2025年11月26日

SharePointとは?できることや活用方法を解説!

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

SharePointとは?

SharePointは、Microsoftが企業向けに提供しているファイル共有サービスです。

組織内のメンバーとオンラインで情報を共有したり、ドキュメントを共同編集したりできるため、チーム全体の業務効率向上やスムーズなコミュニケーションが期待できます。

SharePointには、以下の2種類があります。

・自社サーバーで利用する「SharePoint Server」
・クラウド上で利用する「SharePoint Online」

「SharePoint Server」は自社サーバーで運用するため高いセキュリティを確保でき、「SharePoint Online」はクラウドならではの利便性が高く、メンテナンスやアップデートの容易さが特長です。

なお、SharePoint Onlineは単体での契約のほか、Microsoft 365にも含まれています。Microsoft 365を利用していれば、Word・Excel・PowerPointなどのOfficeアプリケーションとあわせて、SharePoint Onlineを利用できます。

▼Microsoft公式サイト
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/sharepoint/collaboration

OneDriveとの違い

Microsoftが提供するもう一つのファイル共有サービスに、「OneDrive」があります。

どちらもオンライン上でファイルの保存・共有が可能ですが、SharePointはチームや組織といった複数人での共同作業に向いているのに対し、OneDriveは主に個人での利用に適しています。

後ほど詳しくご紹介しますが、SharePointではファイルを共有するためのポータルサイトを作成でき、大人数でのファイル共有や情報管理に適した仕組みが整っています。

一方、OneDriveは個人のクラウドストレージとして、業務データや個人資料の保管に最適です。もちろん、OneDriveでも特定の相手にファイルを共有することは可能ですが、基本的には「自分のファイルを他者に共有する」ためのツールという位置づけです。

そのため、部署やチームなど組織単位でファイルを管理・共有したい場合はSharePoint、個人でファイルを保存・共有したい場合はOneDrive、というように、目的に応じて使い分けるのがおすすめです。

SharePointとOneDriveの比較表

SharePointでできること・主な機能

ポータルサイトの作成

SharePointの代表的な機能の一つが、ポータルサイトの作成です。これは一般的なオンラインストレージサービスとの大きな違いと言えるでしょう。あらかじめ用意されたテンプレートやフォーマットを活用すれば、専門知識がなくても簡単にポータルサイトを作成することができます。

ポータルサイトでは、

・情報共有
・ファイル管理
・掲示板を使った情報発信、コミュニケーション

などが可能です。チームやプロジェクトごとにポータルサイトを作成できるため、情報漏えいや情報混在を防ぎ、必要なメンバーだけに情報を共有することができます。

また、SharePointで作成できるサイトには「チームサイト」と「コミュニケーションサイト」という2種類があります。「チームサイト」は主にチーム内での情報共有に適しており、「コミュニケーションサイト」は全社など広範囲にわたる情報発信に活用することができます。

ファイルの管理・共同編集

SharePointでは、ドキュメントや画像などさまざまなファイルを管理でき、複数人で同時編集することも可能です。

バージョン管理機能によって、ファイルを誤って上書き・削除してしまっても復元でき、過去のバージョンとの比較も簡単に行えます。最新版が一目でわかるため、ファイル管理を効率的に行うことができます。

ワークフローの構築・タスク管理

SharePointでは、承認フローなどの業務プロセスを設計し、自動化することができます。

例えば、作成した書類の承認が必要な場合、 SharePoint上で業務フローと担当者を設定しておけば、書類作成後に承認者へ通知が届き、承認が完了すると自動で次のステップに進む…といった流れを自動化することが可能です。

また、タスクの期限設定や割り当ても可能で、進捗状況や遅延などもSharePoint上で視覚的に把握できるため、ミスや見落としの防止にもつながります。

ファイルの検索

SharePointにはファイルの検索機能も搭載されています。
ファイル名だけでなく、ファイル内の情報まで検索できるため、ファイルを一つひとつ開かなくても必要な情報を素早く見つけることができます。

SharePointのメリット

社内ポータルを簡単に作成できる

前述のとおり、SharePointを使えば、専門知識がなくても簡単に社内ポータルサイトを作成することができます。

通常、ポータルサイトの構築にはHTML・CSSなどのWeb制作スキルや外部制作会社への依頼が必要ですが、SharePointには豊富なテンプレートが用意されているため、誰でも簡単に作成が可能です。また、SharePointの利用料のみで完結するため、従来のサイト制作に比べてコストを大幅に抑えることができます。

