2023年6月19日
グラフの種類と使い分け一覧!グラフ作成時の5つのポイントとは
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数値やデータを可視化するためにグラフを使用することも多いかと思いますが、棒グラフや円グラフ、折れ線グラフ、帯グラフなど、さまざまな種類があってどのグラフを使えばよいかわからない…というケースも多いのではないでしょうか。
グラフはデータを直観的に伝えることができるツールですが、目的や内容に適してないグラフを使うとかえって見にくく、何を伝えたいのかわからなくなってしまいます。
そこで今回はExcelで作成できる代表的なグラフを中心に、グラフの種類と特性、使い分けについてご紹介いたします。
代表的なグラフの種類
棒グラフ
棒グラフは、棒の高さによって数量の大小を比較したいときに使われるグラフです。同じ観点からデータの大小を比較するのに適しています。
棒グラフには縦型と横型がありますが、比較したい項目名が長いときには横型を使うと読みやすくなります。
円グラフ
円グラフは、全体を100%として、それぞれの要素が占める割合や内訳を表すのに使われるグラフです。「はい/いいえ」「男性/女性」「パン派/ごはん派/麺派」など、少ない項目において比率を表現するのに適しています。
比較する項目の数が多い場合はグラフが細かくなり割合がわかりにくくなるため、後述する「積み上げ棒グラフ」を利用したり、割合が少ないものはまとめて「その他」とするなどの工夫が必要です。
円グラフの中央を空洞にした、ドーナツ型の円グラフもよく使われています。
折れ線グラフ
折れ線グラフは、時系列に沿った数量の変化を表すときに使われるグラフです。線の傾きによって増減を表すことができ、傾きが大きければ大きいほどデータの増減も大きいということになります。
グラフの横軸は「年」や「月」など時間となるケースが多く、月ごとの気温の変化や年間売上の推移など、時間によるデータの増減や変化を表現するのに適しています。
帯グラフ
帯グラフは、割合や内訳の変化を表すのに適したグラフです。
Excelには「積み上げ棒グラフ」と「100%積み上げ棒グラフ」があり、名称に「棒グラフ」とついていますがこれらも帯グラフに分類されます。「積み上げ棒グラフ」は各項目の合計とその内訳を表したもので、「100%積み上げ棒グラフ」は帯全体を100%としたときの割合を表しています。 こちらも縦型と横型があります。
割合や内訳を表すという点では円グラフと同様ですが、割合の変化を見たいときには帯グラフのほうが適しています。
ヒストグラム
ヒストグラムは、棒グラフの一種で、データの分布や散らばり具合を表すときに使われます。横軸に階級(点数や年齢など)、縦軸にはそこに含まれるデータの数を入れ、どの階級が一番多いのかという分布を見ることができます。
統計データを表示する際に使われることが多く、点数の分布や偏差値、年齢別の集計結果などを表現するのに適しています。
箱ひげ図
箱ひげ図は、ヒストグラム同様にデータの分布やばらつきを表す際に使われるグラフです。その名の通り、箱の上下にひげが生えている形をしています。
箱ひげ図はデータを四等分して「最小値~データの25%の値」「25%の値~50%の値」「50%の値~75%の値」「75%の値~最大値」を表しているため、ヒストグラムよりも最小値や中央値などがわかりやすいのが特長です。複数のデータ間の分布の違いを比較するのにも適しています。
レーダーチャート
レーダーチャートは、一つの対象に対して複数の項目からバランスや特性を表現する際に使われるグラフです。異なる観点から点数をつけたり評価をすることができるため、商品の特徴や食品の栄養素、個人の成績などなどを表す際に適しています。
また、レーダーチャートを重ねることによって各データのバランスや傾向を比較することができます。
散布図
散布図は、二つのデータの相関関係を表すときに使われるグラフです。例えば、縦軸に身長、横軸に体重を設定し、身長が高い人は体重が多いのかどうかといった関係性を点の配置によって見ることができます。
相関関係がない場合は点の位置がばらばらになりますが、相関関係がある場合には右肩上がりや右肩下がりなど、点の位置が線のようにまとまります。右肩上がりの場合は「正の相関」、右肩下がりの場合は「負の相関」と言います。
バブルチャート
バブルチャートは、散布図にもう一つのデータを加えて三つのデータを分析する際に使われるグラフです。散布図では縦軸と横軸の関係性を点の配置で表しますが、バブルチャートでは配置に加えて点の大きさによってデータを表現します。
さまざまなサイズの点が泡(バブル)にように見えることからバブルチャートと呼ばれていますが、データの項目数が多すぎるとバブルの数も多くなり、重なって見えにくくなってしまうので注意が必要です。
