2016年6月17日

ライティング業務、編集業務の違いとは?意外と幅広い業務の中身

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ライティングと編集の違いを説明できる?

あなたはライティングと編集の違いを説明できますか?

ライティングと編集、もしくはライターと編集者の役割や仕事というのは、似ているようで違います。

一般的に混同されやすく、業務として被っているところももちろんあります。

では、いったいどのような違いがあるのでしょうか?

そこで今回は、ライティングと編集の定義と、それぞれの業務内容についてご紹介したいと思います。

ライティング業務とは

ここでは、多岐にわたるライティングについて業務内容をご紹介したいと思います。

ライティングとは

ライティングとは、その名のとおり文章を書くことです。

取材・ヒアリングした内容を媒体やクライアントの依頼に従ってテキスト化したり、テーマに沿って執筆をしたりします。

では具体的にはどのような業務になるのでしょうか。

ライティング業務1.Webサイトのライティング

企業のWebサイト(ホームページ)に付随するテキスト作成やリライトを行います。文章の完成度だけでなく、SEO(検索エンジン最適化)なども意識してライティングを行うことが求められます。

ライティング業務2.ブログ記事の執筆

当ブログのようなノウハウ記事やまとめ、インタビューやレポートなどの取材記事まで、様々なジャンルの記事執筆を行います。

ライティング業務3.メールマガジンの執筆

企業のメールマガジンはその会社の広報担当やWeb担当、マーケターなどが担当することが多いですが、専任のライターにまかせている場合もあります。

ライティング業務4.インタビュー記事のテキスト作成

個別インタビューや対談、座談会などの取材記事のテキストを作成します。どのようにまとめるのかは、クライアントや編集者の依頼に応じて変わります。

口語は文字起こしをしてみると日本語が間違っていることが多く、修正が必要になるため日本語の知識、文章力が求められる仕事です。

また、雑誌や新聞などは文字数が限られますので、話の意図を変えずに端的にまとめる能力が求められます。

ライティング業務5.会見やイベントのレポート記事

記者会見やイベントなどの様子をテキスト化します。新聞記事をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

インタビューと同じく雑誌や新聞の場合は文字数が限られますので、話の意図を変えずに端的にまとめる能力が求められます。

ライティング業務6.コピーライティング

チラシやポスター、DMなど各種広告物のキャッチコピーを考えるお仕事です。

最近はWeb関連の仕事も増えてきました。

参考:
キャッチコピーが持つ3つのメリット
広告コピーは2種類ある!広告コピーは2種類ある!イメージコピーとセールスコピーの違い

ライティング業務7.ユーザーインタビュー・導入事例

商品やサービスなどの導入事例、お客様の声などを取材し、テキスト化します。

ライティング業務8.レビュー記事

映画、音楽、本(書評)、食、電化製品、ガジェット等、專門分野に強いライターなどが、レビュー記事を執筆します。

ライティング業務9.専門コラム

ファッション、美容、スポーツ、医療、法律などの専門分野に関するコラムを執筆します。資格を有していたり、専門分野での業務経験や実績がある人がライティングすることが多いです。

ライティング業務10.ルポタージュ(ルポ)

ルポタージュとは、フランス語で報道、報告を意味します。主に社会問題や事件などを取材、記録し、コラムや小説のように記述します。

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編集業務とは

最近はWebメディアでも編集体制を敷いているところが多いですが、ここでは雑誌を例にご紹介したいと思います。

編集とは

編集は、担当する媒体(主に雑誌や本)の構成や企画を考え、ディレクションを行うお仕事です。

参考:
月刊誌の作り方とは?制作に必要な6つの工程

では早速業務内容についてご紹介しましょう。

編集業務1.企画・構成の立案

主に特集ページの企画・構成を考えます。

レギュラーページでも取材や毎回異なるテーマや企画が必要な場合は企画を考える必要があります。

編集業務2.台割の作成

台割とは、どのページにどのような企画・誌面を入れるかを示した仕様書や設計図のようなものです。

冊子などのページ物を作る場合、原稿を書く前に全体のページの割り振りを決める行為を台割と呼びます。

参考:
もうキョドらない!現場でよく使う印刷・デザイン用語

台割表ともいわれており、それを元に制作の全体像を把握し、進行していきます。

編集業務3.取材・撮影・素材の手配

取材先への掲載交渉やアポ、ライターやイラストレーター、デザイナーの手配、撮影ならカメラマンやスタジオ、媒体によってはモデルやスタイリスト、ヘアメイクの手配も必要です。

編集業務4.原稿の作成

取材や撮影などを行い、原稿を作成します。

原稿とは、印刷物を作るのに必要な材料のことを言います。原稿は、文章だけではなく、写真や画像素材も含みます。

参考:
もうキョドらない!現場でよく使う印刷・デザイン用語

場合によっては、編集者で取材したり執筆したりする場合もあります。

編集業務5.ラフデザインの作成

ラフデザインとは、手書きの下書きのことです。原稿を元に、写真やイラストをどのように配置するかなどのラフデザインを作成します。

ラフデザインが完成したら、原稿とともにDTPオペレータに引き渡します。デザイナーは編集者の指示に従い、テキストの流し込みやレイアウト作業を行います。

小規模な出版社の中には、自分でDTP作業を行う編集者もいます。

編集業務6.校正

デザイナーによるDTPデータ入稿(デザイン入稿)が終了したら、ゲラ(校正刷り・試し刷り)を元に、校正を行います。校正は編集者の仕事ですが、大手の出版社などは、専門の校正部門があります。

校正とは、原稿とゲラ(校正刷り)を対照して、誤字や脱字などの誤りをチェックし、修正指示する作業です。

印刷後に誤りが発覚した場合、刷り直しには膨大な時間と手間、コストがかかります。そのようなリスクを回避するために、校正は正しく行わなければいけません。

参考:
イラストで解説!校正記号31種類の使い方

編集業務7.印刷・製本に関する指示

印刷から製本に至るまでの指示を行うのも編集者の仕事です。

印刷会社への用紙サイズや紙質の指定なども、編集者が行います。

ちなみに、週刊誌や月刊誌など定期的に刊行される雑誌の場合は、定番サイズがほぼ決まっています。

参考:
チラシ、雑誌、新聞…他、印刷物に使う定番用紙サイズ・種類まとめ

また、色校正も編集者(編集部)が行います。

作成したデータと仕上がった印刷物の最終的な色味をチェックして、認識ズレをなくす校正のことを色校正と言います。

色校正は、印刷のプリプレス工程の最終段階に当たります。文字校正をしたのち、製版用データを元に、実際と同様に印刷して、色味などのチェックを行います。

参考:
印刷会社が必ず色校正を行う3つの理由

編集部による色校正紙が責了し、印刷所によるデータ訂正が完了したら、本刷り用の刷版が作られ、いよいよ印刷にかけられます。

印刷後、製本工程にて製本・断裁を経て、本や雑誌になり、取次を通して書店などに置かれるようになります。

ライティング業務、編集業務の大きな違い

編集者であっても取材や執筆を行うこともあり、ライター並の文章力を求められます。

また、ライターも、企画提案を求められたり、カメラ撮影や取材のアポを行ったりする場合もあります。

そのため、編集とライティングの違いがよくわからないという方がいるのも頷ける話です。

しかし、それぞれ被る業務はあるものの、編集は媒体(メディア)の制作全体にかかわり進行やディレクションを行い、ライターは基本的に書くことのみを行います。

編集については、各媒体、出版社によって扱う範囲ややり方が変わります。あくまでも一般的な事例と思ってください。

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