2026年7月1日
再生紙とFSC認証紙の違いとは?特徴やメリット・デメリットを印刷会社が解説
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近年、企業のSDGs(持続可能な開発目標)や環境配慮への取り組みが進むなかで、「再生紙」や「FSC認証紙」を採用する企業が増えています。
しかし、
「再生紙とFSC認証紙の違いがわからない」
「どちらを選べば環境にやさしいの?」
と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
再生紙とFSC認証紙は、どちらも環境に配慮した紙ですが、重視しているポイントが異なります。そのため、それぞれの特徴を理解したうえで、印刷物の用途や目的に応じて使い分けることが大切です。
本記事では、再生紙とFSC認証紙の違いを比較しながら、それぞれの特徴やメリット・デメリット、用紙を選ぶ際のポイントについてわかりやすく解説します。

再生紙とFSC認証紙の違い【比較表】
再生紙とFSC認証紙は、どちらも環境に配慮した用紙ですが、それぞれ原材料や特徴、「何に配慮しているのか」という点が異なります。
再生紙は、使用済みの古紙をリサイクルして作られた紙であるのに対し、FSC認証紙は、適切に管理された森林資源を原料とし、その生産・加工・流通までの工程が適切に管理されていることを認証した紙です。
FSC認証紙にはバージンパルプ(新たに木材から作られたパルプ)を使用した製品が多く、一般的には再生紙よりも白色度や印刷適性に優れている傾向があります。ただし、近年は品質の高い再生紙も増えており、どちらが適しているかは印刷物の用途や目的によって異なります。
まずは、それぞれの違いを比較表で見てみましょう。
| 再生紙 | FSC認証紙 | |
|---|---|---|
| 特徴 | 古紙を再利用して作られた紙 | 適切に管理された森林資源を使用した紙 |
| 環境への配慮 | 古紙の再利用による資源循環 | 森林資源の保全と持続可能な森林経営 |
| 主な原料 | 古紙パルプ(バージンパルプを配合する場合もある) | FSC認証森林の木材、 FSCが認めている原材料、 FSCが認めている回収原材料 |
| 品質 | 白色度や風合いが異なる場合がある | 一般的な紙とほぼ同等 |
| 環境ラベル | 再生紙使用マーク、エコマーク、 グリーンマーク | FSCマーク |
再生紙とは?
再生紙とは、新聞や雑誌、コピー用紙、段ボールなど、一度使用された古紙を原料として再利用した紙のことです。使用済みの紙を再び資源として活用することで、新たな木材資源の使用を抑えられるほか、廃棄物の削減にもつながることから、環境に配慮した紙として広く利用されています。
家庭や企業などから回収された古紙は、製紙工場で異物やインクを取り除いた後、紙の原料となる「古紙パルプ」へと加工されます。その古紙パルプを利用して新たな紙を製造したものが再生紙です。
近年では、企業のSDGsや環境配慮への取り組みの一環として、社内資料やパンフレット、チラシなど、さまざまな印刷物に採用されています。
古紙パルプ配合率とは?
再生紙には、古紙がどの程度使用されているかを示す「古紙パルプ配合率」があります。
古紙パルプ配合率はメーカーや用紙によって異なり、「再生紙使用マーク」によって表示されています。例えば、古紙パルプ配合率が100%であれば「R100」、70%であれば「R70」と表示され、数字が大きいほど古紙の使用割合が高いことを意味します。

なお、古紙パルプを1%以上配合していれば「再生紙」として分類されます。一方、グリーンマークを表示するためには、古紙パルプ配合率40%以上(トイレットペーパー・ちり紙は100%、新聞用紙・コピー用紙は50%以上)などの基準を満たす必要があります。
再生紙を使用するメリット
1.資源を有効活用できる
再生紙の最大のメリットは、使用済みの紙を再利用することで、新たな木材資源の使用を抑えられることです。
紙を繰り返し利用することで、森林資源の保全だけでなく、廃棄物の削減にもつながります。限りある資源を循環させることで、循環型社会の実現にも貢献できるといえるでしょう。
2.環境への取り組みを社内外に伝えられる
再生紙を使用することは、企業の環境配慮への取り組みを具体的に示す方法の一つです。
会社案内や社内報、パンフレットなどに再生紙を採用することで、環境保全やSDGsへの取り組みを社内外へ伝えられます。企業イメージやブランド価値の向上につながる点もメリットです。
再生紙を使用するデメリット
1.白色度や風合いが一般的な紙と異なる場合がある
再生紙は古紙を原料としているため、製品によっては一般的な紙よりも白色度が低く、やや落ち着いた色味になることがあります。
一般的な再生紙では、白色度が60~70%程度のものもあり、古紙パルプ配合率が高いほど白色度が低くなる傾向があります。そのため、印刷物によっては発色や仕上がりに影響する場合があります。
また、一度使用された紙を再利用しているため、製品によっては強度や耐久性がやや低くなることがあります。
2.価格が高くなる傾向がある
「古紙を使っているため価格が安い」と思われがちですが、実際には必ずしもそうとは限りません。
古紙の回収や異物の除去、漂白など、多くの工程を経て製造されるため、バージンパルプのみを使用した紙よりも価格が高くなる傾向があります。
そのため、再生紙を選ぶ際は、環境への配慮だけでなく、印刷物の用途や求められる品質、予算とのバランスも考慮することが大切です。

