2015年10月8日

出版、商業、事務用、証券など目的別6つの印刷物分類

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

目的に応じた印刷物を知っておこう

あなたは、プレゼントに商品券や図書券を贈ったことはありますか?これは紙ですね。普段使っている紙幣も紙です。

これらが印刷物だということはおわかりでしょう。商品券や紙幣には偽造できない加工が施されています。

また、財布の中を見てみると、クレジットカードやポイントカードなど、たくさんのカード類が入っています。

これは紙ではありませんが、絵柄が表示されています。このように立体的なものにも印刷が使われています。

印刷物は、紙なのか紙以外なのか、カラーなのかモノクロなのか、特殊加工があるかないか、など目的によって分類されています。

今回は、目的に応じて分類された印刷物の種類をご紹介したいと思います。

印刷物の目的分類1.出版印刷

magazine-806073_640

出版印刷とは、出版社や新聞社が発行する書籍、雑誌、参考書などの商業出版物に対応した印刷分野のことです。研究機関や団体が発行する書籍類も出版印刷に含まれます。

読み物から、写真・イラストを用いた観賞用まであるため、作成ノウハウは多岐に渡ります。出版印刷は大きく2つに分かれます。

1.定期出版

週刊誌、月刊誌などの雑誌です。情報伝達を目的としていて、カラー印刷を多く使います。製本方法は並製本が中心です。

2.不定期出版

単行本や新書などの書籍です。基本的には文章中心の不定期出版物です。書籍は、上製本、並製本のどちらもあります。

印刷物の目的分類2.商業印刷

records-923679_640

商業印刷は、企業や団体の事業活動に使われる印刷物に対応した分野で、販売促進や宣伝・案内用印刷物を取り扱います。

主な印刷物はチラシ、パンフレット、リーフレット、ポスター、社内報など、仕事で使う物が多いため、私たちに馴染み深いものばかりです。

商業印刷は、宣伝用印刷物と業務用印刷物に分かれます。

1.宣伝用印刷物

チラシ、パンフレット、ポスターなど、視覚に訴える宣伝用の印刷物です。

2.業務用印刷物

マニュアル、社内報など、情報を伝えたり、説明をするため、文字が中心の印刷物です。

印刷物の目的分類3.事務用印刷

accounting-731808_640

事務用印刷は、企業が事務に使用する印刷物に対応した分野のことで、業務の裏方に欠かすことのできない印刷物です。

事務用印刷は事務用伝票と事務用品とビジネスフォームに分かれます。

1.事務用伝票

単一の納品書、請求書、領収書や複写式の伝票類です。

2.事務用品

名刺、封筒、はがき、ノート、手帳など、仕事には欠かせない事務用品類です。

3.ビジネスフォーム

宅急便の伝票やテストの解答用紙など、印刷とともにミシン目やマージナルパンチが施される印刷物です。

印刷物の目的分類4.証券印刷

economy-904567_640

証券印刷は、金銭や信用にかかわる証明書に使用される印刷物です。できあがった印刷物に信用が必要なため、特殊な印刷技術を使います。

印刷物には、紙の耐久性、文字の耐久性が求められます。また、複製対策も施されています。証券印刷は証券類とカード類に分かれます。

1.証券類

商品券や株券など、金銭の代わりに使える印刷物です。複製対策として透かし印刷やホログラム箔押しをしています。

2.カード類

磁気カードなどの金銭の代わりに使える媒体の一種です。偽造対策として暗号化が容易なICを用います。

印刷物の目的分類5.包装印刷

cookies-648887_640

包装印刷は、企業や団体の包装紙や段ボールなど、包装するモノに印刷する分野です。業務用印刷や宣伝用印刷があります。

包装印刷は紙器・包装用と軟包装用とその他に分けられます。

1.紙器・包装用

商品箱、パッケージなど、商品紹介や商品の目印として印刷される厚手の印刷物です。

2.軟包装用

フィルムやラベルなど、商品の広告とともに商品の目印として印刷される薄手の印刷物です。

3.その他包装用

容器など、商品に華やかにするための印刷物です。

印刷物の目的分類6.その他特殊印刷

money-256314_640

その他特殊印刷とは一般的に、活版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷以外の印刷法のことで、金属や布地ガラスなど紙以外に印刷される印刷物のことです。

特殊印刷は主に紙以外のものです。

1.紙以外

建装財やクリアファイル、カードなどに箔押し、型押しなどを用いて印刷します。

目的別の印刷物分類まとめ

私たちが普段目にする紙や立体物には、高い頻度で印刷が施されています。印刷はどのようなものにでもでき、さまざまな加工が可能です。

世の中には印刷物が溢れていて、さまざまな方法で印刷が行われているということを知っておけば、いざというときのプロモーションや広告手法として活用できる……かもしれません。

私たち印刷業界においては、あらゆるものに印刷ができること、そしてどのような種類の印刷物があるかを知っておくことは、新人研修で最初に学ぶべき大切なことなのです。

これを知っておかなければ、よりニーズに合った提案をすることもできませんしね。印刷業界に関係がない方は、うんちくの1つとして、どうぞ。

以下も参考までに。

機械の仕組みや目的による10の印刷方式分類

ページ物、ペラ物、主な紙形式印刷物7つの種類