2024年5月23日
SharePointとは?できることや活用方法を解説!
目次 ▼
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SharePointは、Microsoft社が企業向けに提供しているファイル共有サービスです。
SharePointでは組織内のメンバーとオンラインで情報を共有したり、ドキュメントを共同編集したりすることができ、チーム全体での業務効率化やコミュニケーションの円滑化が期待できます。
SharePointには、以下の2種類があります。
・自社内にサーバーを構築して利用する「SharePoint Server」
・クラウド上で利用する「SharePoint Online」
「SharePoint Server」は自社サーバーを利用するためセキュリティが高く、「 SharePoint Online」はクラウド上で利用するためアクセスしやすくメンテナンスやアップデートが容易という特長があります。
SharePoint Onlineは単体でも契約できますが、Microsoft 365のサービスの一つとしても提供されているため、Microsoft 365を契約することでWord、Excel、PowerPointなどとあわせてSharePoint Onlineも利用できるようになります。
▼Microsoft公式サイト
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/sharepoint/collaboration
OneDriveとの違い
同じくMicrosoft社が提供しているファイル共有サービスに、OneDriveというものがあります。
SharePointとOneDriveはどちらもオンライン上でファイルの保存・共有が可能ですが、最大の違いは、SharePointではファイルを共有するためのポータルサイトを作成できるという点です。
ポータルサイトの詳細については後述しますが、ポータルサイトを作成することで、大人数での共有やファイルの管理がしやすくなります。部署やチームなど組織としてファイルを共有する場合はSharePoint、個人でファイルを保存・共有する場合はOneDriveがおすすめです。
ポータルサイトの作成
SharePointの代表的な機能の一つは、ポータルサイトの作成です。これは一般的なオンラインストレージサービスとの大きな違いと言えるでしょう。用意されたテンプレートやフォーマットを使って、誰でも簡単にポータルサイトを作成することができます。
ポータルサイト上では、情報共有やファイル管理、掲示板を使った情報発信やコミュニケーションなどが可能です。チームやプロジェクトごとにポータルサイトを作成できるため、情報漏えいや不要な情報の混入を防ぎ、特定のメンバー間だけで安心して情報を管理することができます。
SharePointで作成できるサイトには「チームサイト」と「コミュニケーションサイト」があります。「チームサイト」は主にチーム内での情報共有に適しており、「コミュニケーションサイト」は広範囲にわたる情報発信に活用することができます。
ファイルの管理・共同編集
SharePointを使用すると、ドキュメントや画像などのファイル管理を簡単に行うことができます。
共有したファイルを複数のメンバーで共同編集することが可能で、さらにバージョン管理もできるため、誤ってファイルを上書きしたり削除してしまった場合にも元のバージョンに戻すことができます。バージョン管理によって最新版のファイルが一目でわかるようになり、ファイルの整理や管理という点でも非常に便利です。
ワークフローの構築・タスク管理
SharePointでは、業務に必要なワークフローを構築し、自動化することが可能です。
例えば、作成した書類の承認やフィードバックが必要な場合、 SharePoint上で業務フローと各担当者を設定すると、書類完成後に自動で該当する担当者に通知が届き、承認後は自動で次のステップに進む…といった形で、業務フローを自動化することができます。
また、期限の設定やタスクの割り当ても可能で、業務ごとの進捗状況やタスクの遅れなどもSharePoint上で確認でき、ミスや見落としの防止にもつながります。
ファイルの検索
SharePointにはファイルの検索機能も搭載されています。
ファイル名だけでなく、ファイル内の情報も検索できるため、ファイルを一つひとつ開かなくても必要な情報をすぐに見つけることができます。
簡単に社内ポータルを作ることができる
先述のとおり、SharePointを使えば専門知識がなくても簡単に社内ポータルサイトを作成することができます。
