2023年7月10日
SharePointとは?できることや活用方法を解説!

目次 ▼
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SharePointとは、WordやExcelなどを提供しているMicrosoft社による、企業向けのファイル共有サービスです。
SharePointでは組織内のメンバーとオンライン上で情報を共有したり、ドキュメントを共同編集したりすることができ、チーム全体での業務効率化やコミュニケーションの円滑化が期待できます。
SharePointには、自社内にサーバーを構築して利用するオンプレミス型の「SharePoint Server」と、クラウド上で利用する「SharePoint Online」の2種類があります。
「SharePoint Server」は自社サーバーを利用するのでセキュリティが高く、「 SharePoint Online」はクラウド上で利用するのでアクセスしやすくメンテナンスやアップデートが容易という特長があります。
SharePoint Onlineは単体で契約することもできますが、Microsoft365内のサービスの一つとして提供されているため、Microsoft365を契約することでWord、Excel、PowerPointなどと合わせてSharePoint Onlineも利用できるようになります。
▼Microsoft公式サイト
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/sharepoint/collaboration
OneDriveとの違い
同じくMicrosoft社が提供しているファイル共有サービスにOneDriveがあります。
SharePointもOneDriveもオンライン上でファイルの保存・共有ができる点は同じではありますが、SharePointはファイルを共有するためのポータルサイトを作ることができるのがOneDriveとの大きな違いです。
ポータルサイトについてはこの後詳しくご紹介しますが、ポータルサイトを作成することでより大人数での共有やファイルの管理がしやすくなります。部署やチームなど組織としてファイルの共有を行う場合はSharePoint、個人でファイルを保存する場合はOneDriveがおすすめです。
ポータルサイトを作成できる
先述のとおり、OneDriveなどの一般的なオンラインストレージサービスとの最も大きな違いでもありますが、SharePointの代表的な機能の一つはポータルサイトの作成です。用意されたテンプレートやフォーマットを使って、誰でも簡単にポータルサイトを作成することができます。
ポータルサイト上では情報共有やファイル管理、掲示板を使った情報発信やコミュニケーションなどができます。チームやプロジェクトごとにポータルサイトを作成できるため、チーム外に情報が漏れてしまったり不要な情報が混じってしまうことを防ぎ、特定のメンバー間だけで情報を管理したいときにも安心して利用することができます。
SharePointで作成できるサイトには「チームサイト」と「コミュニケーションサイト」があり、「チームサイト」は主にチーム内での情報共有に、「コミュニケーションサイト」は狭い範囲に限定しない幅広い情報発信に活用することができます。
ファイルの管理・共同編集
SharePointを使えばドキュメントや画像などのファイル管理を簡単に行うことができます。
共有したファイルを複数メンバー間で共同編集することも可能で、バージョン管理もできるため誤ってファイルを上書きしてしまったり削除してしまった場合も元のバージョンに戻すことができます。バージョン管理によって最新版のファイルも一目でわかるようになり、ファイルの整理や管理という点でも非常に便利と言えます。
ワークフローの構築・タスク管理
業務を進める中で必要なワークフローを構築し、自動化することも可能です。
SharePoint上で業務フローと各担当者を設定しておくと、例えば作成した書類の承認やフィードバックが必要な場合、書類完成後に自動で該当する担当者に通知が届き、承認後は自動で次のステップに進む…というように業務フローを自動化することができます。
期限の設定やタスクの割り当てもできるため、業務ごとの進捗状況やタスクの遅れなどもSharePoint上で確認でき、ミスや見落としの防止にもつながります。
ファイルの検索
SharePointにはファイルの検索機能も搭載されています。
ファイル名だけでなく、ファイル内の情報も検索できるため、ファイルを一つひとつ開かなくても必要な情報をすぐに見つけることができます。
簡単に社内ポータルを作ることができる
ここまでご紹介したように、SharePointを使ってポータルサイトを作成することができます。
