2025年3月18日

Copilotとは?無料版の機能と使い方、ChatGPTとの違いを解説!

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Microsoft Copilotとは?

「Microsoft Copilot(マイクロソフト コパイロット)」は、Microsoft社が提供する生成AIツールです。「Copilot」というのは「副操縦士」という意味で、操縦士(=ユーザー)をサポートしてくれる存在であることを表しています。

以前は「Bing Chat」として提供されていましたが、2023年12月より「Microsoft Copilot」という名称として、新たにリリースされました。

Microsoft Copilotは、OpenAI社が開発した言語モデル「GPT」をベースにしており、 Microsoftアカウントがあれば誰でも無料で利用できます。文章・コード・画像などの生成ができ、有料版では Microsoft 365 と連携して利用することも可能です。

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Copilotの利用方法

Copilotは、基本的に誰でも無料で利用することができます。

Windows11では、Copilotが標準搭載されており、以下からアクセス可能です。また、Windows10のバージョン22H2以上であれば、同様の方法で利用できます。

・Microsoft Edgeのサイドバー、検索ボックス
・Windowsの検索ボックス
・タスクバー
・Microsoft Bingの検索ボックス

Microsoft Copilot_使い方

バージョン22H2未満のWindows10を使用している場合は、公式サイトからアクセスすることで、Copilotを利用できます。さらに、Copilotはモバイルアプリ版も提供されており、App Store や Google Playで「Microsoft Copilot」と検索するか、以下のリンクからダウンロードできます。

・iPhone版アプリのダウンロードはこちら
・Android版アプリのダウンロードはこちら

Copilotのプランと種類

Copilot(無料版)

Windows10以上であれば、先ほどご紹介した方法で無料で利用することができます。ログインなしでも利用できますが、画像生成機能が使えなかったり、利用回数に制限があるため、Microsoftアカウントでログインして利用するのがおすすめです。

また、Copilotには画像生成を高速化する「ブースト機能」が備わっていますが、無料版では1日に15回までの制限があります。15回を超えると、画像生成に時間がかかるため注意が必要です。

Copilot Pro(個人向け有料プラン)

「Copilot Pro」は、個人向けの有料プランで、月額3,200円で利用できます。無料版では、回線混雑時にレスポンスが遅くなることがありますが、有料版では回線混雑時にも優先的にアクセスすることができます。

さらに、以下の機能があります。

・画像生成におけるブーストが1日100回まで利用可能
・横長形式の画像生成が可能(無料版では不可)
・Word、Excel、PowerPoint、OutlookなどのOfficeソフト上でCopilotを利用可能

OfficeソフトでAIを活用したいという方におすすめです。

Copilot for Microsoft 365(法人向け有料プラン)

「Copilot for Microsoft 365」は、法人向けの有料プランで、ユーザーあたり月額4,497円で利用できます。利用するには、Microsoft 365 Business Standard または Business Premiumのライセンスが必要です。

基本的な機能は「Copilot Pro」と同じですが、以下の違いがあります。

・Microsoft 365 Business Standard や Business Premium 特有の機能においてもCopilotを利用可能
・Teamsと連携可能

Copilotを使ってTeams会議の要約や議事録を作成するなど、Microsoft365のアプリを効率的に利用したいという方におすすめです。

Copilotの主な機能・特徴

Copilotは、主に以下の三つの技術を組み合わせて構築されています。

・GPT-4(テキストの理解、生成)
・Codex(コードの理解、生成)
・DALL-E3(テキストからの画像生成)

これらの技術によって、Copilotは高度なテキスト・コード・画像の生成が可能となっています。

無料版の主な機能は、以下のとおりです。

1.ブラウジング

従来の検索エンジンでは、検索の際に明確なキーワードを入力する必要がありますが、Copilotでは検索キーワードが不明確な場合でも対話形式で簡単に検索することが可能です。検索結果が要約されて表示されるため、従来の検索エンジンのように検索結果の一覧から該当しそうな記事を探さなくても、要約された文章を読むだけで知りたい情報を得ることができます。

また、質問内容によっては検索結果にはソースとなるURLが表示されるため、参照元を確認したり、より詳しい情報を得ることも可能です。Microsoftの検索エンジン「Bing」と連携しているため、ニュースや天気予報などの最新情報もリアルタイムで取得できます。ただし、他の生成AIと同様に、間違った情報や不明確な情報が生成される可能性があるため、内容の信頼性を確認することが重要です。

Microsoft Copilot_ブラウジング例

2.文章の生成

Copilotは、検索や質問への回答だけでなく、ゼロから文章を作成することも可能です。例えば、「本のタイトルを考えて」「ドラマの設定を作成して」といったアイデア出しにも活用することができます。ただし、こちらも他の生成AIと同様に、既存のコンテンツと類似した内容が生成される可能性があるため、独自性については注意が必要です。

Microsoft Copilot_文章生成

さらに、2025年2月から無料版でも「Think Deeper」という新機能が利用できるようになりました。この機能を使うと、複雑な質問やテーマに対して、通常モードよりも深い洞察や多角的な視点からの回答を得ることができます。例えば、キャリアプランの設計やプロジェクト計画の立案など、優先順位やスケジュールの整理を含めた詳細な分析が可能です。ただし、「Think Deeper」利用時には、回答に30秒ほど時間がかかる点に留意しましょう。

