2016年5月2日
ターゲティングがチラシに与える影響と効果とは?
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チラシにもターゲティングは必要不可欠
どんな広告でも「誰に」「何を」伝えるかは大事な前提条件です。
ターゲティングとは、ターゲットとなる市場を選定する行為を指します。つまり前提条件の「誰に」の部分です。
チラシは、DMのように住所や属性などの明確な情報(リスト)を元に配布するわけではありません。
ポスティングにしろ、新聞折込にしろ、ターゲットへピンポイントに届けることは難しいでしょう。
だからといって、チラシにターゲティングが必要ないかというと、決してそうではありません。
なぜなら、明確なターゲティングがなければ、「誰に」「何を」伝えるかがブレてしまい、反響率に大きな影響を与えてしまうからです。
逆に言えば、ターゲティングが明確であれば、チラシの反響率を上げることができるということです。
そこで今回は、ターゲティングがチラシに与える影響と、ターゲティングをチラシに活かす方法をご紹介します。
商品特性からターゲットを見極める
チラシを作る前に、まず商品特性とターゲットを確認することから始めましょう。
商品やサービスの開発時には、まずコンセプトがあり、コンセプトには必ずターゲットが設定されています。
年齢、性別、職業、居住エリア、家族構成、所得のような属性はもちろん、価値観、悩みや願望などもターゲットには設定されています。
あなたの商品は、いったいどのようなターゲットに向けて開発されたのでしょうか。
あなたの商品を使用することによって、ターゲットにはどのようなメリットがあり、どのようなベネフィットを感じるのでしょうか。
商品を知ることは、ターゲットを知ることとイコールです。商品の特徴を知れば、ターゲットや伝えるべきコンテンツも定まります。
ターゲットに響くチラシとは
商品特性によってターゲットが明確になったところで、ターゲティングがクリエイティブに与える影響を考えたいと思います。
ターゲットに響くチラシ、クリエイティブとはいったいどんなものなのでしょうか。具体的に説明してきます。
当事者性を意識させるコピーを必ず入れよう
「今年新社会人になる皆さんへ」など、ターゲットに具体的に呼びかけるDMやチラシを見たことありませんか?
ターゲットへの呼びかけるコピーは、チラシやDMには必須です。
「朝が辛いあなたへ」
「皮下脂肪が気になる方に」
「50歳からの資産運用」など、悩みに訴えるタイプもあれば、
「渋谷区へお住まいの皆様へ」
「◯◯ご愛用者の皆様へ」
「◯◯カードゴールド会員の皆様へ」など、地域や利用者を限定して特別感を感じさせるものまであります。
このようなコピーは、ターゲットが明確に設定されているからこそ生まれるものであり、「自分ごと」のように読み手は意識します。つまり当事者性を意識させるのです。
当事者性を意識させるのは、コピーだけに限りません。写真やイラスト、デザインも、その一つです。
例えば、ターゲットが30代男性ならスーツ姿の男性の写真、ダイエット中の女性ならエクササイズ中の女性のイラストを使用します。
読み手が当事者であることを意識しやすい写真やイラストを用いて、視覚に訴えましょう。
ベネフィットを訴求しよう
ターゲットには、属性だけじゃなく、その人の持つ価値観、悩みや願望なども設定されています。
商品やサービスを利用することで、ターゲットが得られる利益、メリットをベネフィットといいます。
チラシにはこのベネフィットの訴求が欠かせません。ベネフィットはターゲットが明確でないと、ブレてしまいます。
ベネフィットとは、顧客の欲求を満足させる価値のことです。たとえば、「女性はヘアカットしたいのではなく、ヘアカットをしてきれいに見られたい。」といった、顧客が本来求める欲求が何であるかを効果的に活用する必要があります。
ベネフィットの訴求により、ターゲットの消費欲求が顕在化されます。
「悩みが解消された自分」「願望が満たされた自分」を想像させるコピーやイメージを提示しましょう。
ターゲティングと商圏分析の関係
商圏とは集客可能な範囲のことです。
チラシはDMのようにピンポイントにターゲットに届けることはできません。しかし、商圏分析により「富裕層が多い地域」「単身者の割合が高い地域」などの大まかな配布先選定は可能です。
チラシを配布する場合も、商圏を確認すると良いでしょう。
ちなみに、商圏分析には以下の想定商圏分析と実態商圏分析の2つがあります。
想定商圏分析
集客や販促が可能であると判定したエリアを分析します。国勢調査のデータベースからターゲットが多いエリアを調べます。
実態商圏分析
既存の顧客データベースより、設定したターゲットが多いエリアを調べます。
ターゲットごとに適した配布方法とは
チラシには多くの配布方法がありますが、ターゲットによって向き不向きがあります。それぞれの特徴から適した配布方法を選びましょう。
ターゲットへの配布方法1.ポスティング
ポスティングは、あらゆるターゲットにリーチできるのが強みです。
近くに大学があれば学生が多いことがわかりますし、一戸建てか集合住宅かなど、見た目や環境で簡単に判断できるセグメンテーションも可能です。
ポスティング業者であれば、ノウハウや顧客データもあるため、その地域に詳しい人が配布することで効果を高めることも可能です。
参考:
経験、ノウハウをどう見極める?良いポスティング業者の選び方、3つのポイント
ターゲットへの配布方法2.新聞折込
若者の新聞離れも言われて久しい現在、新聞折込は、若者向けの商材には向いていません。しかし、家族がある世帯や、中高年へのリーチに長けています。
また、各紙読者層に特徴もあり、エリアごとに読者数にばらつきもありますので、商圏分析と併せて検証をしましょう。
参考:
折込チラシの出稿基準とは?新聞全国5大紙の特徴と読者層
ターゲットへの配布方法3.タウンプラス
タウンプラスは、リストがなくても目的のターゲットにリーチできるのが大きな強みです。
チラシとDMの中間といったところですね。
タウンプラスは、リストがなくても、日本郵便が持つ住所データやGISデータを用いて、性別、年齢、家族構成、世帯別年収データなどをもとにDM広告を配達できます。
ターゲットへの配布方法4.街頭手配り
街頭手配りも重要なチラシ配布方法です。
特に、駅前などの人通りが多い場所に店舗を構えている場合、手配りによって、お店の存在を知ってもらうことができます。
あらゆる層にリーチができるのと、「20〜30代くらいの女性」など、見た目で配布する人(ターゲット)を絞れることがメリットです。
ターゲットへの配布方法5.フリーペーパー折り込み
フリーペーパーに折り込んで配布してもらう手法です。新聞より幅広い層にリーチできますが、読者層がメディアの特性によって違ってきますので、注意が必要です。
フリーペーパーの特性により、商品ターゲットが絞られている場合もありますし、人が集まる場所(会社など)への配布も期待できるため、折り込むフリーペーパーの見極めが必要です。
フリーペーパーの広告掲載と合わせて、相乗効果を狙うという手法もあります。折り込み料金はまちまちですが、おおよそ新聞折込と変わらないと考えて良いでしょう。
ターゲティングがチラシに与える影響とは まとめ
チラシは不特定多数の人に配られることが前提になっていますが、決してターゲティングを蔑ろにしていいわけではありません。
ターゲットによって、チラシの最適なクリエイティブも配布方法も変わります。
チラシはDMに比べると基本的に反響率の低い広告ですが、小さなPDCAの積み重ねによって反響率は上がっていきます。
チラシの効果がいまいちという方は、ターゲティングから一度見なおしてみてください。
クリエイティブや配布方法など、何かしら課題が見えてくるはずです。