2023年2月28日

【初心者向け】上手に物撮りするコツとまず用意したい3つのアイテム

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物撮りとは?

物撮り(ぶつどり)とは、商品をはじめ、小物や食品などを撮影することです。

ECサイトやフリマアプリなどで売りたい商品や紹介したい商品を撮影したり、マニュアルや取扱説明書などで説明用として商品を撮影するケースなど、用途はさまざまです。

プロのカメラマンに委託する場合もありますが、枚数が少ない場合や予算の関係など、自分で撮影しなければならない…というケースも多いのではないでしょうか?

物撮りの場合は人物撮影や風景撮影とは異なり、写真のクオリティが売上やUIに直結するといっても過言ではありません。

そこで今回は、物撮り初心者に向けて、まず初めに用意したいアイテムと物撮りで気を付けたいポイントをご紹介いたします。

物撮りでまず用意しておきたいアイテム

カメラ

スマートフォン、コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)、一眼レフカメラなど、撮影したい商品の特徴や目的に合わせてカメラを選びましょう。

商品によってはスマートフォンで十分なケースもありますが、小さい商品など、ズームや近距離での撮影が必要な場合、スマートフォンのカメラだとどうしても画質が粗くなってしまいます。

商品のサイズが小さい場合やディテールや色を正確に再現したい場合、撮影する商品の種類が多い場合には、やはり一眼レフカメラがおすすめです。

最近では初心者向けのセットも販売されており、価格も5万円程度から購入できます。物撮りではピントをしっかりと合わせることが重要なため、「シャッタースピード」や「F値(絞り)」が設定しやすいものを選ぶといいでしょう。(シャッタースピードやF値についてはこの後詳しくご説明します)

「カメラの使用頻度が多くない」「まずは一眼レフカメラを試してみたい」という場合はレンタルを視野に入れるものいいかもしれません。

ストロボ(フラッシュ)

自然光だけで撮影することもできますが、自然光は時間や天候に大きく左右され、撮影時間も制限されてしまいます。

そこで用意しておきたいのがストロボです。

カメラに内蔵されているフラッシュじゃダメなの?と思う方もいるかもしれませんが、内蔵フラッシュは真正面から強い光を当てることになるため、商品が真っ白になってしまったり、影が不自然に映ってしまうケースがあります。                                                                                     

そのため、外付けのストロボを用意するのがおすすめです。その際、ストロボの首が振れて角度が変えられるものを選ぶと、光の当たり方が調整できて便利です。

背景紙

後ろに余計なものが写り込んでしまうと、商品の特徴が伝わりにくくなってしまうため、商品の色やイメージに合わせた背景を用意しましょう。 特にこだわりがなく、商品が白色でなければ、白の背景を選択すると間違いありません。

背景紙として画用紙や模造紙、シーツやボードなどが使われることが多いですが、このときに気を付けたいのが背景紙のサイズです。

サイズが小さすぎると背景のスペースが足りず、商品を大きく映さなければならなかったりトリミングする必要が生じたりと撮影しづらくなってしまいます。背景紙は少し大きめのものを用意しておくとよいでしょう。

また、白以外にも、商品の色や与えたい印象などに合わせてさまざまな色の背景紙を使ったり、商品の使用シーンをイメージしやすい背景を用意するのもいいかもしれません。

あると便利なアイテム

三脚

カメラを手に持って撮影すると、どうしても手ブレの原因になります。構図やライティングを変えるたびにカメラの位置がずれてしまうことを防ぐためにも、カメラをしっかりと支えられる三脚があると便利です。

カットごとに商品との距離やカメラの位置を修正する手間が省けて効率的に撮影できます。

ディフューザー

ディフューザーとは、光の強さを調整するアイテムです。ストロボを覆うようにして使用するタイプが多く、強すぎる光を弱め、柔らかい光にしてくれます。

ボックス型やバウンス型、カップ型などさまざまな種類がありますが、トレーシングペーパーや透ける素材のカーテンなどでも代用することができます。

初めてで色々な機材をそろえるのはハードルが高い…という方は身近にあるもので代用してみるのもいいかもしれません。

レフ板

レフ板とは、光を反射する板のことです。光の向きや明るさを調整して商品全体を明るく映すことができ、影の濃さなどの調整が可能です。

こちらも、白い紙やノートなどで代用したり、段ボールに紙やアルミホイルを貼って自作することもできます。

撮影ボックス

撮影ボックスは、上部にLEDライトがついた簡易的なスタジオのような箱です。撮影ボックスの中に商品を置いて撮影するだけで、本格的な物撮りが可能です。

1辺あたり40cm程度のものから、100cm近くのものまでさまざまなサイズがありますが、迷ったときは少し余裕のあるサイズの撮影ボックスを選ぶと、撮影するときに角度を変えたり別の商品を撮影する際などにも使用しやすいです。

