2026年7月29日

広報誌・機関誌・社内報の作り方とは?誌面設計の基本と手順を解説!

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この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

広報誌・機関誌・社内報を新たに創刊するときや、既存の誌面をリニューアルするときに欠かせないのが「誌面設計」です。

誌面設計は制作会社やデザイナーが担当するケースが一般的ですが、ご担当者様自身がレイアウトの方向性を検討したり、制作会社と細かなすり合わせを行ったりする場面も少なくありません。

あらかじめ誌面設計の基本を理解しておくことで、ラフ作成やレイアウトの検討がスムーズになるだけでなく、制作会社との認識のズレも防ぎやすくなります。

本記事では、誌面設計の基本をはじめ、必要な要素や具体的な設計手順についてご紹介します。

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誌面設計とは?

誌面設計とは、広報誌・社内報・機関誌などを制作する際に、誌面全体のレイアウトや文字組み、余白、段組みなど、誌面の基本ルール(フォーマット)をあらかじめ決めることです。

建物を建てる際に設計図が必要なように、誌面にも設計図があることで、情報を整理しやすくなり、読みやすく統一感のある誌面を作ることができます。

なお、「誌面設計」と「デザイン」は混同されがちですが、誌面設計は誌面全体の構成やレイアウトのルールを決める工程です。一方、デザインは、そのルールに基づいて配色や装飾、フォントなどの見た目を整え、誌面の印象を作る工程といえます。

なぜ誌面設計が重要なのか

誌面設計は、単に見た目を整えるためだけの作業ではありません。読者に情報をわかりやすく伝え、制作を効率的に進めるための土台となる重要な工程です。

読みやすく、伝わりやすい誌面になる

文字サイズや余白、段組みなどが適切に設計されている誌面は、読者がストレスなく読み進められます。また、情報の優先順位が明確になるため、伝えたい内容もスムーズに理解してもらえます。

誌面全体に統一感が生まれる

見出しの位置や本文の文字サイズ、写真の配置などのルールを統一することで、誌面全体にまとまりが生まれます。ページごとの印象にばらつきが出にくくなり、読みやすさだけでなく媒体としての品質向上にもつながります。

制作効率が向上する

誌面設計が決まっていれば、毎号ゼロからレイアウトを考える必要がありません。担当者が変わっても一定の品質を維持しやすくなり、制作時間の短縮や修正作業の削減にもつながります。

誌面設計を始める前に決めておきたいこと

誌面設計に取りかかる前に、まずは媒体の方向性を明確にしておきましょう。目的や読者が曖昧なまま進めると、誌面の構成やレイアウトに一貫性がなくなり、伝わりにくい誌面になってしまう恐れがあります。

まずは、次の3つのポイントを整理しておくことが大切です。

目的

はじめに、「何を伝えるための媒体なのか」を明確にしましょう。

例えば、

・会社や団体の活動を紹介したい
・社員同士のコミュニケーションを活性化したい
・会員へ情報をわかりやすく届けたい

など、媒体の目的によって、誌面構成や情報の見せ方は大きく変わります。目的を明確にすることで、誌面全体の方向性にブレが生じにくくなります。

読者・ターゲット

次に、「誰に向けた媒体なのか」を整理します。

例えば、高齢者を対象とした広報誌であれば、文字サイズを大きくしたり、余白を広めに確保したりするなど、可読性や視認性を重視したレイアウトが適しています。一方で、業界関係者向けの機関誌であれば、専門的な情報を効率よく伝えられるよう、情報密度の高い誌面が求められます。

このように、読者層に合わせてレイアウトの方向性を決めることが、読みやすく伝わりやすい誌面づくりにつながります。

判型・ページ数

冊子の判型(A4・A5・B5など)やページ数も、誌面設計に大きく影響します。

例えば、ページ数の多い冊子では、見出しやノンブル、柱などのルールを統一しておくことで、読者が目的の記事を探しやすくなります。

また、判型によって1ページに配置できる情報量や写真の見せ方なども変わるため、媒体の用途や掲載内容に合わせて適切なサイズを選ぶことが重要です。

誌面を構成する主な要素

誌面設計を行う際は、まず誌面を構成する基本的な要素を理解しておくことが大切です。それぞれの要素が持つ役割を知ることで、読みやすくバランスの取れた誌面を設計しやすくなります。

