2015年10月2日

機械の仕組みや目的による10の印刷方式分類

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印刷は機械の仕組みや目的によって分類される

印刷には、印刷の目的や分量、機械の仕組みによって、印刷の方式が分かれています。

たとえば、一般的に馴染みがあるものはチラシやパンフレット印刷ですが、小ロットと大ロットでは印刷方式が分かれる場合があります。

また、昔ながらの印刷方式や新しい印刷方式、偽造しにくい印刷方式やシールなどの特徴的な印刷物などの違いでも印刷方式が分かれています。

今回は印刷を深く知るために、機械の仕組みや目的による10の印刷方式分類についてお話ししたいと思います。

印刷方式の分類1.オフセット印刷(平版印刷)

オフセット印刷は、あなたもよく知る代表的な印刷方式です。版に凹凸はなく、版材は薄いアルミ板、樹脂板などを使います。

版のイメージを直に紙に転写するのではなく、版に付けたインクを一度ブランケットに転写してから紙に転写する間接的な印刷を行います。

版が直接紙に触れないことから胴の摩擦が少ないため、とてもきれいな印刷ができます。さらに一度に大量の印刷も短時間で行えます。

オフセット枚葉印刷

枚葉印刷は1枚ずつ紙に印刷するため、小さい紙の印刷、また、少ない枚数からの印刷にも対応しています。

また、最近では両面を同時に刷れるものをはじめ、色数、用紙サイズ、インクの種類によってさまざまな機種があります。

オフセット輪転印刷

輪転印刷は松葉印刷とは違い、ロール状の巻き取り紙を使い印刷する手法です。輪転印刷は機械自体が大きく、紙の供給も機械で行います。

また、輪転印刷には折りや断裁を行う仕組みもあり、印刷したものをそのまま断裁してチラシなどの印刷物にしたり、数ページの折本として仕上げることができます。

印刷方式の分類2.凸版印刷

凸版印刷は、版の出っ張っりにインクをつけて、紙に押し付けて印刷する手法の総称です。たとえば、印鑑も凸版印刷の1種です。

一般的な商業印刷としては、凸版印刷からオフセット印刷に変わってしまいましたが、専門的な印刷に細分化されて、現在も多く使われています。

以前ご紹介した活版印刷も凸版印刷の1種です。

参考:世界に1つの味わい!活版印刷を体験できる印刷会社8選

印刷方式の分類3.凹版印刷(グラビア印刷)

