2023年11月6日
文章の読みやすさを決める3つの要素、可読性・視認性・判読性とは?
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私たちは普段からスマホ、新聞、雑誌、看板、商品のパッケージなど、さまざまな文字を目にし、そして文字を読むことで情報を取得しています。
しかし、文字を目にしたときに「なんだか読みにくい」「何と書いてあるのか判断できない」「頭に入ってこない」といった経験はありませんか?
文字の読みやすさは、「可読性」「視認性」「判読性」という3つの要素から成り立っており、これらの要素が読み手の理解度にも大きく影響しています。
これら3つの要素はよく似た言葉ですが、具体的にはどのような違いがあり、文章を書く際にはどのような点に注意すればよいのでしょうか。
今回は、文字の読みやすさを表す「可読性」「視認性」「判読性」についてご紹介いたします。
可読性とは
可読性とは、文字や文章の読みやすさのことです。
長文を読んでも疲れにくいかどうか、早く正確に読めるかどうかが重要になります。
可読性を上げるポイント①漢字とひらがなの使い分け
一般的には線が多かったり複雑な漢字を使うよりも、ひらがなを使った方が読みやすいとされています。漢字が多用されていると圧迫感を感じやすく、長く読んでいると疲れやすいためです。
(例)繋がり
つながり
しかし、ひらがなだけで書かれていると単語の切れ目がわかりにくく、かえって読みづらくなってしまうこともあります。難しい漢字はひらがなにしたり、漢字が連続する箇所はひらがなにするなどの使い分けが必要です。
(例)ぜんたいのつながりがひじょうにたいせつだということにきづきます。
全体のつながりが非常に大切だということに気付きます
▼漢字とひらがなの使い分けについては以下の記事で詳しくご紹介しています。
可読性を上げるポイント②行間・余白
1行あたりの文字数が多い、行間が狭い、余白が少ないといった文章は、いくら読みやすいフォントと整えられた文章であっても可読性が下がってしまいます。
文字や文章の内容だけでなく、行間や余白など全体を俯瞰で見たときの可読性も意識するようにしましょう。
視認性とは
視認性とは、文字の認識のしやすさのことです。
ぱっと見たときに文字が見やすいかどうか、文字と認識できるかどうかが重要になります。
視認性を上げるポイント①文字の色
例えば、緑の背景に青い文字、白い背景に黄色の文字を書いても、なんて書いてあるのか文字として認識が難しくなりますよね。この場合、視認性が低いということになります。
背景が暗い場合には文字を明るい色にするなど、背景色と文字色のコントラストを保つことで視認性が向上します。
視認性を上げるポイント②文字のサイズ・太さ
文字のサイズや太さなども視認性を上げるための重要なポイントです。
文字が小さすぎたり細すぎたりすると何と書いてあるのか認識しにくく、印刷した際にかすれてしまう原因にもなりますし、反対に文字が太すぎると、つぶれて読めなくなってしまうこともあります。
一般的に、Webサイトの場合は16px程度、A4チラシ本文の場合は10~18ptが最適とされていますが、読み手によっても最適な文字サイズが異なるため、目的や用途にあわせて文字サイズや太さを調整するようにしましょう。
視認性を上げるポイント③フォント
フォントにはゴシック体と明朝体がありますが、ゴシック体は線の太さが均一なため、明朝体に比べるとインパクトがあり視認性が高いという特徴があります。そのためタイトルやキャッチコピーなど、大きく目立たせたい部分には視認性の高いゴシック体が使われることが多いです。
一方、明朝体は縦と横で線の太さが異なり、文字の形に強弱があるという特徴があります。長い文章でも疲れを感じにくく、正確に読めるため、可読性の高いフォントと言えるでしょう。
判読性とは
判読性とは、文字や文章のわかりやすさのことです。
他の文字と判別しやすいかどうか、誤読が少ないかどうかが重要になります。
判読性を上げるポイント①アルファベットや数字
判読性において気を付けたいのが、「O(英語のオー)」と「0(数字のゼロ)」や、「I(大文字のアイ)」と「l(小文字のエル)」などの混同しやすい文字です。
このような区別のつきにくい文字には、読み仮名をふったり、UD(ユニバーサルデザイン)フォントを使用することで判読性が上がります。
また、文字のサイズが小さいと、「3」と「8」、「O」と「C」、濁点と半濁点なども読み間違えが発生しやすくなるので注意が必要です。
▼UDフォントについては以下の記事で詳しくご紹介しています。
判読性を上げるポイント②文章の内容
判読性を高めるためには文字そのものだけでなく、文章の内容も重要です。例えば、専門用語ばかりの文章や、横文字が多い文章は初めて読む人にとっては意味が伝わりにくく、判読性が下がってしまいます。
わかりやすい言葉に言い換えたり、解説や注釈をつけるなどして、読み手の視点で文章を書くようにしましょう。複数の意味にとらえられる表現や、誤解を招くような書き方も避けることも判読性の向上につながります。
まとめ
今回は可読性、視認性、判読性についてご紹介しました。
せっかく良い文章や素敵なチラシを作成しても読まれないのはもったいないですよね。少し工夫をするだけでも、可読性・視認性・判読性がぐっと上がりますのでぜひ意識してみてください。
また、報告書や読み物などの場合には可読性(読みやすさ)、チラシやポスターの場合には視認性(ぱっと見たときの認識のしやすさ)、マニュアルや取扱説明書などでは判読性(誤読の少なさ)というように、用途やターゲットによっても求められる要素が異なります。
誰が読むのか、何のために発信するのか、を念頭に置いて、可読性・視認性・判読性を意識した文章を書くようにしましょう。