誌面設計の基本_誌面を構成する主な要素の例

各要素の名称と役割

名称意味・役割
版面(はんづら) 文字や写真などのコンテンツを配置する範囲
マージン(余白)版面の外側に設ける余白
天(てん)見開き上部に設ける余白
地(ち)見開き下部に設ける余白
ノド見開き内側(綴じ側)に設ける余白
小口(こぐち)見開き外側(持ち手側)に設ける余白
ノンブルページ番号
柱(はしら)各ページのマージン部分に配置する書名・章・節・項目などの情報
※両柱:奇数ページ・偶数ページの両方に配置する柱
 片柱:片方のページのみに配置する柱
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誌面設計の手順

誌面を構成する基本的な要素を理解したら、実際に誌面設計を進めていきましょう。

誌面設計では、感覚だけで決めるのではなく、組み方向や文字サイズ、段組みなどの基本ルールを順番に設計していくことが大切です。あらかじめ一定のルールを決めておくことで、読みやすく、統一感のある誌面に仕上がります。

1.組み方向を決める

組み方向とは、文章を配置する向きのことで、文字を縦に読む「縦組み」と、横に読む「横組み」の2種類があります。

一般的な広報誌や社内報では横組みが採用されることが多く、機関誌や文芸誌などでは縦組みが用いられるケースもあります。

日本語は縦組み・横組みのどちらにも対応できますが、アルファベットや数字を多く使用する誌面では、横組みのほうが適していると言えるでしょう。

また、組み方向によって誌面全体の印象も変わります。掲載する内容や読者層、媒体の雰囲気に合わせて選ぶことが大切です。

2.マージン(余白)を決める

次に、ページ内に設けるマージン(余白)を設定します。

例えば、A5サイズの冊子であれば、上下左右20mm程度を一つの目安にするとよいでしょう。ただし、天・地のマージンは、柱やノンブルを配置するかどうかによって調整が必要です。

マージンを設定すると、文字や写真を配置する範囲である「版面」の大きさが決まります。このとき、ページ全体に対して版面が占める割合を「版面率」と呼びます。

版面率が高いほど、掲載できる情報量が増え、にぎやかな印象になります。一方、版面率が低いと余白が広くなり、ゆったりとした落ち着いた印象になります。

ただし、版面率が高すぎると余白が少なくなり、圧迫感のある誌面になりがちです。反対に、版面率が低すぎると必要な情報量を十分に掲載できない可能性があります。

例えば、エッセイやコラムなど文章をじっくり読ませる媒体では余白を広めに取り、雑誌やパンフレットのように多くの情報を掲載する媒体では余白を少なめにするなど、目的や読者層に合わせてバランスを調整することが重要です。

一般的な目安として、書籍など文字中心の媒体では版面率60%~70%程度、雑誌やパンフレットでは75%~80%程度が適しているとされています。

版面率60~70%の場合と版面率75~80%の場合の比較

3.本文の文字サイズ(級)を決める

マージンと版面が決まったら、本文の文字サイズを設定します。

文字サイズは、誌面の読みやすさを左右する重要な要素です。一般的なA4サイズの冊子では、12~14級程度がよく使用されますが、適切なサイズは読者層や掲載内容によっても異なります。

例えば、高齢者向けの媒体では、文字サイズを大きめに設定することで、読みやすさを高めることができます。

なお、文字サイズを表す単位には「級(Q)」と「ポイント(pt)」があります。ポイントはインチを基準とした単位である一方、級はメートル法を基準とした単位です。そのため、厳密には同じ数値でもサイズは異なります。印刷物やDTPの現場では、主に「級」が使用されます。

