2016年5月27日
他の印刷物との違いは?漫画パンフレット制作の流れと注意点

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漫画パンフレットと普通のパンフレットとの制作工程の違い
ここ数年、パンフレットやチラシに漫画を使う企業が増えています。
最近では、漫画誌やコミックス(単行本)といった漫画専門分野だけでなく、マニュアルや各種テキスト、パンフレットやチラシなどの販促物でも漫画を見かけます。
参考:
教育、啓蒙、販促…漫画と相性の良いコンテンツとその効果とは
漫画は、通常のパンフレットと制作工程が違うため、注意しなければいけないポイントがいくつかあります。
テキストだけの修正とは違い、漫画の修正には大幅な手間とコストが必要になる場合もあります。当然納期にも影響が出ます。
そこで今回は、どの工程で修正が可能なのかを知るためにも、当社の漫画家伝説を例にして、漫画制作の流れをご紹介したいと思います。
漫画パンフレット制作の流れ1.ヒアリング
まずはお客様(クライアント)へヒアリングを行い、漫画家の選定やテイスト、テーマ、ページ数などを決めます。
漫画家やテイストは、目的に応じて選定します。
例えば、真面目なトーンで行きたいなら劇画タッチ、アメコミ風でカジュアルに、若年層向けなら少年漫画風、女性向けなら少女漫画風…などテイストによってターゲットが受ける印象は変わります。
テーマについては、「啓蒙活動用のパンフレットを作成したい」「商品説明を漫画にして、消費者の理解を深めたい」などの目的から、何を漫画化して、それによって何をしたいのかを詰めていきます。
また、予算・納期の希望もその際に確認します。
ヒアリングで漫画の方向性が決定したら、漫画化に必要な資料・素材をお客様からお借りします。
例えば商品紹介なら、商品そのものや既存の商品販促パンフレット、取扱説明書などです。
漫画パンフレット制作の流れ2.シナリオ制作
次はシナリオの制作です。
ヒアリングの内容を元に、キャラクターづくりや話の展開、結末(オチ)など、お客様が漫画で訴求したいことを掛け合わせたシナリオを提案します。
こちらはテキストで行う場合もあれば、いきなりネームを始める場合もあり、お客様の要望や納期などによって柔軟に変えています。
ネームとは、漫画を描く際、コマ割り、コマごとの構図、セリフ、キャラクターの配置などを大まかに表したもの。単に「コマ割」「ラフ・ネーム」、「ラフ」、「絵コンテ」などと呼ばれる場合もある。狭義においては、キャラの台詞を指して言う場合もある。
お客様との打ち合わせで、シナリオが口頭で概ね合意が取れた場合などは、そのままネームに進むこともあります。
漫画パンフレット制作の流れ3.ネーム制作
シナリオが確定したら、次はネーム制作です。
テキストだったシナリオが、実際にどんな漫画誌面になるのかというイメージの他、コマ割り・構図・大まかなセリフ回しをここで確認します。
セリフは最終的にはテキストデータとして配置するので、後の行程でも修正は可能です。
しかし、イメージやコマ割り、構図の修正が可能なのはここまでです。
漫画パンフレット制作の流れ4.下書き
次は下書きです。
ネームを元にキャラクターや背景を書き込んでいきます。
この時点で、イメージやコマ割り、構図の修正は不可と思ってください。
下書き段階でコマ割りの修正が入ると書き直しに工数がかかり、追加費用や納期に影響します。
できれば前段階(ネーム制作)でコマ割り・構図は確定していることが望ましいです。
漫画パンフレット制作の流れ5.ペン入れ
下書きが終わったら、ペン入れと着色+セリフ入れが行われます。
ペン入れとは、鉛筆などで描かれた下書きの描線を、インクや墨汁などでなぞって引き直すことです。
これが仕上げ作業です。セリフ(テキストデータ)もこの時点で確定させます。
他の印刷物との違いは?漫画パンフレット制作の流れと注意点 まとめ
漫画パンフレットは、通常のパンフレット制作より手間もお金もかかりますが、その分「手にとってもらえる」「わかりやすくなる」というメリットがあります。
今回ご紹介したのは漫画の制作部分のみですが、その後はパンフレット全体の構成やレイアウトに沿ってパンフレット化させます。
パンフレット全編が漫画というパターンもあれば、挿絵形式、一部のページのみがパンフレットとして使われているパターンもあります。
パンフレット制作の流れについては、以前もご紹介しています。
参考:
予算や納期はいつ決める?知っておきたい会社案内制作の基本工程
もしあなたの会社で漫画パンフレットの導入が決定したら、制作工程の流れを意識してみると、トラブルもなくスムーズに進められるはずです。
ぜひ、参考にしてみてください。