2023年6月5日
企業のnote活用とは?メリットと具体的な活用方法
目次 ▼
この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。
近年、noteで書かれた記事を見る機会も多いかと思います。「note=個人のブログ」というイメージの方もいらっしゃるかもしれませんが、最近では企業が情報発信や社内コミュニケーションの場としてnoteを利用するケースも増えてきています。
そこで今回は、noteとは何か、企業におけるnote活用のメリットと活用方法についてご紹介いたします。
noteとは
noteとは、だれでも手軽に記事コンテンツを発信することができるプラットフォームです。文章や画像のほか、動画や音声を投稿することもできます。note株式会社によって「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。」というミッションのもと、2014年にサービスが開始されました。
無料の会員登録をすることで記事を投稿・発信できるほか、他のクリエイターを応援したり、コミュニティを作って他のユーザーとつながることもできます。noteに投稿していた小説や記事が話題になり、書籍化につながったケースもあります。
現在は会員数が600万人を突破し、2022年12月には東証グロース市場に上場したことでも話題になっています。
noteには「無料プラン」「noteプレミアム」「note pro」の3つのプランがあり、それぞれ使える機能が異なります。
◆無料プラン
無料で会員登録をすれば誰でも記事の投稿を行うことができます。
基本的な記事の投稿やコンテンツの閲覧などはすべて無料プランで行うことができますが、一部使える機能に制限があります。
◆noteプレミアム
月額500円で利用できる、個人のクリエイター向けの有料プランです。
投稿の日時予約や定期購読マガジンの発行など、無料プランよりも使える機能が多いです。
◆note pro
月額8万円で利用できる、企業・法人向けの有料プランです。
独自ドメインの利用や、ロゴ・カラーなどのカスタマイズ、読了率などの分析ツールの搭載など、無料プランやnoteプレミアムよりも使える機能が多いほか、個別のサポートを受けたり、勉強会に参加することもできます。
noteとブログの違い
ここまでnoteの概要についてご紹介しましたが、「ブログと何が違うの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。ここからはnoteとブログの違いについて具体的にご紹介していきます。
手軽さ
noteとブログでは、記事を投稿するまでに必要な手順が異なります。
通常のブログの場合、サーバーの契約やWordpressの導入、レイアウトの設定など必要な手順が多く、記事を投稿するまでに時間がかかってしまいます。
一方、noteの場合は会員登録をするだけですぐに記事作成にとりかかることができるため、設定等にかかる時間が少なく手軽に始めることができます。HTMLやCSS、Wordpressといった知識がなくても利用できるのも大きな特徴です。
デザインの自由度
ブログの場合は、デザインやレイアウトを考えたり、Wordpressを使って自分の好きなテーマを選択したり、デザインの自由度が高いです。見出しの装飾やカラーなどの細かいカスタマイズもできます。
一方、noteは用意されたフォーマットに沿って記事を執筆していくため、細かいデザインやレイアウトの設定ができません。デザイン面で他と差別化することができないため、「オリジナリティを出したい」「細かくカスタマイズしたい」という場合はブログが向いているかもしれません。
収益方法
ブログは自身の記事に広告を貼り、その広告がクリックされたときなどに発生する広告収入を得ることで収益化しています。広告収入を得るためのサービスとしては、「アフィリエイト」「Google AdSense」などがよく使われています。
noteは基本的には記事内に広告を掲載することはできませんが、ノウハウや作品などのコンテンツ自体を有料で販売することができます。金額は100円~1万円(プレミアム会員は5万円まで)の間で設定できます。
サービス開始から現在までで、noteでコンテンツを販売して収益を得ている人は10万人以上にのぼり、3,600万件以上のコンテンツが購入されています。
ランキングの有無
「Amebaブログ」や「はてなブログ」をはじめとするブログサービスには、閲覧数のランキングが表示されているケースが多いですが、noteには記事のランキングがありません。そのため、ランキング上位をねらった閲覧数稼ぎのタイトルやコンテンツが生まれにくく、投稿者側も読者側も快適に利用しやすい環境になっています。
コンテンツの所有者
WordPressで作成しているブログの場合、公開している記事やコンテンツは自分の所有物となります。サイトが突然閉鎖されたり、記事が消えてしまう恐れはほとんどありません。
しかし、noteの場合、作成した記事やコンテンツはすべてnoteのプラットフォーム上で公開されるため、仮に今後noteがサービス終了となってしまうと、サイトが閲覧できなくなり、投稿していた記事や蓄積してきた情報もすべて消えてしまいます。
また、ブログであっても「Amebaブログ」や「はてなブログ」などを使用している場合は、運営サイト側のプラットフォーム上で記事が公開されているため、note同様にプラットフォームのサービスが終了した場合は記事も一緒に消えてしまいます。