▼ポイントと級の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

4.一行あたりの文字数を決める

版面のサイズと文字サイズが決まると、一行あたりに配置できる文字数を算出できます。

例えば、文字サイズが13級の場合、 1級は0.25mmであるため、

「13級×0.25mm=3.25mm」

となり、文字1字分の幅は3.25mmであることがわかります。この文字幅を版面の横幅で割ることで、一行あたりのおおよその文字数を算出できます。

一般的に、一行の文字数が40字を超えると視線の移動距離が長くなり、可読性が低下しやすくなります。

そのため、一行の文字数が多くなる場合は、段組みを取り入れるなどして行の長さを調整すると、読みやすい誌面になります。

5.行送り・行間・行数を決める

続いて、行送りを設定します。

行送りとは、行の上端から次の行の上端までの距離を指し、文字サイズと行間を合わせた長さのことです。「歯送り」とも呼ばれ、「歯(H)」という単位で表します。

行間が狭すぎると文字が詰まった印象になり、読みづらくなるだけでなく、ルビを入れるスペースも不足してしまいます。

誌面設計_行送りと行間の例

一般的には、行送りは文字サイズの約1.6倍を目安に設定すると、読みやすい誌面になります。

例えば、文字サイズが13級の場合、

「13級×1.6=20.8」

となるため、行送りは21歯程度が目安です。

また、一行あたりの文字数が多い場合は行送りを広めに、文字数が少ない場合はやや狭めに設定することで、視線の流れがスムーズになり、可読性の向上につながります。

文字サイズと行間が決まることで、版面内に配置できる行数も決まります。

▼以下の記事では、行間・行送りについても詳しく解説しています。

6.段組み(段数・段間)を決める

一行あたりの文字数が多くなる場合は、段組みを活用して文章を複数の段に分けます。

段組みとは、ページ内の文章を複数のブロック(段)に分割するレイアウト方法です。

行が長くなると、読み手の視線移動が大きくなり、内容を追いにくくなります。段組みによって一行の長さを短くすることで、視線の移動を抑え、可読性を高めることができます。

判型や誌面構成にもよりますが、広報誌や社内報では、2段組みまたは3段組みが一般的です。

また、複数の段を設ける場合は、段と段の間に「段間」が生まれます。段間が狭すぎると、隣の段へ視線が移ってしまい、読みづらさの原因になります。可読性を確保するためにも、段間は少なくとも2文字分程度の幅を確保するとよいでしょう。

段組みの例_1段組・2段組・3段組の比較

7. 誌面フォーマットを設計する

本文の設計が固まったら、見出しや写真、ノンブルなど、各要素の配置ルールを決めていきます。

例えば、

・見出しの階層や文字サイズ
・写真の配置ルール
・キャプションの位置や文字サイズ
・ノンブル・柱の有無や配置位置

などをあらかじめ決めておくことで、冊子全体に統一感が生まれます。

見出しは、記事の内容を読者へ伝えるだけでなく、誌面にメリハリを与える役割があります。

大見出し・中見出し・小見出しなど階層がある場合は、それぞれのサイズに差をつけることが基本です。例えば、本文が13級の場合、大見出しは24〜30級、中見出しは18〜20級程度を目安にすると、情報の階層が伝わりやすくなります。

また、見出しの配置位置や余白(アキ)も事前にルール化しておきましょう。見出しと本文の間隔が狭すぎると、見出しが本文に埋もれてしまい、役割を十分に果たせません。見出し下の余白は、本文の行送り1行分程度を目安に確保すると、視認性が高まります。

▼誌面レイアウトには、避けたほうがよい配置もあります。以下の記事もあわせて参考にしてください。

誌面設計が完成し、基本となるフォーマットが決まったら、そのルールに沿って配色やフォント、装飾などのデザインを行います。

なお、誌面設計を行う際は、パソコン画面上だけで判断せず、実際に印刷して確認することが大切です。画面上では問題なく見えていても、実寸で確認すると「文字が小さい」「余白が狭い」と感じることがあります。

冊子は、画面上で閲覧するものではなく、手に取って読むものです。実際のサイズで印刷し、文字の大きさや余白、ページ全体のバランスを確認することで、より読みやすく完成度の高いに仕上がります。

まとめ

今回は、広報誌・機関誌・社内報などの制作に欠かせない「誌面設計」について解説しました。

誌面設計は、あらかじめ基本となるフォーマットやルールを作成しておくことで、毎回のレイアウト作業を効率化でき、媒体全体の品質を安定させることにもつながります。

ただし、広報誌・機関誌・社内報では、すべてのページを同じレイアウトにすると単調な印象になってしまうことがあります。そのため、基本となる誌面設計は維持しながら、コーナーや内容に応じてレイアウトに変化をつけることが大切です。

誌面設計のポイントを押さえ、読者によって読みやすく、情報が伝わりやすい冊子づくりに役立ててみてください。

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