2015年9月8日
初めての会社案内作成!担当者が決める9つのこと
目次 ▼
この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
営業ツールの基本は会社案内
会社の営業ツールと言われて、最初に思い浮かべるものは何でしょうか。
チラシ、名刺などがありますが、営業マンが会社を紹介するために使う最初のツールといえば、会社案内、会社パンフレットでしょう。
会社案内を作る作業は意外とやっかいです。
なぜなら、会社案内は重要な割に、ほとんどの会社に会社案内専門部署があるわけでもなく、会社案内作成が体系化されているわけでもないからです。
多くの会社では、若手社員が先輩から引き継ぎを受けます。「お前、会社案内の担当な」と。
引き継ぎがあるならまだマシです。その会社で初めての会社案内をいきなり担当することもあるでしょう。
では、全くわからないことだからといって、全て業者に丸投げしてしまって良いのでしょうか。また、会社案内担当者は何を準備し、どんなことを決めなければいけないのでしょうか。
今回は、会社案内担当者が準備すること、決めなければいけない9つのことをお話をしたいと思います。
会社案内担当者の準備1.前任者からヒアリング
もし前任者がいるなら、前回どのように会社案内を作成したのか、必ず話を聞いてください。
どの業者に依頼をしたのか、どのようなコンセプトで作ったのか、どのような流れで作ったのか、以前作ったときの打ち合わせ資料や議事録を基に、前任者からヒアリングを行います。
ヒアリングを行わないと、会社案内を作るイメージができず、取り組みに何倍も時間がかかってしまいます。
会社案内担当者の準備2.既存の会社案内から目的を探る
既存の会社案内、パンフレットが何ページ構成で、それぞれのページに何が書いてあるのか、そしてどこに問題点があるかを洗い出しましょう。
・会社案内の必要性について
・会社案内を作る目的について
・会社案内のデザインについて
・会社案内の問題点について
「何となく」会社案内を作ってはいけません。もし、「何となく」作ることになってしまっている場合は、以下をご参考に。
会社案内担当者の準備3.社内に対してヒアリング
会社案内は、会社関係者全てにかかわる重要な資料です。
上長だけではなく、営業、総務、人事から、どのような会社案内を作りたいのか、または既存の会社案内で修正したい箇所、気に入らない箇所をヒアリングしましょう。
特に営業は現場で活用することが多い部署です。使い勝手が良い会社案内作成のヒントをもらえる可能性が高いはずです。
会社案内担当者の準備4.競合他社の会社案内を取り寄せる
いくらヒアリングをしても、比較材料がなければイメージができません。競合他社の会社案内をできるだけたくさん入手しておきましょう。
既存の会社案内と何が違うのか情報をまとめておくと、上司を含めて納得してもらいやすくなります。
単純にまとめるだけでなく、可能であれば会社案内からわかるSWOT分析をして、自社の強みと他社の強みを理解しておきましょう。
会社案内担当者の準備5.期待する効果を考える
既存の会社案内を精査し、競合他社の会社案内を分析し、社内の意見をとりまとめたら、次は、どのような効果や結果を望むのか、目的を明確に考えてみましょう。
会社案内の明確な目的は7つに分類されます。以下をご参考に。
明確な目的1.会社情報が変わった
明確な目的2.取引先が変わった
明確な目的3.事業形態が変わった
明確な目的4.事業内容や商品が変わった
明確な目的5.営業に活用したい
明確な目的6.広告手法として活用したい
明確な目的7.ブランディングをしたい
会社案内担当者の準備6.ある程度の予算感を持つ
会社案内作成を外部に依頼する場合、広告代理店、印刷会社、デザイン会社のどこかになるでしょう。
マーケティングに強いのは広告代理店、印刷全般に強いのは印刷会社、デザインに強いのはデザイン会社ですが、今はその垣根も崩れてきています。
まずは大枠の仕様書を用意して、それぞれ見積もりを取ってみると良いでしょう。
仕様書の中身は、部数、ページ数、既存会社案内と比べて変えて欲しい内容、競合他社で参考にして欲しい内容、目的、期待する効果です。
もちろん業務内容がわかる資料や製品案内などがあると、見積もりも絞りやすくなります。
また、ある程度予算感を先に推測、擦り合わせをしてから、見積もりを取ると後で業者との調整が取りやすくなるはずです。
会社案内担当者の準備7.情報共有チームを作る
あなたの部署がどこかにもよりますが、マーケティング部(または広告宣伝部、販促部など)であれば、比較的チームは作りやすいはずです。
なぜなら、情報発信のための材料がそろっているはずですし、外部に対する宣伝ツールや営業が使う販促ツールとして情報が集めやすいためです。
できれば、目的に対して予実管理をし、会社案内チームをプロジェクト化してしまうと予算も取りやすいですし、何よりも人を巻き込んで意見を集約しやすくできます。
会社案内担当者の準備8.業者選定基準を決める
まずは
1.目的、効果に対する望みを叶えてもらえるか
2.納期を守り、進捗報告をしっかり行ってもらえるか
3.高品質なデザインとデザインの理由を明確にしてもらえるか
4.見積内容に不明瞭な点がなく、項目の説明をしてもらえるか
5.質問に対して、はっきり回答してもらえるか
6.打ち合わせがスムーズで、抜け漏れがないか
などを確認するようにしましょう。また、会社案内に対して、マーケティング要素を入れるのであれば、その効果測定がどのように行われるかも重要な指標です。
打ち合わせのチェックポイントも押さえておきましょう。
参考:デザイン打ち合わせで失敗しない6つの方法~クライアント編
会社案内担当者の準備9.クロスメディア戦略が可能か考える
会社案内を大きく変える場合、検討しなければいけないことが、企業カラーを変えるのか、ロゴを変えるのかということです。
つまり、ロゴなどのコーポレートアイデンティ(CI)に加え、ビジュアルアイデンティティ(VI)やブランドアイデンティティ(BI)が大きく変わる可能性があるわけです。
参考:CI、VI、BIとは?会社ロゴによるブランディング価値を考える
CI、VI、BIを効果的に活用する場合、どこまでクロスメディア戦略を展開するかも考えなければいけません。
クロスメディア戦略とは、1つの商品やサービスをさまざまな媒体を用いて、広告宣伝活動、販促活動に活かすことで、媒体同士の相乗効果をもたらす戦略のことを言います。
ロゴや企業カラーが変われば、名刺や企業サイトも変える必要があります。コンセプトが変わるため、商品パンフレットにも影響を及ぼすかもしれません。
何かを変えるということは、それを打ち出すチャンスでもあるわけです。顧客に対して、「◯◯が変わりました」と話すきっかけを作れるわけですから。
初めての会社案内作成で担当者が決めることまとめ
会社案内を任された方は非常に大変な任務だと思います。現業をこなしつつ、会社の顔である会社案内を作らなければいけないためです。
逆に言うと、それだけ会社案内の作成を大変だと思っていない会社、上司が多いことも事実です。
もしかすると、あなたが一生懸命作った会社案内に対して、会社は評価をしてくれないかもしれません。
だからと言って、単純に手を抜いてしまうよりも、会社案内作成が大変で重要な作業だということを上司にわかってもらえるように説明した方が良いでしょう。
会社案内は企業価値を高め、製品価値を高め、会社を良く見せるための武器になります。
そしてこの武器を作るために業者に任せっぱなしではいけませんし、業者の言いなりになってもいけません。
まずは自社のことを深く知るためにも、いろいろな情報収集と準備を行ってください。