2025年5月7日
SharePointとは?できることや活用方法を解説!

目次 ▼
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SharePointは、Microsoft社が企業向けに提供しているファイル共有サービスです。
SharePointでは組織内のメンバーとオンラインで情報を共有したり、ドキュメントを共同編集したりすることができ、チーム全体の業務効率向上やコミュニケーションの円滑化が期待できます。
SharePointには、以下の2種類があります。
・自社内にサーバーを構築して利用する「SharePoint Server」
・クラウド上で利用する「SharePoint Online」
「SharePoint Server」は自社サーバーで運用するため高いセキュリティ性を確保でき、「SharePoint Online」はクラウド上で利用するためアクセスのしやすさやメンテナンス・アップデートの容易さが特長です。
なお、SharePoint Onlineは単体での契約も可能ですが、Microsoft 365の一部としても提供されています。Microsoft 365を契約すると、Word・Excel・PowerPointといったOfficeアプリケーションとあわせて、SharePoint Onlineも利用できるようになります。
▼Microsoft公式サイト
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/sharepoint/collaboration
OneDriveとの違い
Microsoftが提供するもう一つのファイル共有サービスに、「OneDrive」があります。
どちらもオンライン上でファイルの保存・共有が可能という点では共通していますが、SharePointはチームや組織といった複数人での共同作業に向いているのに対し、OneDriveは主に個人での利用に適しています。
後ほど詳しくご紹介しますが、SharePointではファイルを共有するためのポータルサイトを作成することができ、大人数でのファイル共有や情報の整理・管理に適した仕組みが整っています。
一方、OneDriveは個人のクラウドストレージとして、業務のファイルや個人資料の保管に最適です。もちろん、OneDriveでも特定の相手にファイルを共有することは可能ですが、基本的には「自分のファイルを他者に共有する」ためのツールという位置づけです。
そのため、部署やチームなど組織単位でファイルを管理・共有したい場合はSharePoint、個人でファイルを保存・共有したい場合はOneDrive、というように用途に応じて使い分けるのがおすすめです。

