2024年11月25日
マニュアル作成はいくらかかる?費用感と外注先選びの5つのポイント
目次 ▼
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営業マニュアルや操作マニュアル、研修マニュアルなど、業務を円滑に進めるうえで欠かせないマニュアル。
マニュアル作成は多くの時間と労力を要するため、専門の制作会社に依頼するケースも少なくありませんが、気になるのはその費用感ですよね。
マニュアルはお客様に合わせてそれぞれオリジナルで作成するため、作業範囲や難易度、ボリューム等によって費用が大きく変動します。そのため、制作会社が一律の料金を設定するのは難しく、多くの場合、お客様へのヒアリングを通じて仕様を確認し、個別に見積を作成するのが一般的です。
また、制作会社のWebサイトで料金が明記されていないことも多く、「具体的な費用感がつかめない」と感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、一般的なマニュアル作成の料金体系や費用感、さらに委託先を選ぶ際のポイントについて詳しくご紹介いたします。
マニュアル作成に必要な主な作業と費用の目安
マニュアル作成に必要な作業は大きく4つに分けられ、外注する際はこれらの作業をどこまで依頼するかによって費用が変わります。
1.全体構成の設計
マニュアル全体の構成を考え、骨子を組み立てていく作業です。冊子、データ、HTMLなど、完成時の形式に合わせて設計を行います。どのようなマニュアルを作成するか、業務の全体像をヒアリングし、情報を整理したうえで目次を作成します。
マニュアルのボリュームやベースとなる資料の有無によっても変動しますが、初期費用・設計にかかる費用としては10万~30万円程度が相場です。
既存マニュアルや参考資料が揃っている場合、一から構成を練る必要がないため、費用を抑えることも可能です。
2.誌面デザインとレイアウト設計
マニュアルの用途や完成形に応じたページレイアウトやデザインを行います。写真やイラストの配置、文字数の調整などを行い、全体のフォーマットを整えます。
誌面設計にかかる費用は、デザイン性の高さや難易度によって変動しますが、ページ単価で算出されることが多く、1ページあたり8,000円~20,000円程度が相場です。
また、新たにイラストや図を作成する場合には別途費用が発生します。一般的なイラストや図は1点あたり5,000円~10,000円程度ですが、操作マニュアルや取扱説明書に記載されるような「テクニカルイラスト」は、寸法や細かい部品などの正確さが求められるため、通常のイラストよりも高額になります。
3.原稿収集、ヒアリング、ライティング
実際にマニュアルに掲載する原稿を収集し、文章化する作業です。
・既存マニュアルの改訂、リライト
・資料をもとにした原稿作成
・ヒアリングや取材をともなう原稿作成
など、作業範囲によって大きく金額が異なりますが、一般的なライティングであれば1ページあたり6,000円~20,000円程度が設定されていることが多いです。依頼先によっては、作業時間で設定している場合や修正回数によって費用が変動するケースもあります。
また、より専門的で高度な知識が必要となる「テクニカルライティング」の場合は、通常のライティングよりもコストがかかります。
さらに、ベースとなる情報が何もない場合、従業員様への取材・ヒアリングが必要となることもあります。その場合は、原稿作成料のほかに別途ヒアリング費用が発生し、実施する回数や所要時間、場所等によって金額が変動します。
4.納品形態に合わせた仕上げ
完成したマニュアルを納品形式に合わせて仕上げていく作業です。
冊子形式のマニュアルの場合、印刷や製本にかかる費用が発生します。料金は、ページ数や部数、モノクロorカラー、製本方法などによって異なります。
HTML形式のマニュアルの場合は、コーディング費用が発生します。料金はページ数やデザインによって異なりますが、1ページあたり5,000円~20,000円程度が一般的な相場です。また、作業範囲によっては、システム構築費や管理費が別途必要となるケースもあります。
一方、PDFやWordなどのデータ形式で納品する場合、仕上げにかかる費用は発生しないことが多いです。ただし、PDFにインデックスをつけるなど、追加作業が必要な場合は、別途費用が発生することもあります。
▼マニュアルの形式別のメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
外注先の種類
マニュアル作成を外注する際には、いくつかの選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、目的や予算に合った方法を選ぶことが重要です。
マニュアル制作会社
マニュアル制作会社は、業務マニュアルや取扱説明書、手順書などさまざまな種類のマニュアルを依頼できるのが特長です。構成の設計から原稿作成、納品までをすべてワンストップで行えるため、初めてマニュアルを作成する場合にも安心して依頼することができます。
また、紙媒体、電子データ、動画といったあらゆる形式のマニュアルにも対応しています。
企画段階から相談することができるため、企画や構成からお願いしたいという方にもおすすめです。制作会社によって得意分野や作業範囲が異なるため、問い合わせをして事前に確認しておくのがよいでしょう。
