2025年6月9日

初めてでも安心!インタビューの進め方と失敗しない6つのポイント

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

広報誌や社内報、Webメディアなど、さまざまな媒体で活用されているインタビュー記事。インタビューは「準備が8割」と言われるほど、事前準備が大切とされています。

しかし、せっかく念入りに準備をしても、当日の進行次第では、「聞きたいことをうまく引き出せなかった」「話が盛り上がらなかった」といったことが起こってしまうケースも少なくありません。

相手の本音や魅力を最大限に引き出し、読者にとって価値ある情報を届けるためには、ただ質問を並べるだけでは不十分です。限られた時間の中で、相手がリラックスして話せる雰囲気を作り、自然と本音が出るような流れを意識することが重要です。

とはいえ、その場で柔軟に対応しながら、雰囲気作りや話の流れをコントロールするのはなかなか難しいものです。「当日どう進めればいいのかわからない」「スムーズに話を引き出せるか不安」という方も多いのではないでしょうか?

この記事では、インタビュー当日の基本的な流れと、インタビュー時に意識したい6つのポイントをご紹介します。

▼インタビュー当日までにやっておきたい事前準備については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

インタビュー当日の流れ

1.会場の準備

インタビュアー側が会場を用意する場合、まずは会場のセッティングを行います。椅子やテーブルの配置を整えるほか、取材対象者が複数人いる場合は座る位置にも気を配りましょう。

また、照明や空調、周囲の音にも注意が必要です。資料や機材、飲み物なども事前に用意しておくとスムーズでしょう。

▼インタビューの種類・形式については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

2.機材のチェック

録音機器やカメラ、PCなどの機材は、取材当日も改めて動作確認を行いましょう。

録音は、万が一のトラブルに備えてICレコーダーとスマートフォンなど、複数台で行うのがおすすめです。予備のバッテリーやメモリーカードの準備、設定の最終確認も忘れずに行いましょう。

3.挨拶・自己紹介

取材対象者が到着したら、まずは挨拶、名刺交換、自己紹介をします。録音や撮影についても、このタイミングで改めて許可を取っておくと安心です。

丁寧な印象を与えることで、その後のインタビューも円滑に進みやすくなります。

4.アイスブレイク

本題に入る前に、まずは世間話や共通の話題で緊張をほぐす時間を取りましょう。空気が硬いままだと、相手も話しづらくなってしまいます。天気やニュースの話題、業界のトピックスなど、相手が話しやすい話題を選ぶのがポイントです。

なお、アイスブレイクでは、無理に盛り上げようとせず、相手の表情や反応を見ながら自然に会話を進めていきましょう。

5.企画の説明

場が和んできたら、インタビューの目的やテーマ、全体の流れについて説明します。可能であれば、掲載予定の媒体や見本誌を見せながら企画の概要を伝えると、相手も話のイメージを持ちやすくなります。

事前に共有している内容であっても、当日に再確認する時間を設けることで、安心感につながります。取材対象者がインタビューに慣れていない場合は特に、丁寧に説明することが大切です。

6.インタビューの実施

企画について説明したら、用意した質問に沿ってインタビューを進めていきます。インタビューの際は、相手の話をよく聞きながら柔軟に深掘りしていく姿勢が大切です。

会話のキャッチボールを意識し、相手の言葉を受け止めながら、自然なやりとりを心がけましょう。

7.写真撮影

記事に写真を掲載する場合は、インタビューの前後に撮影を行います。インタビュー中の様子を撮影する場合もあります。

その際、自然な表情を引き出せるよう、和やかな雰囲気を保つことが大切です。写真は多めに撮影しておくと、後から選定しやすくなります。

8.お礼と今後の流れの共有

インタビュー終了後は、感謝の気持ちを伝え、原稿確認の有無や掲載予定日など今後の流れを説明します。原稿のチェックを依頼する場合は、おおまかなスケジュールを伝えておくと相手も安心できます。