企業がnoteを利用するメリットと活用方法
noteは個人のクリエイターが発信しているイメージがあるかもしれませんが、企業・法人向けの有料プランである「note pro」のリリースによって法人利用が拡大し、現在では1万件以上の企業アカウントが存在しています。
それでは、企業がnoteを利用するメリットを活用方法と交えてご紹介していきます。
集客しやすい
noteはコンテンツ量が多く検索エンジンからの信頼度が高いため、GoogleやYahooなどで検索されたときに上位表示されやすく、より多くの人に記事を見てもらえることが期待できます。
また、noteは月間4,000万以上のユーザーが利用しています。企業のサイトやオウンドメディアを毎日チェックする人は少ないですが、noteは毎日多くのユーザーが利用しているため、既存のnoteユーザーに自社のコンテンツを見つけてもらいやすくなります。一からオウンドメディアを立ち上げることに比べて運用の労力がかからず、集客しやすいと言えるでしょう。
さらに、noteは記事ごとにTwitterやInstagramといった他のSNSへシェアできるボタンが設置されているため、記事を読んだ読者がSNSでシェアしやすく、コンテンツが拡散されやすいという特徴もあります。
ブランディングにつながる
noteは、企業のWebサイトやオウンドメディアに比べて親近感を持ってもらいやすいという特徴があります。
一般的な企業のWebサイトやオウンドメディアの場合、商品・サービスの紹介やお役立ち情報といったコンテンツがメインですが、noteでは企業の歴史や開発ストーリーなどを発信する場所として活用されるケースが多いです。
投稿者と読者の距離が近いというnoteならではの雰囲気を活かし、noteをプロモーションの場ではなく、読者とのコミュニケーションの場として活用することによって、企業に対する愛着や親近感を持ってもらいやすくなります。いいねと同様の「スキ」機能やフォロー機能もあり、ファン獲得にもつながるでしょう。
また、noteにはコンテスト企画もあります。これは、企業側が特定のテーマを決めてそれに沿った作品や投稿を募り、優秀な作品を表彰するというもので、自社の商材や理念に沿ったテーマが設定されることが多いです。ユーザーとつながるきっかけになるため、企業の認知度向上に加え、ブランディング効果も期待できます。
マガジン形式で発信できる
noteにはマガジン機能があり、自分が投稿した記事や他の人が投稿した記事をまとめることができます。読者はお気に入りの記事をカテゴリ分けしたりブックマーク代わりに使用することができますし、投稿者は記事をまとめて雑誌や単行本のような形で無料・有料で提供することができます。マガジン形式で情報を発信できるのはnoteならではだと言えるでしょう。
また、noteプレミアムやnote proでは「定期購読マガジン」の機能もあり、読者に対して月額制で記事(マガジン)を販売することができます。読者は購読月に追加された記事をすべて読むことができるため、有料メルマガや広報誌、社内報として活用する方法もあります。
コミュニティの管理ができる
noteには、月額会費制で運営できる「メンバーシップ機能(旧サークル機能)」があります。メンバーシップ機能では、メンバー同士で掲示板でコミュニケーションをとったり情報交換を行うことができます。
限定的な情報を発信でき、クローズドなコミュニティが運用できるため、例えば教室運営や有料セミナー、会員管理などの活用の余地があります。
求人募集に活用できる
noteはコーポレートサイトや求人サイトに比べ見てもらいやすいことに加え、企業の裏側や内部の雰囲気なども伝えやすいため、採用広報や求人募集としても活用されています。自社の理念や雰囲気、仕事内容や社員インタビューなどを投稿することで、入社希望者は社内のイメージが湧きやすく、入社後のミスマッチを減らすことにつながります。
また、noteの記事内に求人サイトや採用ページの情報をカード形式で埋め込む機能もあります。例えば、会社のストーリーや仕事風景などを紹介している記事に求人情報を埋め込むことで、内容に共感した志望度の高い人材獲得が期待できるでしょう。
ECサイトと連携できる
noteでは「ストア機能」を使ってSTORES、minne、BASEなどのECサイトと連携することができます。
連携しているECサイトの商品URLを記事内に埋め込むと、noteの記事上で商品名や価格、商品画像などがカード形式で表示され、「ショップで購入する」というボタンを押すとECサイトの商品ページへ遷移します。
noteの記事からECサイトへの導線ができるため、商品紹介や開発秘話などの記事からそのまま購入へとつなげることも可能です。
まとめ
今回は、noteの概要と企業のnote活用についてご紹介しました。
noteは個人だけでなく、企業・法人にも幅広く利用されており、企業と顧客をつなぐ場として今後ますます広がっていくことが予想されます。顧客とのコミュニケーション手段として、Webサイトやオウンドメディア、他のSNSなどと組み合わせて活用するとより効果的です。
noteやソーシャルメディアを活用したマーケティングを行う場合には、マーケティング戦略についての理解が不可欠です。ソーシャルメディアを活用したマーケティング戦略についての理解を深めたい方であれば以下の記事も参考にしてみてください。