クラウドソーシング
クラウドソーシングは、専用のプラットフォームを通じて、登録されている個人やプロに業務を依頼する方法です。
マニュアル制作会社と比べて単価が安い傾向にあり、登録しているユーザーであれば誰にでも依頼できるため、手軽に委託先を見つけられる点が魅力です。
ただし、対応や仕上がりの品質には個人差が大きいため、依頼前に実績やレビューを確認し、慎重に検討することが重要です。
フリーランス
フリーランスは、企業や組織に属さず、個人事業主として活動しているため、柔軟な対応が期待できます。
納期や費用の交渉がしやすく、クラウドソーシングを介さずに直接やりとりをするため、マニュアル制作会社やクラウドソーシングに比べるとコストを抑えられるケースが多いです。
ただし、個人との契約になるため、制作の途中で連絡が途絶えてしまったり、納期が遅れてしまうといったリスクも考慮する必要があります。
また、クラウドソーシング同様、依頼先によって得意分野やクオリティの差が出やすいため、過去の実績をよく確認し、依頼したい作業範囲に対応しているか、ニーズにマッチしているかを見極めることが重要です。
マニュアル作成の外注先を選ぶ際のポイント
マニュアル作成の依頼先を選ぶ際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
対応可能な作業範囲
依頼先によって、対応できる作業範囲や得意分野が異なります。
ヒアリングや撮影には対応しているか、イラスト制作や作図は可能か、完成後の更新まで依頼できるかなど、依頼したい作業範囲とマッチしているかを事前にしっかりと確認しておきましょう。
依頼する作業範囲によって見積も大きく変動するため、自社で行う作業と外注する作業を明確に分けておくことで、コスト削減にもつながります。
実績と得意分野
依頼先によって、それぞれ得意とする分野やマニュアルの種類があります。依頼したいマニュアルの種類や形式、分野を得意としている外注先を選ぶことで、スムーズでクオリティの高い仕上がりが期待できます。
依頼したいマニュアルや自社の業界に近しい制作実績や事例があるか、事前に確認しておきましょう。セキュリティの関係で、Webサイト上に詳細な事例を公開していないケースも多いため、問い合わせることで詳細な事例を確認できることもあります。
セキュリティ体制
マニュアルには、業務フローや独自のノウハウなど、機密性の高い情報が多く含まれています。
マニュアルの作成を外注するということは、社内の重要な情報を外部に預けるということなので、依頼先のセキュリティ体制が整っているかどうか事前に確認しておくと安心です。
秘密保持契約(NDA)の有無や情報管理体制の詳細についても確認しておくと、不安を軽減でき信頼関係の構築につながります。
費用
依頼先によって料金体系や価格帯はさまざまです。外注先を選定する際、つい他と比べて安いかどうかを重視してしまいがちですが、それ以上に重要なのはクオリティです。
単に見積金額だけを見るのではなく、作業範囲や見積根拠も確認したうえで、依頼内容や求めるクオリティに見合った提案かを検討しましょう。
また、予算が決まっている場合は、見積依頼時にあらかじめ伝えておくことで、予算に合った提案を受けることができます。依頼する作業範囲や提供する資料の質・量によっても見積額が大きく変動するため、自社で対応可能な部分と外注したい部分を調整して予算内に収めるというのも一つの方法です。
対応力
マニュアル作成をスムーズに進行するためには、依頼先との良好なコミュニケーションが不可欠です。迅速かつ丁寧な対応をしてくれるかどうかも、外注先を選ぶ際の大切な判断基準となります。
例えば、連絡が遅い、対応が親身でないといった場合、どんなに見積が安くて納期が早いとしても、結果的に自社の負担が増えたり、進行が遅れる可能性があります。
依頼前に担当者とコミュニケーションを取り、その対応力や信頼性を確認しておくことが重要です。
見積依頼時に準備しておきたい情報
ここまで、マニュアル制作にかかる費用や外注先選びのポイントについてお伝えしてきました。見積依頼をする際には、できるだけ具体的な情報を用意することで、正確な見積が算出されます。
見積依頼時には、主に以下の情報を準備しておくとよいでしょう。
・マニュアルの種類(例:営業マニュアル、取扱説明書)
・対象者と目的(例:新人向け、管理職向け)
・納品形態(例:紙媒体、電子データ、動画、HTML)
※紙の場合は部数やサイズ、仕上がりイメージなど
・撮影やヒアリングの有無
・イラスト制作や作図の有無
・既存マニュアルや参考資料の有無
※そこからイメージされる全体のボリューム感
そのほか、あらかじめ予算や納期が決まっている場合は、見積依頼時に伝えておくと、予算に合った提案や制作スケジュールの提示が期待できます。また、納期が短い場合は、特急料金がかかるケースもあるため、早めに相談しておくのが安心でしょう。
まとめ
今回は、マニュアル作成の一般的な料金体系や費用感、さらに外注先選ぶのポイントについてご紹介しました。
外注することで効率的にマニュアルを作成することができますが、依頼する作業範囲や仕様によって費用が大きく異なります。
マニュアルは一律の価格設定が難しい商材のため、まずは気になる制作会社に一度問い合わせてみるとよいでしょう。
ぜひ外注を検討する際の参考にしてください。