また、こちらも百円ショップなどで売っているラックやボードを使って自作することもできます。予算や用途を考慮して、自分にあったものを選んでみてください。

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物撮りで気を付けたいポイント

商品がきれいに見えるライティングを見つける

物撮りに限らず写真撮影において最も重要なのがライティングです。光の種類、強さ、角度、距離など、一つとっても写真の印象が大きく変わります。写りが暗かったり不自然だと商品の特徴が伝わりません。商品の見せ方やイメージに合わせて商品がきれいに見えるライティングを探していきましょう。

ここでは、光の種類と角度について簡単にご説明していきます。

自然光

自然光は、柔らかく優しい印象の写真が撮れることが特徴です。

特別な機材や設定が必要ないため初心者でも取り組みやすいですが、時間帯や天候、場所など周りの条件に左右されやすく、撮影する時間が限られてしまうので注意が必要です。

自然光を使って室内で物撮りする場合は部屋の照明は消し、窓際で撮影しましょう。窓の向きにもよりますが、晴れた日の午前中がおすすめです。

人工光

室内の照明やストロボなどの人工光を使用して撮影した場合、商品全体に光が行き渡りやすく、自然光に比べて細部まではっきりと表現されます。

ただ、室内の照明の色によっては実際の商品と写真で見えている色にズレが生じてしまったり、光が強すぎると白くなったり影が濃くなって不自然になってしまうケースもあります。

失敗を防ぐためには、商品の大きさによって、照明までの距離や明るさ、照明の範囲を把握しておくことが大切です。まずは色々な位置や角度、明るさで試し、最適なポイントを見つけていきましょう。先ほどご紹介したディフューザーやレフ板などを活用すると簡単にクオリティの高い物撮りができます。

また、光には大きく分けて3種類の向きがあり、それぞれで見え方が異なります。

順光

光の向き_順光

順光は、商品の正面から光が当たっている状態です。
商品全体に光が当たり、写りが明るくなるため、人物撮影や風景撮影などにはよく使われます。

しかし、平面的な写真になりやすく立体感が出ないため、物撮りにおいてはあまり適していません。

斜光

光の向き_斜光

斜光はサイド光とも呼ばれ、商品の斜めから光が当たっている状態です。

光が当たっている部分と当たっていない部分の陰影がはっきりするため、商品の質感や立体感を表現することができ、細部まで詳しく見せたいときにも適しています。

逆光

光の向き_逆光

逆光は、商品の後ろから光が当たっている状態です。

手前側に影ができるため、商品が暗くなってしまうこともありますが、輪郭が際立ち、柔らかく幻想的な雰囲気の写真になります。

撮影する商品のイメージや見せ方に合わせて活用しましょう。

ピントを合わせる

物撮りは商品の詳細を伝える必要があるため、しっかりとピントを合わせることが不可欠です。

商品がぼやけていると、正確な情報が相手に伝わらないだけではなく、商品の魅力も半減してしまいます。

カメラの撮影モードをマニュアルに切り替えて、F値(絞り)、シャッタースピード、ISO感度を調整することで、商品に合わせた正確なピントを設定することができます。

F値(絞り)

F値とは、カメラに取り込む光の量のことです。

F値が低いと明るくてボケやすく、F値が高いと暗くてボケにくい写真となります。ピントが合いやすいからといってF値を上げすぎてしまうと暗くなってしまうため、 商品や光の当たり方などに合わせて8~11程度に設定しておきましょう。

シャッタースピード

F値が光の量を調整するのに対して、シャッタースピードはその名の通り、シャッターを切る速度を表しています。

シャッターを切っている間はカメラに光が取り込まれ続けれるため、シャッタースピードが短いとそれだけ光を取り込む時間が短く、暗い写真になり、シャッタースピードが遅いと光を取り込める時間が長くなるため、明るい写真になります。

三脚を使って撮影する際には、シャッタースピードは1秒前後のスローシャッターにしておくとよいでしょう。

シャッタースピードを遅くするとその分ブレの原因になるので、カメラを手に持って撮影する際には注意が必要です。

ISO感度

ISO感度とは、取り込んだ光をカメラ内でどれだけキャッチするかを表した値です。

ISO感度が大きいほど、少ない光でも明るく写すことができますが、上げすぎるとざらつき(ノイズ)が発生するので注意が必要です。

三脚を使っている場合は、ISO100前後からスタートして明るさを見ながら適宜調整し、800~1,000くらいまでを上限の目安にしてみてください。

まとめ

今回は、初心者向けの物撮りに必要なアイテムと物撮りで気を付けたいポイントをご紹介しました。

物撮りに必要なアイテムや機材はさまざまな種類がありますが、今回ご紹介した「カメラ」「ストロボ」「背景紙」を用意するだけでも、簡単に物撮りを始めることができます。

専門的な知識やスキルがないと撮影が難しく感じてしまうかもしれませんが、まずは角度や距離を変えてたくさん写真を撮ってみることが大切です。

商品にグッと近づいてみたり、思いっきりローアングルで撮ってみたり、ときには外に出て撮影してみたり、ぜひ試行錯誤しながらぴったりな写真を探してみてください。

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