通常、ポータルサイトの作成にはHTMLやCSSといったWeb制作に関する知識が必要だったり、外部の制作会社に依頼する必要がありますが、SharePointではテンプレートが用意されているため、誰でも簡単に社内ポータルの構築が可能です。また、SharePointの利用料のみで済むため、通常のサイト制作と比べてコストが抑えられるのもメリットです。
ポータルサイトを使えば、より一層メンバーとの情報共有がしやすくなるため、SharePointでぜひ活用したい機能の一つと言えるでしょう。
マルチデバイスで閲覧できる
インターネットに接続されている環境であれば、いつでもどこでもSharePointにアクセスすることが可能です。
アプリをインストールすれば、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからもSharePointを利用でき、外出先やテレワーク・リモートワーク時にも場所を選ばず使用することができます。
Microsoftのツールと連携しやすい
WordやExcel、PowerPointなどのOffice製品と連携しやすいのも、Microsoftが提供しているSharePointならではのメリットです。
設定を変更したり、他のツールを使ったりすることなく、WordやExcelなどのファイルをSharePoint上で直接管理・編集できます。
また、ビジネスチャットツールであるTeamsと連携して社内のコミュニケーションや情報共有を一元化したり、メールツールのOutlookと連携してスケジュールを共有したり、SNSツールであるYammerと連携して社内広報として活用するなど、他のMicrosoftツールと連携することによって用途や活用の幅も広がります。
社外のユーザーともつながることができる
基本的には社内向けの情報共有ツールとして利用されるSharePointですが、招待機能を使えば社外の人とも情報共有が可能です。
管理者がユーザーごとのアクセス権を設定できるので、情報漏えいのリスクを抑えつつ、安全に情報を共有することができます。
デザインの自由度が制限される
SharePointのテンプレートを使って簡単にポータルサイトを作成できることは大きなメリットですが、一方でデザイン性や自由度の高いポータルサイトを作成したい場合には、少し物足りなさを感じることもあるかもしれません。
ただし、テンプレートの種類が豊富でカスタマイズも可能であるため、一般的なポータルサイトの作成という点では十分だと言えるでしょう。
匿名性がない
SharePointにはコメント欄や「いいね」ボタンなどの機能がありますが、これらはすべてユーザー名が表示され、誰がコメントをしたか、誰が「いいね」を押したかがわかるような仕組みになっています。
匿名で意見を集めたい場合や、自分の名前が表示されることに抵抗を感じる人にとっては、これはデメリットになるかもしれません。
社内報
多くの企業が社内報の制作や回覧にSharePointを活用しています。例えば、次のようなフローで、社内報の編集から承認、公開までをSharePoint上で完結させることができます。
①編集担当者と外部の制作会社がファイルを共有し、共同編集を行う
② SharePoint上で校正や修正のやりとりを行う
③上長からの承認を得て公開する
④社員に向けて社内報を公開する
⑤社員が社内報を閲覧し、コメントを残す
外部の制作会社に依頼している場合でも、SharePointを使って共同編集や校正を行うことで、より効率的に制作を進めることができるでしょう。
社内マニュアル
SharePointは、社内マニュアルの作成やナレッジの共有にも活用できます。例えば、以下のような一連の業務をSharePointで行うことができます。
・社内マニュアルの制作
・関連部署への確認や承認
・マニュアルの更新と管理
さらに、書類のフォーマットや過去のデータなどの業務に必要なファイルをSharePointで一元管理できるため、情報を集約することができます。そのため、「わからないことはSharePointを参照すればわかる」という状態を作ることができ、新入社員や経験の浅い社員も安心して業務を進めることができるでしょう。
また、SharePointの検索機能を使えば、膨大なファイルの中からでも知りたい情報をすぐに探し出すことができ、検索性が高くより使いやすいマニュアルになると言えます。
まとめ
今回はSharePointの基本的な機能や活用方法についてご紹介しました。
SharePointは社内報やマニュアルと親和性が高く、情報共有の手段として活用されるケースも増えてきています。紙やPDFなどで配布するのに比べ、リアルタイムで情報を更新できるため、社員に迅速に情報が行き渡り、読まれやすくなると言えます。
しかし、より多くの人に読んでもらうためには、やはりコンテンツが最も重要です。SharePointを使って業務を効率化し、その分コンテンツ制作や企画に時間をかけることで、より充実した社内報やマニュアルを目指しましょう。