ポータルサイトを使えば、より一層メンバーとの情報共有がスムーズになるため、SharePointを導入する際には、ぜひ活用したい機能の一つと言えるでしょう。

マルチデバイスで閲覧できる

SharePointは、インターネット環境があればいつでもどこでもアクセスすることができます。

アプリをインストールすれば、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからも利用可能で、外出先や在宅勤務など、場所を選ばず使用することができます。

Microsoftのツールと連携しやすい

SharePointはMicrosoftが提供しているツールのため、Word・Excel・PowerPointなどのOffice製品との親和性が高いのも大きな魅力です。特別な設定や外部ツールを使用せずに、SharePoint上で直接これらのファイルを管理・編集できます。

また、ビジネスチャットツールであるTeamsと連携することで社内コミュニケーションや情報共有を一元化したり、メールツールのOutlookと連携してスケジュールを共有したり、SNSツールであるYammerと連携して社内広報として活用したりと、他のMicrosoft製品と組み合わせることで活用の幅が広がります。

社外ユーザーとも安全に共有できる

基本的には社内向けの情報共有ツールとして利用されるSharePointですが、外部ユーザーとの情報共有にも対応しています。

管理者がユーザーごとのアクセス権限を細かく設定できるため、情報漏えいのリスクを抑えつつ、安全に情報を共有することができます。

SharePointのデメリット

デザインの自由度が低い

SharePointはテンプレートを使って簡単にポータルサイトを構築できる反面、デザインの自由度は限定的です。

オリジナリティの高いデザインを求める場合は物足りなさを感じることもあるかもしれませんが、テンプレートの種類が豊富で、ある程度のカスタマイズも可能なため、一般的な社内ポータルの用途であれば十分と言えるでしょう。

匿名性がない

SharePointにはコメントや「いいね」機能がありますが、いずれもユーザー名が表示され、誰がコメントをしたか、誰が「いいね」をしたがわかる仕組みになっています。

そのため、匿名で意見を集めたい場合や、名前が表示されることに抵抗がある場合には、デメリットになるかもしれません。

SharePointの活用方法

社内報の制作・配信

多くの企業が、社内報の制作や配信にSharePointを活用しています。例えば、以下のようなフローで、社内報の編集から承認、公開までをSharePoint上で完結させることができます。

①編集担当者と制作会社でファイルを共有し、共同編集を行う
② SharePoint上で校正・修正のやりとりを行う
③上長からの承認を得て、社内報を公開する
④社員がSharePointを通じて社内報を閲覧する
⑤閲覧した社員がコメントを残してフィードバックする

このように、外部と連携した編集作業から承認、公開、フィードバックまでスムーズに行えるため、効率的に制作を進めることができます。

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社内マニュアルの作成・管理

SharePointは、社内マニュアルの作成やナレッジの共有にも活用できます。

・マニュアル作成
・関係部署への確認、承認
・マニュアルの公開、閲覧
・更新、改訂の履歴管理
・関連資料やフォーマットの一元管理

制作プロセスをSharepoint上で完結させることに加え、関連資料を一元管理することで、情報の散在を防ぎ「SharePointを見れば必要な情報がそろう」という環境づくりが可能になります。これにより、新入社員や経験の浅い社員でも、安心して業務に取り組むことができるでしょう。

また、SharePointの検索機能を使えば、膨大なファイルの中から必要な情報をすぐに見つけることが可能です。検索性が高いことで、より実用的で使いやすいマニュアルの運用が実現できると言えます。

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まとめ

今回は、SharePointの基本的な機能や活用方法についてご紹介しました。

SharePointは社内報やマニュアルなど、社内向けコンテンツと非常に相性がよく、情報共有ツールとして導入する企業が増えてきています。紙やPDFで配布する場合と比べて、リアルタイムで更新できる点も大きなメリットです。常に最新の情報を共有でき、社員にもタイムリーに届きやすくなります。

ただし、どれだけ便利なツールであっても、最終的に読まれるかどうかは「コンテンツの質」にかかっています。SharePointを活用して業務効率を上げ、その分の時間をコンテンツの企画や制作に充てることで、より充実した社内報やマニュアル作成につなげていきましょう。

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