2016年3月28日
「入社したい」と思わせる採用パンフレットの特徴と会社案内との違い
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採用パンフレットはなぜ必要なのか?通常の会社案内との違いは?
学生時代に就職活動した人なら、誰もが採用パンフレットや会社案内を受け取ったことがあると思います。
会社案内は、採用・求人ツールとしても使用されます。
営業用の会社案内をそのまま会社説明会で配布する場合もありますが、殆どが採用向けで別に制作されています。
会社説明会では、通常の営業活動に使用する会社案内をそのまま配る企業もあれば、新たに採用向けのパンフレットを作る企業もあります。
採用パンフレットは、通常の会社案内と違いどのような特徴があるのでしょうか。
今回は、採用パンフレットの目的と、学生が「こんな会社なら入社したい!」と思えるような採用パンフレットの特徴とコンテンツについてご紹介したいと思います。
採用パンフレットの目的とは
学生にとって魅力的な会社として見せるには、どのようなコンテンツを制作しなければいけないのでしょうか?
前提として、採用パンフレットの目的について説明します。
まず新卒採用向けの会社案内には大きく分けて以下3つの目的があります。
1.事業内容を理解してもらう
特にBtoB企業の場合は、学生にとっては馴染みのない事業が多く、どんな企業なのかイメージを掴めない人も多いです。
また通常の会社案内はクライアント向けに作られているため専門用語も多く、学生にとっては難解な内容も多いはずです。
「どんな事をしているのか」「自分たちの生活にどうかかわっているのか」などを、わかりやすく説明することで、学生たちの興味を惹きつけます。
2.会社に親しみを持ってもらう
例えば会計事務所や法律事務所など、お硬いイメージのある企業は、そのイメージから、学生に敬遠される場合もあります。
そんなイメージを覆し、親しみを持ってもらうのも会社案内の大きな役割です。
3.入社後の不安を払拭する
「残業は多いの?」「女子でも昇進はある?」など、先輩社員の声を紹介したり、Q&Aを取り入れて、入社後の不安を払拭するのも会社案内の役割の1つです。
新卒採用向けならではの基本コンテンツとは
では採用パンフレットの基本コンテンツとはどのようなものでしょうか?
採用パンフレットの基本コンテンツ1.わかりやすい事業説明
事業やサービスを説明するのは、会社案内の基本ですが、新卒採用向けの場合は、図やイラストを多用し、平易な言葉で説明しています。
例えば、社員の写真とともに、普段お客様に説明するような形で説明したり、漫画を用いたりするのも、通常の会社案内ではあまり見られない表現です。
採用パンフレットの基本コンテンツ2.福利厚生
福利厚生の説明は、営業用の会社案内にはない、新卒採用向け独自のコンテンツです。
独自の休暇制度や社員食堂やリフレッシュルーム、保養所のような定番の施設案内もあれば、綺麗なパウダールームや託児所の紹介など女性に特化した内容をアピールする場合も多く見られます。
採用パンフレットのコンテンツ3.先輩社員の声
新卒採用向け会社案内の定番といえば、社員の座談会やインタビューです。
職種別や入社年別に紹介し、入社後のキャリアパスが描きやすいような内容になっています。
また、先輩社員の声を紹介するもう1つの目的は、上司や同僚との関係性、職場の雰囲気などを紹介し「働きやすさ」にフォーカスすることで、働きやすい会社であることをアピールすることです。
私たちが関わった少し変わったコンテンツをご紹介すると、社員のコーディネートを紹介している企業もあります。
オンオフのコーディネートを紹介することで「オフィスカジュアルと言われてもどんな服装なのか想像がつかない」という学生の不安を解消することができます。
また、社員の一日のスケジュールを紹介する場合もあります。業務の詳細がわかりやすくなるのはもちろん、時間外労働の有無が気になる学生へのアピールにもなります。
育児中の女性社員のスケジュールであれば、女性の働きやすさをアピールすることができます。
このように、先輩社員の声は、「この会社で働いている自分をイメージするためのコンテンツ」ですので、採用向けには必須と言えます。
採用パンフレットのコンテンツ4.採用方針
どういう人材を求めているのか、採用方針を打ち出すのも、採用向けならではのコンテンツです。
「人物重視です!」「書類選考しません」のような選考方法に関するものから、「自らが考え行動できる人」「向上心のある人」といった求める人物像を提示するものまで様々ですが、採用方針は、会社の「色」を大きく打ち出せるコンテンツです。
また、採用後の人材育成の方針を示すことで、人材を大切にする会社という印象を与える場合もあります。
エントリーをどれだけ増やせるのかも、この採用方針にかかっていると言えるかもしれません。
「入社したい」と思わせる採用パンフレットの特徴とは?他社との差別化とわかりやすさが鍵
では、学生に「入社したい!」と思わせるには、何を気をつけるべきなのでしょうか?
「入社したい」採用パンフレットの特徴1.言葉の使い方が平易で、文字は少なめ
採用パンフレットは基本的に、読みやすさとわかりやすさに重点を置いて制作しています。
学生に親しみを持ってもらい、興味を持ってもらうためには、難しい言葉使いはNGです。できるだけやさしい言葉を使い、文字数を少なめに設定します。
「入社したい」採用パンフレットの特徴2.わかりにくい事業説明は、イラストや漫画で説明
社会人経験のない学生にとって、BtoCであれば想像しやすい事業内容も、普段接する機会のないBtoBは想像が難しいものです。
会社案内の目的は、学生に興味を持ってもらうことや親しみを持ってもらうことです。
イラストや写真、時には漫画などを使い、事業内容やサービス内容を理解してもらえるような工夫が必要です。
「入社したい」採用パンフレットの特徴3.普通の会社案内と比べてカジュアル
先述したとおり、採用パンフレットには、会社に対して親しみを持ってもってもらうという目的もあります。
そのため通常の会社案内と比べると、カジュアルな傾向があります。(中にはカジュアルな内容と真面目な内容との2種類を作る場合もあります。)
特にお堅いイメージのある業種や職種は「イメージを変えたい」という意図もあり、ファッション雑誌やライフスタイル誌のような装丁にしたり、インパクトを重視して広告のような斬新なデザインを採用する場合があります。
「入社したい」と思わせる採用パンフレットの特徴と会社案内との違い まとめ
新卒向けの採用パンフレットは、学生に興味を持ってもらうことが最終目的ですが、それだけでなく入社後の自分がその会社で仕事をし、活躍しているイメージを持ってもらうことが重要です。
日本においては、いまだ新卒ブランドが根強く、就職は最大のライフイベントの一つです。
社会経験のない学生にとっては想像もつかない仕事も多く、会社名で選ぶ人もれば、イメージで選ぶ人もたくさんいます。
しかし、今は就職のミスマッチが増え、入社後3年以内に辞めてしまう人も少なくありません。
採用パンフレットは、そんなミスマッチをなくすためのツールでもあります。学生の立場で言えば、できれば挫折や失敗はしたくないでしょう。社風や業種、職種など人それぞれ向き不向きもありますから、慎重に判断したいものです。
耳障りの良い言葉を並べるのも良いですが、実際の雰囲気や業務と乖離していてはお互い不幸になります。
この会社に入ったらこんなことをしてみたい、と学生が希望を持って、具体的にイメージできるよう、誠実にコンテンツを作るのが一番です。