌。

節目を祝う特別なものだからこそ、「どうやって作ればよいのか」「どのような内容を載せるべきか」といった構成や企画に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、記念誌の基本構成と企画例、おすすめの装丁などをご紹介いたします。

記念誌とは?社史・周年誌との違い

記念誌とは、何かの節目やイベントを記念して作成される冊子のことです。企業だけでなく団体・協会・学校・個人などが発行し、 ○周年という区切りで制作されるケースも多くあります。

よく似たものに「社史」と「周年誌」がありますが、「社史」は主に企業が自社の歴史をまとめたものを指しており、○周年をいう年の区切りにかかわらず株式上場やトップの交代など大きな転換を迎えた際に制作されます。

また、「周年誌」は設立○周年、創業○周年など区切りの年に制作されるものを指し、企業だけでなく団体や協会などが作成するものも含まれます。

社史も周年誌も記念誌の種類の一つではありますが、記念誌の場合は「記念する」「祝う」ことが目的のため、必ずしも歴史的な内容を記述する必要はなく、○周年という発行タイミングも決まっていないため、社史や周年誌に比べて自由度が高いのが特徴です。

記念誌制作の目的・メリット

今後の経営や指針づくりに役立つ

これまでの歩みや歴史、業績の変化や動向などを一冊にまとめることによって、過去を知ることができ、そこから教訓や学びを得ることができます。

「この危機をどう乗り越えたか」「時代に合わせてどのように変化したか」などを後世に伝えていくことで、今後の経営や運営にも役立てることができるでしょう。

自社に対する理解が深まる

自社の歴史や業績の変化、成長などを知る機会はあまり多くないかと思いますが、記念誌は社員にとって自社の歴史や成長などを知る良い機会になります。

記念誌を読み自社の理念やビジョンを共有することで、社内の一体感を深めることができ、社内のコミュニケーションや社員教育にもつながります。

関係者への感謝を伝える場になる

記念誌は、社員や取引先、顧客などさまざまな人に対して感謝を伝えるという役割も持っています。

完成した記念誌を関係者へ配布し、自社の取り組みや理念を知ってもらうことで、関係の強化や信頼の向上にもつながります。

イメージアップにつながる

記念誌は外部の人に対してのイメージアップや宣伝にもつながります。

「今までどのようなことを行ってきたか」「どのような結果を残してきたか」といった取り組みを社外の人にも広く知ってもらう機会になるため、ブランディングとしても効果的でしょう。

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記念誌の基本構成・企画例

記念誌は基本的に「前付け」「本文」「資料編」「後付け」という4つの項目で構成されています。

前付け

前付けとは本文より前にあるページのことです。前付けには主に挨拶や目次、祝辞などを記載します。

【企画例】
・代表挨拶
社長や会長など組織のトップの挨拶文を掲載します。発行目的や今後の抱負、感謝などを述べるケースが多いです。

・祝辞
関連企業や関係団体からお祝いのコメントをいただき掲載します。

・目次
記念誌の内容を目次にまとめ、タイトルとページ番号を記載します。

・口絵
写真などで構成されたページのことです。これまでの活動風景やイベントの写真、製品やサービスの写真など、歴史がわかる写真を掲載します。

本文

挨拶や目次のあとは記念誌のメインとなるコンテンツを掲載していきます。記念誌の発行目的に合わせて、インタビュー記事や寄稿文、座談会、歩みなどを記載します。

【企画例】
・インタビュー
代表や創業メンバー、大きなプロジェクトの関係者など、功績を残した社員や関係者にインタビューを行い、当時のエピソードや今後のビジョンなどを記事にします。顧客や取引先へインタビューするという方法もあります。

・寄稿文
外部の関係者やOBに執筆を依頼するケースが多いです。

・座談会
テーマを決め、それに合ったメンバーを集めて座談会を行います。過去の思い出や今後の目標、会社に対する率直な意見などを聞くことができ、読み手にとっても親しみやすい企画になります。

・歩み
これまでの歩みや歴史、功績などを掲載します。創業者など特定の人物にフォーカスして人物史としてまとめるケースもあります。

資料編

本文とは別で、残しておきたい資料などを載せていきます。年表を載せることが多いですが、組織図や事業一覧、売上推移などの社内資料を掲載するケースもあります。

【企画例】
・年表
創業から現在に至るまでにあった大きな出来事やイベントなどを時系列順にまとめます。国の動きやその年の出来事などの時代背景も掲載することで、当時の様子がよりイメージしやすくなるのでおすすめです。

・事業一覧
現在どのような事業を行っているか、ということも重要な歴史の一つです。過去に行っていた事業やその変化と合わせて記載します。

・組織図
現在の組織図だけでなく、創業当時の組織編制やその後の変遷なども記載するとよいでしょう。

・役員一覧
現在に至るまでの歴代の役員を一覧で掲載します。

・売上推移
売上高や利益、業界シェアなどの推移をまとめます。グラフを使えば自社の成長を可視化することができます。

後付け

後付けは本文の後ろにあるページのことです。あとがきや編集後記、索引などが後付けに該当します。

【企画例】
・あとがき(編集後記)
制作チームのメンバーや編集に携わった関係者などが書くことが多いです。終わりの挨拶や制作に関わった人への感謝などを述べます。

・索引
記念誌の中に記載されている用語がすぐに見つけられるよう、どの用語が何ページに掲載されているのか索引にまとめます。

・奥付
発行日や発行元、制作担当者などを記載します。奥付を残しておくことで、次回記念誌を作る際の記録にもなるでしょう。

記念誌の装丁・形

ここからは、記念誌を作る際のおすすめの装丁をご紹介していきます。

上製本

上製本は、丈夫で固い表紙で本文をくるんで作成する製本方法です。表紙は厚手のボール紙に布や紙などのクロスを貼り合わせて作るため、耐久性に優れ、長期保存に適しています。

永きにわたって読み継がれる記念誌においてよく選ばれる製本方法です。

また、箔押し、函、カバーなどと組み合わせることで、より豪華な記念誌になります。

・箔押し
文字や絵柄の金型を作り、金や銀などの箔を転写させる加工です。

・函
函を付けることで記念誌本体を保護することができます。長期保存がしやすいことに加え、社外の人への配布にもおすすめです。

・カバー
表紙や裏表紙の汚れを防ぎます。紙のカバーのほかにビニールカバーもあります。

並製本

並製本とは、糊を使って表紙と中面をくるんで製本する方法です。一般的な文庫本や教科書、漫画なども並製本で作られています。

並製本は上製本に比べると低コストで作ることができますが、その分表紙の耐久性は劣ります。保護するために表紙にカバーをつけるケースも多いです。

まとめ

今回は記念誌の基本構成と企画例、装丁についてご紹介しました。

記念誌はただ単に過去の活動をまとめた冊子ではなく、今後の発展につながる重要なツールです。特別なタイミングで発行する記念誌だからこそ、妥協せずに時間をかけて制作しましょう。

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