バブルチャートはマーケティングにおけるPPM分析でよく用いられており、縦軸で市場成長率、横軸で市場シェア、バブルの大きさで売上を表すケースが多いです。
各グラフの特徴・使い分け・活用例の一覧
ここまでグラフの種類と特徴についてご紹介しました。グラフにはそれぞれ表現するのに適しているデータがあります。活用例とあわせて表にまとめてご紹介いたします。
グラフの種類 | 特徴・適しているデータ | 活用例 |
棒グラフ | データの大小を比較 | 売上の比較、アンケート項目別の結果 |
円グラフ | データの割合・内訳・構成比 | 売上の内訳、アンケート回答の内訳、予算の構成比 |
折れ線グラフ | データの推移 | 売上の推移、人口の変化、顧客数の増減 |
帯グラフ | データの割合・内訳・構成比、 とその推移 | 売上の内訳の推移、市場シェアの変化 |
ヒストグラム | データの分布 | 顧客の年齢層の分布、売上額の分布 |
箱ひげ図 | データの分布と比較、 最大値・最小値・中央値 | 製品ごとの売上分布の比較、欠陥品の異常検知 |
レーダーチャート | 複数の観点からデータを評価 | 製品の強みと弱み、社員の評価、他社サービスとの比較 |
散布図 | 二つのデータの相関関係 | 顧客満足度とリピート率の相関関係、目標と実績の相関関係 |
バブルチャート | 三つのデータの相関関係 | 市場成長率・市場シェア・売上の相関関係 |
グラフ作成時の5つのポイント
1.何を表したいのか目的によってグラフを使い分ける
ここまで、さまざまなグラフの種類をご紹介しましたが、集めたデータの特徴や見せ方に適していないグラフを使用すると、何を伝えたいのかかえってわかりにくくなってしまいます。
先述したグラフの特徴をもとに、「グラフを使って何を見せたいのか」「どのような数値を強調したいのか」を念頭においてグラフを使い分けるようにしましょう。「対象となるデータが一つなのか複数なのか」「データの変化を表現したいかどうか」の観点で使い分けをするとよいです。
2.データの大きさに合わせて目盛りの間隔を調整する
Excelなどでグラフを作成する際、データの大きさによって目盛りの間隔や、軸の最大値・最小値が自動で設定されます。目盛りの間隔が広すぎたり狭すぎたりすると、データの推移が正しく読み取れなかったり、グラフ内の情報が煩雑になってしまうため、目盛りの間隔を調整する必要があります。
Excelの場合は「軸の書式設定」から最大値・最小値や目盛りの間隔を自由に設定することができるので、データの見せ方や数値の大きさによって調整するようにしましょう。
3.データの並び順を工夫する
グラフを理解しやすくするためにはデータの並び順も重要です。並び順によってデータの意味や傾向が明確になり、読み手に与える印象も変わってきます。推移や関連性など、どこを強調したいかによって並び順を工夫しましょう。
時系列のデータであれば時系列に並べることはもちろん、商品ごとのデータであれば五十音順に並べたり、カテゴリ別に分けて並べたりするだけでも視覚的な分析や比較がしやすいグラフになります。
4.3Dグラフはなるべく使わない
Excelなどではグラフを立体的に表現した3Dグラフを作成することができますが、この3Dグラフの使用はなるべく避けるようにしましょう。
見栄えはいいかもしれませんが、正確な情報が掴みにくく、3Dの効果によって本来小さいはずのデータが大きく見えてしまうこともあります。読み手に誤解を与えてしまう可能性もあるため、正確なデータを伝えたいときには2Dのグラフを使うことをおすすめします。
5.不要な要素は削除する
グラフは縦軸と横軸のほかに、各項目の数値や目盛り、補助線などさまざまな要素を表示することができます。情報が多いほうが相手に伝わりやすいと思いがちですが、情報を詰め込みすぎるとどの情報に注目すべきなのかがわからなくなり、本来伝えたい情報がかえって目立たなくなってしまうので注意が必要です。
むしろ、表示しなくても影響のない要素はできるだけ省略し、必要最低限の情報に絞ることによって、必要な情報が直観的に伝わる見やすいグラフになります。
また、一つのグラフに多数の色を使用しすぎるとかえって煩雑な印象になってしまうので、色の多用にも気を付けましょう。
まとめ
今回は、グラフの種類と特徴、使い分けについてご紹介しました。今回ご紹介した以外にもさまざまなグラフがあり、棒グラフ+折れ線グラフなど、複数のグラフを組み合わせてデータを表現することもあります。
見やすく伝わりやすいグラフを作成するためには、それぞれのグラフの特徴を知り、目的にあわせてグラフを使い分けることが重要です。ぜひ参考にしてみてください。