2021年3月4日
機関誌・広報誌・社内報における誌面作りの基本

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新しい機関誌を創刊するときや、新しいコーナーを作るときなどに欠かせない「誌面作り」。
印刷会社に頼んだり、デザイナー会社に依頼したりすることが多いと思いますが、機関誌ご担当者様の中には、ご自身で誌面のレイアウトを決める方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そんな「誌面作り」の基礎をご紹介いたします。
フォーマットの設計
フォーマットとは、書式や仕様のこと。
フォーマットの決まっていない機関誌は落ち着きがなく、読みにくいものです。
フォーマット設計では、文字の組み方(縦・横)、文字サイズ、字詰め、書体、行数、行間、段数、段間のアキ、天(誌面の上部)のアキ、小口・のどのあきなどを決め、誌面の全体で使うことがポイントです。
この基本フォーマットを統一する中で、一部のコーナーで段数を変える、見出しに変化をつける、動きのある写真を大きく扱う、など変化をつけていきましょう。
また、文字が多く同じような誌面が続いてしまう場合、途中にグラビアを挿入し、一息つかせるのも良いでしょう。
変化のない誌面は、読者が飽きてしまいます。
版面の設計
レイアウトを行う際に、文章や図版、写真を入れる誌面の基本領域を版面(はんづら)といいます。この版面が機関誌の誌面レイアウトの基礎になります。
紙のスペースの中に、読んでもらう要素がどれだけ占めるかによって、その冊子の印象が決まります。その割合は版面率であらわします。
一般的に、文学書のような文字中心のものは版面率60~70%、雑誌やパンフレットでは75~80%位が目安です。
用途に応じた版面設計を、はじめにきちんと決めておくことが大切です。
罫線の活用
続いて、ケイ線について説明します。
ケイ線は誌面に緊張感を出したり、本文と区別するためにケイ線で囲んだりなど、うまく使えば引き締まった誌面になり、とても効果的です。
しかし、文字とのアキが狭かったり、ケイ線を使いすぎたりすると、
かえって読者に窮屈な印象を与えてしまいます。
窮屈な誌面は長文の印象を与え、読者から敬遠されてしまいます。
ケイ線を使うときは本文とのアキを十分とって窮屈にならないように注意しましょう。
●例1:文字とケイ線のアキが十分保たれて、誌面が引き締まってみえる。
●例2:本文とのアキが狭く窮屈な印象に映る。文字との空きを少し広げることで、印象が変わってくる。
段組み
段組みとは、下の図のように文章をページ内でいくつかのブロックに分けて表示することをいいます。
このように段組みを活用して1行の文字量を少なくすることで、余白が生まれ、文字量が多い誌面でも読みやすい印象になります。
コーナーごとに段数を変えて、誌面に動きをつけることもできます。
ただ、あまり細かく分けすぎると1行の文字数が少なすぎるとかえって読みにくくなってしまうこともあるので注意が必要です。
1行の文字数が多すぎると、行末から次行の行頭への視線距離が長くなってしまい、行頭を探す頻度が高くなって読み手が疲れてしまいます。
反対に、1行の文字数が少なすぎると、行末から次行の行頭に視線を移動させる回数が多くなり、かえって読み手の邪魔をしてしまいます。
まとめ
今回は誌面作りの基本的なポイントをご紹介しました。
細かい部分ではありますが、一度設計してしまえばその後も活用でき、機関誌づくりがスムーズになります。
この機会に一度機関誌・広報誌を見直してみてはいかがでしょうか?