凸版印刷とは逆で、版に凹みを作ってインクを流し込み、紙を押し当てて印刷をするのが、凹版印刷(グラビア印刷)と呼ばれる印刷方式です。

凹版印刷はインクに厚みがあり、線の詳細まできれいに印刷できるため、紙幣やパスポートなど、偽造防止のために使われています。

以前は、仕上がりきれいなため雑誌の写真印刷に使われていて、この凹版印刷(グラビア印刷)を使っていたことから、女性の水着写真などをグラビアと呼ぶようになりました。

また、凹版印刷は版の耐久性が高く、インクの速乾性が優れているという特徴があります。

そのため、プラスチックフィルムや金属箔など、紙以外のものに対しての需要が高く、現在でも多く使われている印刷方式です。

印刷方式の分類4.軽印刷

軽印刷とは軽い印刷という名前の通り、小ロットで仕上がりが早く、手軽に使えるオフィス用の印刷として発展している印刷方式です。

リソグラフという孔版印刷機によって、金属等の穴からインクを出して印刷物を作りますが、平たく言ってしまうと、一般オフィスにある複合機のことです。

ただし、プロの軽印刷がアマチュアのオフィス内印刷と違うのは、印刷用紙の選定と製本に関する知識や経験を持っていることです。

現在ではクライアントが印刷原稿をパソコンで作成し、印刷と製本のみを業者が請け負うスタイルも一般化しています。

印刷方式の分類5.フォーム印刷

フォーム印刷は、帳票印刷と言われていたもので、主に伝票類を印刷する方式のことです

フォーム印刷の特徴は、宅急便の伝票やマークシートなど、決まった様式の帳票類を早く正確に印刷できるところです。

以前は、輪転式の凸版印刷でしたが、最近はオフセット輪転機が主流になっています。印刷と同時に、ミシン目やシートカットなどの加工がライン上で行えます。

印刷方式の分類6.シール・ラベル印刷

シール、ラベル、ステッカーなど、物に貼る印刷物の印刷を総称してシール印刷といいます。

シール印刷は、亜鉛板や樹脂板を使って行う凸版印刷の1種です。印刷用紙には、シールやステッカーになる粘着フィルムを用いて印刷を行います。

印刷方式の分類7.スクリーン印刷

スクリーン印刷とは、孔版(こうはん)印刷の一種です。孔版印刷は、版にインクを付けて印刷するのではなく、版に穴を開けて、印刷物に対してインクを擦りつける印刷方式です。

スクリーン印刷の特徴は、曲面にも印刷が可能なため、ガラス、金属、布など素材を問わず印刷できます。パソコンのキーボードもこの形式で印刷されています。

また、にじみ出るインク量を増やすことで、印刷物に立体感を与えることも可能です。プリントゴッコを思い浮かべるとわかりやすいと思います(わかるかな?)。

印刷方式の分類8.コロタイプ印刷

コロタイプ印刷は、グラビア印刷やオフセット印刷と比べて、写真や絵画の再現度が非常に高い印刷方式です。

特殊な大型カメラで撮影した原寸のネガを原板に加工して印刷を行います。版はガラスの上にゼラチンを乗せ、乾燥させた板を使います。

以前はモノクロのみでしたが、近年は多色化に成功したため、耐久性の高いインクを使って永久保存するための美術品複製に用いられています。

印刷方式の分類9.活版印刷

凸版印刷の一種で、以前は新聞、雑誌等の印刷に使われた印刷方式ですが、現在はオフセット印刷に取って代わられています。

最近は、はがきや名刺などの手作り感のある商品として人気を回復しつつあります。独特のインクムラ、紙の凹凸、シワができるため、印刷物に風合いがあり、ファンが多い印刷手法でもあります。

活版印刷とは、金属や樹脂でできた活字という文字を組み合わせて、文章になる版を作り、版にインクを付け、紙に押し付けることで、印刷する手法のことです。

紙に押し付ける際に圧力がかかることで、現在の印刷機にはない独特な凹凸ができたり、インクの量による独特なムラができるため、1枚1枚違った味を楽しむことができます。

参考:世界に1つの味わい!活版印刷を体験できる印刷会社8選

印刷方式の分類10.デジタル印刷(オンデマンド印刷)

一般的には、パソコンを使って作成したデジタル組版データから、カラーレーザー印刷機によって出力する印刷方式をオンデマンド印刷と呼ぶことが多いです。

原稿データをダイレクトに読み取り、複写・製本までを一貫処理することができます。

大きな設備投資がいらないため、近年主流の印刷になりつつあります。

オンデマンド印刷とオフセット印刷の違いとは?安さ、品質を比較してみた

メリットデメリットでわかるオンデマンド印刷が伸びる理由と背景

機械の仕組みや目的による印刷方式分類まとめ

印刷には、普段あなたが触れている一般的な紙の印刷物から、金属や絵画などに適した専門的な印刷方式までさまざまあります。

時代の流れによって専門的な印刷手法が少しずつなくなってきているのは悲しいことですが、よりあなたの企業活動に合わせた印刷が可能になってきていることは事実です。

今後、もっと簡単でもっと安価にさまざまな”モノ”に対して印刷が可能になっていくはずなので、今のうちに紙以外のものに対して印刷できるイメージを付けておくと、新しいプロモーションや販促活動に活かせるかもしれません。