2025年11月19日
営業マニュアルに必須の8項目とは?目次テンプレートも紹介!
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営業マニュアルは、営業活動を効率的かつ安定的に進めるために欠かせないツールです。
一方で、営業業務は担当者の経験やスキルに左右されやすく、正解が一つに定まらない領域でもあります。さらに、他部署との連携や顧客ごとに異なる対応が求められるため、マニュアル化が難しいと感じている方も多いでしょう。
そこで今回は、営業マニュアルを作成するメリット、盛り込むべき項目、活用しやすい目次のテンプレートについてご紹介します。

営業マニュアルを作成するメリット
1.教育にかかる時間の短縮・負担軽減
営業マニュアルには、営業の基礎知識から実践的なノウハウまでが体系的にまとめられています。新入社員や経験の浅い担当者にとっては、業務の指針となる資料です。
もちろん、マニュアルを渡すだけで十分とは言えませんが、すべてを口頭で説明したり、長時間つきっきりで指導したりする必要がなくなり、教育負担を大きく減らすことができます。
また、先輩社員もマニュアルに沿って指導できるため、「この業務について教えていなかった」といった抜け漏れを防ぐことができ、教える側の負担軽減にもつながります。
さらに、「困ったときはマニュアルを見れば解決できる」という環境が整うことで、新入社員も安心して業務に取り組めるようになるでしょう。
2.属人化の解消
営業は属人化しやすく、担当者の経験や能力によって成果の差が出やすい業務です。営業マニュアルで業務フローや行動指針、トークスクリプトなどを標準化することで、個人差を減らし、属人化を防ぐことができます。
また、顧客情報や過去の対応履歴などもマニュアルにまとめておけば、担当者が急に不在になった場合でもスムーズに対応でき、異動や退職時の引き継ぎにも役立ちます。
3.営業力の向上
ベテランや優秀な営業担当者のノウハウをマニュアル化して共有することで、新入社員の早期戦力化や、営業チーム全体のスキルアップが期待できます。
業務手順やルールが明文化されることでミスの防止にもつながり、サービス品質の向上も図ることができます。さらに、トラブル時の対処法やクレーム対応の事例も盛り込んでおけば、イレギュラーな事態が発生した際にも適切な対応ができるようになるでしょう。
4.業務の効率化
マニュアルによって業務内容や手順が明確になると、担当者ごとに異なっていたやり方を統一でき、無駄のない効率的な業務遂行が可能になります。
また、マニュアルを作る過程で業務を整理し、フローを可視化することによって、業務全体を見直すきっかけにもなります。その結果、不要な工程が見つかったり、改善すべきポイントが明確になったりと、業務の最適化にもつながります。

営業マニュアルに必要な項目と目次テンプレート
ここからは、営業マニュアルに盛り込むべき主要な項目を具体的にご紹介します。業界やマニュアル対象者によって内容は異なりますが、今回ご紹介する項目は汎用的に使える目次テンプレートとして参考にしてみてください。

1.導入・はじめに
マニュアルの冒頭では、作成の背景や目的、利用方法を明確に記載しましょう。これにより、読者がマニュアルの意図や使い方を理解しやすくなります。
また、営業マニュアルには顧客情報などの機密情報が含まれることが多いため、取り扱いルールや管理上の注意点もあわせて記載しておくとより安心です。
2.営業活動における方針・ビジョン
次に、営業活動の基本方針や考え方を示します。組織としての理念やビジョン、行動指針を明文化することで、営業チーム全体の方向性を統一することができます。
また、業務内容やノウハウだけでなく、営業の役割や責任についても触れることで、日々の営業活動の意義や目的をより深く理解してもらうことができます。
3.自社の商品・サービスに関する情報
営業活動では、自社の商材について深く理解しておくことが不可欠です。以下のような情報を整理しておくことで、顧客への説明や提案がスムーズになり、説得力も高まります。
- 商品・サービスの特徴
- 主なターゲットやペルソナ
- 導入事例
- よくある質問
- 競合他社との比較ポイント
- よく使う専門用語
これらの情報を一元化してまとめておくことで、営業ツールとしても活用しやすくなります。実際の営業シーンを想定し、使いやすいフォーマットで作成することが理想です。
4.営業に必要な基本知識・スキル
営業担当者に求められる基礎知識やスキルも、マニュアルにわかりやすく整理しておきます。社内独自のルールや文化がある場合は、それらも明記しておきましょう。
具体的な項目としては、以下が挙げられます。
- ビジネスマナー
- 電話対応・ビジネスメール
- プレゼンスキル・資料作成方法
- 基本的なマーケティング知識
- 関連する法律・規制
- 顧客業界の基礎知識
- 市場動向・トレンド
身だしなみや言葉遣いといった基本的なビジネスマナーから、市場動向やトレンドまで、幅広くカバーしておくことがおすすめです。これらの知識を身につけることで、顧客からの信頼獲得にもつながります。
なお、市場動向などの変化しやすい情報については、情報が古くならないよう注意が必要です。定期的な見直しとアップデートを心がけましょう。
5.営業活動の流れと業務内容
新規アプローチから商談、契約締結、アフターフォローまで、一連の営業プロセスとそれにともなう業務内容を明記します。
具体的には、以下のような項目が挙げられます。
- 新規顧客の開拓(リード獲得)
- リード育成
- 見積作成
- 商談
- 契約締結
- 契約後のフォローアップ
- 顧客維持(アップセル・クロスセル)
加えて、社内で必要となる事務作業やルーティンワークも整理し、業務全体の見通しが立ちやすいようにしておきましょう。成功事例や具体的な営業ノウハウも盛り込むと、より実践的なマニュアルになります。
6.顧客対応の方法・トークスクリプト
業務手順に沿って、顧客の特性やシーンに応じたアプローチ方法やトーク例をまとめましょう。
例えば、
- 新規問い合わせが来た場合の対応方法
- 関心度の高い顧客へのアプローチ方法
- 商談での話の進め方、ヒアリングのコツ
- よくある質問への回答例
といったトークスクリプトを用意することで、経験の浅い担当者も自信を持って対応でき、対応の質を均一化することができます。特に、成績のよい営業担当者のトークを共有することで、営業チーム全体のスキル向上も期待できるでしょう。
7.顧客情報の管理方法
顧客情報をどのように集約・管理するかは、事前にルール化しておく必要があります。管理が曖昧だと、見込客の取りこぼしや引き継ぎ時のトラブルが発生しやすくなります。
SFAやCRMなどの営業支援ツールを導入している場合は、入力ルールや操作手順もあわせて記載し、必要に応じて操作画面のキャプチャを交えて説明すると、より実用的です。
8.トラブル・クレームの対応方法
トラブルやクレームが発生した際の連絡フローや対応方法を明記します。
過去の事例と対処法をまとめておくことで、再発防止に役立つだけでなく、予期せぬ問題が起こった場合でも迅速かつ適切な対応が可能になります。
また、トラブルが発生した際には「原因・対応策・結果」を都度記録し、マニュアルへ反映させることで、社内のナレッジとして蓄積され、今後の対応力向上にも貢献します。
まとめ
今回は、営業マニュアルを作成するメリットと、営業マニュアルに記載すべき項目についてご紹介しました。
営業活動には、商品知識やトーク術など、多岐にわたる情報が求められるため、営業マニュアルに盛り込む内容は幅広く、作成のハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。
しかし、営業は属人化しやすい業務であるからこそ、マニュアル化による効果が非常に大きい分野です。まずは今回の目次例を参考に、必要な情報を洗い出し、情報を整理・構造化するところから始めてみてください。
▼営業マニュアルの作成方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