3.画像の認識

Copilotには、画像を認識する機能も備わっています。JPGやPNG形式の画像をアップロードすると、その画像に関する情報を取得したり、関連する質問をすることができます。

例えば、アップロードした画像と同じタッチで画像を生成したり、英語の画像を日本語に翻訳するといった活用も可能です。

Microsoft Copilot_画像の認識

4.画像の生成

生成したい画像のイメージをプロンプト(指示文)として入力することで、入力したテキストに合った画像を生成することができます。

Microsoft Copilot_画像生成

さらに、生成された画像に対してプロンプトを追加すれば、前後の文脈を理解しながらよりイメージに近い画像を生成してくれます。

Microsoft Copilot_画像生成

CopilotとChatGPTの違い

ここからは、同じ言語モデルをベースにした生成AIである「Copilot」と「ChatGPT」の違いを比較していきます。

言語モデル

CopilotとChatGPTは、どちらもOpenAIが開発した「GPT」シリーズの言語モデルをベースにしています。ChatGPTでは最新モデルである「GPT-4o」が利用できますが、Copilotでは「GPT-4o」より一つ古いモデルである「GPT-4 Turbo」までが利用可能です。

なお、ChatGPTの無料版では「GPT-4o」の使用回数に制限があり、一定回数を超えると自動的に「GPT-3.5」に切り替わります。

ChatGPT_キャプチャ

情報の取得方法

ChatGPTは、2024年6月までの情報を学習し、そのデータをもとに回答を生成します。そのため、それ以降の新しい情報は反映されていません。ただし、有料版の「GPT-4o」にはブラウジング機能が搭載されており、検索エンジンを利用して、インターネット上から最新の情報を取得することが可能になりました。

一方、CopilotにはChatGPTのような情報の学習期間という概念がなく、検索エンジンを利用して情報を取得・反映する仕組みになっています。そのため、最新の情報を活用した回答を得ることが可能です。

情報ソースの表示

Copilotに質問をすると、回答には参照元のURLが表示されます。URLをクリックすると元の記事へ遷移できるため、情報の真偽や詳細を確認することができます。

Microsoft Copilot_参照元

これまでChatGPTは、提示される情報の参照元や情報ソースは記載されませんでしたが、「GPT-4o」のブラウジング機能を使用すれば、Copilotと同様に情報ソース付の回答を得ることができます。

ブラウジング機能を使用するには、以下の「検索ボタン」をクリックしたうえで質問を入力します。

ChatGPT_検索ボタン
ChatGPT_参照元

画像の認識・生成

Copilotは、画像の認識や生成が可能ですが、無料版では利用回数の制限や機能制限があります。

ChatGPTも同様に、 画像のアップロードや生成が可能ですが、無料版では1日3枚までの制限があります。無制限で利用するには、有料版「ChatGPT Plus」への加入が必要です。

ChatGPT_キャプチャ

一度に送信できる文字数

Copilotでは、1回のチャットで送信できる文字数は約4,000字までとなっており、出力も同様に約4,000字が上限です。これを超える場合、内容が自動的に分割され、複数回に分けて出力されます。

ChatGPTでは、1回の送信につき約4,096トークンまで入力可能とされています。日本語の場合、これはおよそ2,000~3,000字に相当します。出力の上限も同様に約4,096トークンです。

どちらのツールも、上限を超える場合はテキストを分割して送信するか、プロンプトを工夫して段階的に入力する必要があります。

CopilotとChatGPTの比較

Copilot(無料版)Chat GPT(無料版)
言語モデルGPT-4、GPT-4 TurboGPT-3.5、GPT-4o(回数制限あり)
情報の鮮度ブラウジング機能で最新情報を取得可能2024年6月までのデータを学習
ブラウジング機能で最新情報を取得可能
情報ソースの表示
画像のアップロード△(GPT-4oのみ可能)
画像の生成○(ブーストには回数制限あり)△(回数制限あり)
文字数制限1回につき約4,000字まで1回につき約2,000~3,000字まで

無料版同士で比較すると、Copilotのほうが利用できる機能が多く、高性能と言えます。 特に、ChatGPTでは有料版で提供される機能の一部を、Copilotでは無料で利用できるため、「コストをかけずに高機能のAIを試したい」という方にはCopilotがおすすめです。

CopilotはBingの検索エンジンを活かした情報収集の速度と精度が優れているのに対し、ChatGPTは文章生成やアイデア出しといった創作の生成を得意としています。それぞれ得意分野や強みを理解し、用途にあわせて使い分けるのもよいでしょう。

まとめ

今回は、Microsoftが提供する生成AI「Copilot」の機能や使い方についてご紹介しました。

Copilotの大きな特徴は、常に最新の情報を取得できる点や、画像認識・画像生成機能を無料で利用できる点にあります。

ただし、他の生成AIと同様に、出力される情報は必ずしも正確とは限らず、誤った内容や既存コンテンツのコピーなどが生成される可能性もあります。そのため、人の手によるチェックは依然として不可欠ですが、適切に活用することで業務効率の向上が期待できるでしょう。無料で手軽に試せるので、興味がある方はぜひ活用してみてください。

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