通常、ポータルサイトを作成する場合にはHTMLやCSSといったWeb制作に関する知識が必要だったり外部の制作会社に依頼する必要がありますが、SharePointではポータルサイトのテンプレートが用意されているので専門知識がなくても簡単に社内ポータルの構築が可能です。また、SharePointの利用料のみでよいため、通常のサイト制作と比べてコストがかからないのもメリットと言えます。
ポータルサイトを使えばメンバーとより簡単に情報共有ができるので、SharePointでぜひ活用したい機能の一つです。
マルチデバイスで閲覧できる
インターネットに接続されている環境であれば、いつでもどこでもSharePointにアクセスすることが可能です。
アプリをインストールすればPCだけでなくスマートフォンやタブレットからもSharePointを利用でき、外出先やテレワーク・リモートワークであっても場所を選ばず使うことができます。
Microsoftのツールと連携しやすい
WordやExcel、PowerPointなどのOffice製品と連携しやすいのも、Microsoftが提供しているSharePointならではのメリットです。
設定を変更したり、他のツールを使ったりすることなく、WordやExcelなどのファイルをSharePoint上でスムーズに管理・編集できます。
また、ビジネスチャットツールであるTeamsと連携して社内のコミュニケーションや情報共有を集約したり、メールツールのOutlookと連携してスケジュール共有を行ったり、SNSツールであるYammerと連携して社内広報として活用するなど、他のMicrosoftツールと連携することによって用途や活用の幅も広がります。
社外のユーザーともつながることができる
SharePointは基本的には社内向けの情報共有ツールとして使われていますが、招待機能を使えば社外の人とも情報共有が可能です。
社内の管理者がユーザーごとのアクセス権を設定できるので、情報漏洩などのセキュリティ対策も行うことができます。
デザインが物足りなく感じることも
SharePointのメリットとしてテンプレートを使って簡単にポータルサイトを作成できることを挙げました。テンプレートの利用はメリットである一方、デザイン性や自由度の高いポータルサイトを作成したい場合には少し物足りなく感じてしまうかもしれません。
しかし、テンプレートの種類が豊富でカスタマイズも可能なため、一般的なポータルサイトの作成という点では十分だと言えるでしょう。
匿名性がない
SharePointにはコメント欄やいいねボタンなどの機能がありますが、これらはすべてユーザー名が表示され、コメントした人やいいねを押した人がわかるようになっています。
匿名で意見を集めたいときや、自分の名前が表示されることに抵抗を感じる人にとってはデメリットになってしまうかもしれません。
社内報
社内報の制作や回覧にSharePointを活用している企業も多いです。
例えば、編集担当者と外部の制作会社がファイルを共有し、
共同編集を行う → SharePoint上で校正や修正のやりとりを行う →
上長からの承認を得て公開する → 社員に向けて公開 → 社員が社内報を閲覧・コメント
といったように社内報の編集から承認、公開までのすべてのフローをSharePoint上で完結させることができます。
外部の制作会社に依頼している場合もSharePoint上で共同編集や校正ができるので、より効率的に制作を進めることができるでしょう。

社内マニュアル
SharePointは、社内マニュアルの作成やナレッジの共有としても活用できます。
社内マニュアルの制作、関連部署への確認、承認など、マニュアル作成に必要な一連の業務をSharePointで行えることに加え、書類のフォーマットや過去のデータなどの業務に必要なファイルをSharePointで一元管理できるため、情報をSharePointに集約することができます。
「わからないことはSharePointを参照すればわかる」という状態を作ることができるため、新入社員や経験の浅い社員も安心して業務を進めることができるでしょう。
また、SharePointの検索機能を使えば、膨大なファイルの中からでも知りたい情報をすぐに探し出すことができ、検索性が高くより使いやすいマニュアルになると言えます。

まとめ
今回はSharePointの基本的な機能や活用方法についてご紹介しました。
SharePointは社内報と親和性が高く、社内報の共有手段として活用されるケースも増えてきています。紙やPDFなどで配布することと比べるとリアルタイムで情報が更新されるため、社員に情報が行き渡りやすく、読んでもらいやすくなると言えます。
しかし、社内報をより多くの人に読んでもらうためにはやはりコンテンツが最も重要です。SharePointを使って業務が効率化された分、コンテンツ制作や企画に時間をかけ、より充実した社内報を目指しましょう。
