2021年6月16日

フルカラーとモノクロのいいとこ取り!?「特色」を使いこなそう

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

印刷物を作成する際に考えなければならないのが刷色です。

フルカラーで印刷するか、モノクロで印刷するか…デザインやコストとのバランスを考えると悩ましいですよね。

今回はそんなときにオススメな「特色」についてご紹介します。

コストと見映えのバランス

印刷物において、モノクロ印刷かフルカラー印刷かは、コスト的にも大きく変わってきます。部数が多い時は、なおさらです。

「写真が多くフルカラーにしたいがコストがかかる…」「図が多少ある程度でフルカラーまでは必要ないがモノクロじゃ物足りない…」そんな場合は「2色刷り」という手法がオススメです。

モノクロほど殺風景でなくなり、ちょっとしたデザインや見出しなどに色を使うことでグッと見映えが良くなり、コスト的にもフルカラー印刷ほど膨れ上がりません。

特色を使ってみよう

通常、フルカラー印刷というのはプロセスインキであるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)で構成されています。

それに対し、「特色」というは、このCMYKの掛け合わせでは表現できない、特別に調合された単色のことを指します。

例えば、蛍光色や金や銀などが、その代表格です。企業や団体の名称や、看板商品のロゴなどに指定されていることが多いです。

一般的にはブラック(あるいは紺など濃い特色)と、もうひとつの特色との2色使いが多いですが、用紙が白い紙ですと、使い方次第では白も含めた3色使いのように工夫することもできます。

特色の注意点

そんな特色にも、唯一注意点があります。

それは、どんな掛け合わせでも表現できないという特性のため、本当の仕上がりは印刷してみないとわからないということです。

PC上のモニタはもちろん、プリンターから出力したものも、全て擬似的に表現した色ですので、校正の際には注意が必要です。

通常は、特色チップという刷色見本を添付して、校正したり印刷現場に手配したりします。ここでは数ある特色メーカーの中から、DICグラフィックス株式会社が提供するDICカラーを例に挙げて説明します。

画像引用元:https://www.dic-graphics.co.jp/products/cguide/popup/color_guide.html

各国の「伝統色」とは?

さらには、日本の伝統色、フランスの伝統色、中国の伝統色というのが各々300色ほどあります。少し例を挙げてみましょう。

日本の伝統色 … 瑠璃色 臙脂色 山吹色 など
フランスの伝統色 … シャンパーニュ インディゴ シクラメン など
中国の伝統色 … 深竹月 玉緑 紫水晶 など(この他、変換できないような漢字の色がいっぱいあります)

画像引用元:https://www.dic-graphics.co.jp/products/cguide/index.html

これらを合計すれば2000色を遥かに超える数になります。印刷会社には、このDICチップをはじめ大抵の特色見本が常備されているはずですが、普通の会社さんや団体さんはまず持っていませんよね。印刷会社に借りるのも手間と感じる方もいらっしゃるでしょう。

そんな時に、便利なツールがあるのでご紹介いたします。

特色のデジタルツール

【 DICデジタルカラーガイド 】(無料)
https://www.dic-graphics.co.jp/products/dcguide/index.html

「DICカラーガイド」のデジタル版として、スマートフォンやタブレット端末、Mac PCで利用可能な無料アプリケーションソフトです。

・iPhone(iPod Touch)版
・iPad版
・Mac版

DICグラフィックス株式会社が公式に無料配布しているアプリで、手軽に特色のイメージが確認できます。

画像引用元:https://itunes.apple.com/jp/app/

デジタルツールという特性を活かし、CMYKの近似値がわかったり、伝統色の名前の由来なども閲覧できますので、見ているだけで飽きません。さらには、カメラで撮影したものの色を測ることなんかも出来たりします。

まとめ

今回は特色についてご紹介しました。

コストは削減したいけどなるべくクオリティは落としたくない、という際は特色を検討してみてもいいかもしれないですね。

対応の可否やコストなどは印刷会社によって異なるので、まずは問い合わせてみましょう!

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