一方で、環境に配慮した紙には、古紙の再利用だけでなく、森林資源の適切な管理に着目した「FSC認証紙」という選択肢もあります。ここからは、FSC認証紙について詳しく解説します。
FSC認証紙とは?
FSC認証紙とは、適切に管理された森林資源から生産された木材や、その流通・加工工程が適切であることを認証した紙のことです。
FSCとは、「Forest Stewardship Council(森林管理協議会)」の略称で、世界的な森林認証制度を運営する国際的な非営利団体です。森林を適切に管理することで、森林破壊や違法伐採を防ぎ、将来にわたって森林資源を守ることを目的としています。
再生紙が「古紙を再利用すること」に着目しているのに対し、FSC認証紙は「木材がどこから調達されたのか」「適切に管理された森林由来であるか」を重視している点が大きな違いです。
FSC認証の種類
FSC認証には、次の2種類があります。
・FM認証(Forest Management認証):森林が適切に管理されていることを証明する認証
・CoC認証(Chain of Custody認証):木材や紙の加工・流通過程が適切に管理されていることを証明する認証
FSC認証紙として販売するためには、この2つの認証が必要です。
例えば、FM認証を受けた森林から生産された木材であっても、加工・流通の過程でCoC認証を取得していなければ、FSC認証紙として扱うことはできません。印刷物にFSCマークを表示するためには、森林から製紙、印刷に至るまで、サプライチェーン全体で適切な管理が行われている必要があります。
FSCマークの種類
FSC認証を受けた製品には、「FSCマーク」を表示できます。FSCマークがついている印刷物は、FSC認証紙が使われているということを示しています。
FSCマークには、以下の3種類があります。
・FSC100%:FSC認証を受けた森林の木材のみを使用している製品
・FSCミックス:FSCが認めている原材料(FSC100%、FSCミックス、FSCリサイクル、FSC管理木材、回収原材料)を複数組み合わせて使用している製品
・FSCリサイクル:回収原材料を100%使用している製品
FSC認証紙にデメリットはある?
FSC認証紙は、品質と環境配慮を両立できる点が大きな魅力ですが、導入にあたってはいくつか注意点もあります。
1.選べる用紙の種類が限られる
FSC認証紙は、一般的な紙と比べると銘柄や種類が限られるため、希望する紙質や仕様を選べない場合があります。
ただし、近年はFSC認証紙の種類も増加しており、選択肢は年々広がっています。
2.価格が高くなる傾向がある
FSC認証紙は、認証取得や管理にコストがかかるため、銘柄によっては一般的な紙より価格が高くなることがあります。
環境に配慮した紙を選ぶ際のポイント
環境配慮型の用紙を選ぶ際は、「再生紙かFSC認証紙か」という点だけでなく、印刷物の目的や伝えたいメッセージも考慮することが大切です。
用途に合わせて選ぶ
再生紙とFSC認証紙では、白色度や風合い、印刷適性などに違いがあります。そのため、用途に合わせて選択することが大切です。
例えば、会社案内や採用パンフレットなど、企業の第一印象を左右する印刷物では、品質や印刷適性に優れたFSC認証紙が選ばれることが多くあります。一方、社内資料や配布用チラシなどでは、コストや環境負荷とのバランスを考慮して再生紙が採用されるケースも少なくありません。
環境への取り組みをどのように伝えたいか考える
森林保全への取り組みを伝えたい場合はFSC認証紙、資源循環への取り組みをアピールしたい場合は再生紙というように、企業が発信したいメッセージによって適した用紙は異なります。
また、再生紙使用マークやFSCマークを表示することで、環境への取り組みをよりわかりやすく伝えられます。
印刷会社へ相談する
環境配慮型の用紙は種類が多く、それぞれ特徴や価格が異なります。
「品質も重視したい」「予算内で環境に配慮したい」「FSCマークを表示したい」といった希望がある場合は、印刷会社へ相談するのがおすすめです。用途や目的に応じて、最適な用紙を提案してもらえます。
まとめ
再生紙とFSC認証紙は、どちらも環境に配慮した紙ですが、特徴や適した用途は異なります。再生紙は、古紙を再利用することで資源循環に貢献する紙です。一方、FSC認証紙は、適切に管理された森林資源を使用することで森林保全につながる紙です。
そのため、「どちらが優れているか」で判断するのではなく、印刷物の目的や伝えたいメッセージに合わせて選ぶことが重要です。
また、再生紙やFSC認証紙を採用することは、森林資源の保全に貢献できるだけでなく、企業として環境課題に取り組む姿勢を社内外へ伝えることにもつながります。さらに、再生紙使用マークやFSCマークを活用すれば、環境配慮への取り組みをよりわかりやすく示すことができ、企業やブランドの信頼性向上にも役立つでしょう。
印刷物の品質やコスト、環境への配慮をバランスよく考えながら、自社に適した用紙を選ぶことが重要です。ぜひ用紙選びの参考にしてみてください。