最後まで丁寧な姿勢を心がけることで、信頼関係の構築にもつながるでしょう。

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インタビュー時に意識したい6つのポイント

1.相手が話しやすい雰囲気を作る

初対面や取材に慣れていない場合では、相手が緊張していることも多いため、リラックスできる雰囲気を作ることが大切です。うなずきや笑顔、相づちを意識し、リアクションもやや大きめにとりながら、驚きや共感などの感情を伝えましょう。

相手の不安や緊張を取り除き、話しやすい雰囲気を作ることで、より深みのある内容が引き出せるようになります。

また、「~ということですね」のように相手の話を言い換えて返すことで、理解が伝わり、会話がスムーズに進みやすくなります。

2.メモに集中しすぎない

大事な内容を聞き逃さないようメモを取ることは大切ですが、メモに集中しすぎると、相手とのアイコンタクトやリアクションが減ってしまいます。

録音している場合は、インタビュー内容をすべて記録する必要はなく、気になるキーワードや深掘りしたいポイントなど、要点を絞ってメモするようにしましょう。

また、質問票やPC画面も軽く見る程度に留め、相手と目を合わせてコミュニケーションを取ることを意識しましょう。質問票や画面ばかり見ていると、相手に事務的な印象を与えてしまうこともあります。あくまでインタビューは「相手との対話」であることを忘れずに進行することが重要です。

3.インタビューの目的を忘れない

会話が盛り上がるのは良いことですが、本来の目的や聞くべき内容が聞けずに終わってしまっては意味がありません。インタビュー中は、つい話の盛り上がりに意識がいってしまいますが、読者に伝えたい内容や、記事の趣旨を常に頭に置きながら進行することが大切です。

話が大幅に脱線しそうな場合は、タイミングを見計らいながら、本題へと戻すように促しましょう。

4.臨機応変に対応する

あらかじめ質問を用意していても、相手の話が予想外の方向に展開することは少なくありません。その場合は、無理に質問の内容や順番にこだわりすぎず、流れに合わせて柔軟に対応しましょう。

深掘りする際は、「いつ」「どこで」「だれが」「何を」「なぜ」「どのように」といった5W1Hを意識すると、より詳細な内容を引き出すことができます。

事前に質問項目を「必ず聞きたい質問」と「できれば聞きたい質問」に分類しておくと、流れに応じて質問の取捨選択がしやすくなります。

質問を考える際は、「必ず聞きたい質問」と「できれば聞きたい質問」に分けて内容を整理し、優先順位をつけておくとスムーズです。質問は多めに準備しておくことで、当日の会話の流れに応じて柔軟に対応できます。

「どんな情報を読者に届けたいのか」「読者にとって価値ある内容とは何か」といった読者視点を意識しながら、質問を組み立てていきましょう。

引用:成功の鍵!インタビューに必要な6つの事前準備とは?―神楽坂編集室

5.時間をコントロールする

インタビューでは、聞きたいテーマを2~3個用意しておくことが多いですが、1個のテーマに時間をかけすぎてしまい、気づけば半分以上の時間が経過していた…ということも珍しくありません。

限られた時間の中で、聞きたい内容をバランスよく引き出すには、あらかじめテーマごとの時間配分をある程度決めておくことが重要です。

話が盛り上がるあまり予定時間をオーバーしてしまわないよう、常に時間配分と終了時間を意識しながら、上手に時間をコントロールしましょう。

6.事前リサーチを会話に活かす

取材前に行ったリサーチ内容は、インタビュー中にも積極的に活用しましょう。「以前、〇〇でお話しされていましたが…」などと触れることで、相手に関心を持っていることが伝わり、信頼関係の構築にもつながります。

一方で、すでに他の媒体で話している内容や、調べればすぐにわかる情報をそのまま質問してしまうと、時間の無駄になるだけでなく、相手の印象を損ねることもあるので注意が必要です。

まとめ

今回は、インタビュー当日の流れと、意識したい6つのポイントをご紹介しました。

インタビューを成功させるには、質問内容だけでなく、雰囲気作りや相手への配慮も欠かせません。丁寧な対応を心がけながら、取材対象者との信頼関係を築き、その人の魅力を最大限に引き出すインタビューを目指しましょう。

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