ポータルサイトの作成
SharePointの代表的な機能の一つが、ポータルサイトの作成です。これは一般的なオンラインストレージサービスとの大きな違いと言えるでしょう。あらかじめ用意されたテンプレートやフォーマットを活用すれば、専門知識がなくても簡単にポータルサイトを作成することができます。
ポータルサイト上では、情報共有やファイル管理、掲示板を使った情報発信やコミュニケーションなどが可能です。チームやプロジェクトごとにポータルサイトを作成できるため、情報漏えいや不要な情報の混入を防ぎ、特定のメンバー間だけで安心して情報を管理することができます。
さらに、SharePointで作成できるサイトには「チームサイト」と「コミュニケーションサイト」という2週類があります。「チームサイト」は主にチーム内での情報共有に適しており、「コミュニケーションサイト」は広範囲にわたる情報発信に活用することができます。
ファイルの管理・共同編集
SharePointでは、ドキュメントや画像などのファイル管理を簡単に行うことができます。
複数人でファイルを共同編集できるほか、バージョン管理機能によって、ファイルを過去の状態に戻すことも可能です。誤ってファイルを上書き・削除してしまっても復元できるため、安心して共同作業が行えます。バージョン管理によって最新版のファイルが一目でわかるようになり、ファイルの整理や管理という点でも非常に便利です。
ワークフローの構築・タスク管理
SharePointでは、業務に必要なワークフローを構築し、自動化することが可能です。
例えば、作成した書類の承認やフィードバックが必要な場合、 SharePoint上で業務フローと担当者を設定しておけば、書類完成後に自動で担当者に通知が届き、承認されると自動で次のステップに進む…といった一連の流れを自動化することができます。
また、期限の設定やタスクの割り当ても可能で、進捗状況や遅延などもSharePoint上で視覚的に把握でき、ミスや見落としの防止にもつながります。
ファイルの検索
SharePointにはファイルの検索機能も搭載されています。
ファイル名だけでなく、ファイル内の情報まで検索できるため、ファイルを一つひとつ開かなくても必要な情報を素早く見つけることができます。
社内ポータルを簡単に作成できる
前述のとおり、SharePointを使えば専門的な知識がなくても、簡単に社内ポータルサイトを作成することができます。
通常、ポータルサイトの構築にはHTMLやCSSなどのWeb制作スキルが求められたり、外部の制作会社への依頼が必要になったりしますが、SharePointには豊富なテンプレートが用意されているため、誰でも簡単に作成が可能です。また、SharePointの利用料のみで完結するため、従来のサイト制作に比べてコストを大幅に抑えることができます。
ポータルサイトを使えば、より一層メンバーとの情報共有がスムーズになるため、SharePointを導入する際には、ぜひ活用したい機能の一つと言えるでしょう。
マルチデバイスで閲覧できる
SharePointは、インターネット環境があればいつでもどこでもアクセスすることができます。
アプリをインストールすれば、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからも利用可能で、外出先や在宅勤務など、場所を選ばず使用することができます。
Microsoftのツールと連携しやすい
SharePointはMicrosoftが提供しているツールのため、Word・Excel・PowerPointなどのOffice製品との親和性が高いのも大きな魅力です。特別な設定や外部ツールを使用せずに、SharePoint上で直接これらのファイルを管理・編集できます。
また、ビジネスチャットツールであるTeamsと連携することで社内コミュニケーションや情報共有を一元化したり、メールツールのOutlookと連携してスケジュールを共有したり、SNSツールであるYammerと連携して社内広報として活用したりと、他のMicrosoft製品と組み合わせることで活用の幅が広がります。
社外のユーザーともつながることができる
基本的には社内向けの情報共有ツールとして利用されるSharePointですが、外部ユーザーとの情報共有にも対応しています。
招待機能を使って社外の関係者を追加し、管理者がユーザーごとのアクセス権限を設定できるため、情報漏えいのリスクを抑えつつ、安全に情報を共有することができます。
デザインの自由度が制限される
SharePointはテンプレートを使って簡単にポータルサイトを構築できる反面、デザインの自由度には限界があると言えます。
オリジナリティの高いデザインを求める場合は物足りなさを感じることもあるかもしれませんが、テンプレートの種類が豊富で、ある程度のカスタマイズも可能なため、一般的な社内ポータルの用途であれば十分と言えるでしょう。
匿名性がない
SharePointにはコメント欄や「いいね」機能がありますが、いずれもユーザー名が表示され、誰がコメントをしたか、誰が「いいね」をしたがわかる仕組みになっています。
そのため、匿名で意見を集めたい場合や、名前が表示されることに抵抗がある場合には、デメリットになるかもしれません。
社内報の制作・配信
多くの企業が、社内報の制作や配信にSharePointを活用しています。例えば、以下のようなフローで、社内報の編集から承認、公開までをSharePoint上で完結させることができます。
①編集担当者と外部の制作会社がファイルを共有し、共同編集を行う
② SharePoint上で校正や修正のやりとりを行う
③上長からの承認を得て、社内報を公開する
④社員がSharePointを通じて社内報を閲覧する
⑤閲覧した社員がコメントを残してフィードバックを得る
このように、外部と連携した編集作業や承認フローもスムーズに行えるため、効率的に制作を進めることができます。

社内マニュアルの作成・管理
SharePointは、社内マニュアルの作成やナレッジの共有にも活用できます。例えば、以下のような一連のプロセスをSharePoint上で完結させることが可能です。
・マニュアルの作成
・関連部署への確認や承認
・マニュアルの更新と管理
さらに、業務に必要な書類のフォーマットや過去の資料なども一元管理できるため、情報の散財を防ぎ、「困ったらまずSharePointを見れば解決する」という環境づくりができます。これにより、新入社員や経験の浅い社員でも、安心して業務に取り組むことができるでしょう。
また、SharePointの検索機能を使えば、膨大なファイルの中から必要な情報をすぐに見つけることが可能です。検索性が高いことで、より実用的で使いやすいマニュアルの運用が実現できると言えます。

まとめ
今回は、SharePointの基本的な機能や活用方法についてご紹介しました。
SharePointは社内報やマニュアルなどの社内向けコンテンツと非常に相性がよく、情報共有ツールとして導入する企業が増えてきています。紙やPDFで配布する場合と比べて、リアルタイムで更新できる点も大きなメリットです。常に最新の情報を共有でき、社員にもタイムリーに届きやすくなります。
ただし、どれだけ便利なツールであっても、最終的に読まれるかどうかは「コンテンツの質」にかかっています。SharePointを活用して業務効率を上げ、その分の時間をコンテンツの企画や制作に充てることで、より充実した社内報やマニュアル作成につなげていきましょう。
