2026年10月15日

インタビューの事前準備6ステップ|依頼・リサーチ・質問設計まで解説

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

広報誌や機関誌、社内報などで、人物の想いや経験を伝えるインタビュー記事。取材対象者の人柄や仕事への姿勢、企業の取り組みなどを深く掘り下げることで、読者の理解や共感を促すコンテンツになります。

一方、限られた時間の中で、読者に伝えたい情報を引き出すには、事前の準備が欠かせません。取材の目的や質問内容が曖昧なままでは、話が広がりすぎたり、記事に必要な情報を聞き逃したりする可能性があります。

インタビューは「準備が8割」と言われるほど、準備の質がインタビューの質に大きく影響します。

とはいえ、「何から準備すればよいのかわからない」「質問をどう組み立てればよいのか迷っている」という方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、インタビュー取材の事前準備を6つのステップに分けて解説し、取材依頼の進め方から質問リストの作り方、当日の準備まで、押さえておきたいポイントをご紹介します。

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インタビュー取材の事前準備6ステップ

1.記事の目的・ターゲットを明確にし、取材対象者を選ぶ

最初に整理したいのは、記事全体の方向性です。

・誰に向けた記事なのか
・どのような情報を届けたいのか
・記事を通して読者に何を感じてもらいたいのか

これらを明確にすることで、取材で聞くべき内容や、取材対象者に求める条件が見えてきます。目的が曖昧なまま進めると、質問に一貫性がなくなり、記事のテーマがブレてしまうこともあるため注意しましょう。

目的とターゲットが明確になったら、テーマに合った取材対象者を選びます。例えば、子どもに関連するテーマであれば、保育の専門家や出産・育児経験のある方などが候補として挙げられます。専門性や実績だけでなく、読者との親和性や、記事で伝えたい内容について具体的な経験を持っているかどうかも判断材料になります。

また、取材を依頼しても、必ず引き受けてもらえるとは限りません。候補者を複数名挙げ、優先順位をつけておくと、断られた場合にも次の候補者へスムーズに依頼できます。

過去に掲載した記事と内容が重複していないか、媒体全体の企画とのバランスが取れているかも、あわせて確認しておきましょう。

▼インタビュー記事には、Q&A形式や座談会形式など、さまざまな種類があります。記事の目的に合った形式を検討したい方は、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。

2.取材依頼書を作成し、日程を調整する

取材対象者が決まったら、取材依頼書(企画書)を作成し、正式に依頼します。取材依頼書は、相手に企画の趣旨や取材内容を理解してもらい、安心して協力してもらうための資料です。なぜ取材を依頼したいのか、どのような媒体に掲載するのかを具体的に伝えましょう。

【取材依頼書に記載したい主な項目】
・自社の紹介
・媒体の概要(目的、読者層、テーマなど)
・取材の目的、企画趣旨
・依頼の背景、理由
・掲載予定日
・掲載イメージ(記事の形式、想定ボリュームなど)
・取材方法(対面、オンライン、電話など)
・写真撮影、録音の有無
・取材希望日、所要時間、場所
・取材の流れ
・原稿確認や校正の有無、進め方
・謝礼の有無
・担当者の連絡先

特に、掲載媒体や取材の目的、取材にかかる時間などは、相手が協力できるか判断するうえで重要な情報です。原稿の確認方法や掲載までの流れについても、あらかじめ共有しておくと、取材後の認識のズレを防ぎやすくなります。

依頼書が完成したら、メールなどで送付します。面識がない相手の場合は、所属企業や団体の公式サイトに掲載されている問い合わせ先を確認し、適切な窓口から連絡しましょう。

なお、取材を依頼する際は、相手のスケジュール調整や社内確認にかかる時間も考慮し、余裕を持って進めることが大切です。候補日を複数用意しておくと調整しやすくなります。

3.取材対象者・企業についてリサーチする

取材の依頼が決まったら、対象者や所属企業について事前にしっかりと調べておきましょう。

基本的な情報を把握しておくことは、相手に敬意を示すだけでなく、より具体的な話を引き出すためにも重要です。すでに公開されている情報を確認しておけば、限られた取材時間を、背景や考え方を深掘りする質問に充てられます。

【事前にリサーチしておきたい主な情報】
・所属企業・団体の概要や事業内容
・業界や市場の動向
・取材対象者の経歴、プロフィール
・現在の活動や主な実績
・過去のインタビュー記事や講演内容
・SNSやブログでの発信内容
・プレスリリースやニュース
・執筆した書籍や専門記事

例えば、経営者へのインタビューであれば、企業の沿革や主力事業、近年の取り組み、経営者自身が発信しているメッセージなどを調べておくと、質問の切り口を考えやすくなります。

リサーチした情報は、単に質問項目に並べるのではなく、「なぜその取り組みを始めたのか」「どのような課題があったのか」「具体的にどのような工夫をしたのか」といった、背景やエピソードを掘り下げるために活用しましょう。

また、情報源や確認した日付をメモしておくと、取材時に事実関係を確認しやすくなります。公開情報だけでは判断できない点は、取材の場で本人に確認することも大切です。

4.インタビューの質問リストを作成する

インタビューの質を左右する重要な準備の一つが、質問リストの作成です。限られた時間の中で、伝えたい情報を引き出すには、質問の構成が重要になります。

質問を考える際は、まず記事の目的を踏まえ、読者に伝えるために必要な情報を整理します。そのうえで、どのような質問をすれば、その情報を引き出せるのかを考えていきましょう。

ポイント①記事のテーマから質問を組み立てる

質問を思いつくままに並べるのではなく、「どんな情報を届けたいのか」「読者にとって価値ある内容とは何か」を意識しながら質問を組み立てていきます。

例えば、創業の背景を伝えたい場合は、創業のきっかけだけでなく、当時の課題や決断に至った経緯なども質問に含めると、話を深掘りできます。

ポイント②「必ず聞きたい質問」と「余裕があれば聞きたい質問」を分ける

取材時間には限りがあります。記事に欠かせない質問には優先順位をつけ、「必ず聞きたい質問」と「時間に余裕があれば聞きたい質問」に分けて内容を整理しておきましょう。当日の会話が想定より長くなった場合も、重要な内容を聞き漏らしにくくなります。

なお、質問は多めに準備しておくことで、当日の会話の流れに応じて柔軟に対応しやすくなります。

ポイント③具体的なエピソードを引き出す質問を考える

「はい」「いいえ」だけで答えられる質問では、回答が短く終わってしまうことがあります。例えば、「仕事にやりがいを感じていますか?」と聞くよりも、「仕事にやりがいを感じるのは、どのようなときですか?」と尋ねるほうが、具体的な経験や考え方を引き出しやすくなります。

さらに、「そのとき、どのような課題がありましたか?」「解決するために、どのような工夫をしましたか?」といった追加質問も用意しておくと、回答を掘り下げやすくなります。

ポイント④質問の順番を工夫する

最初から踏み込んだ質問をするのではなく、プロフィールや現在の活動など、答えやすい話題から始め、徐々に本題へ進む構成にすると、自然な流れで話を聞きやすくなります。

質問リストを作成する際は、質問の順番もあわせて決めておくようにしましょう。

また、質問への回答が想定と異なる方向に広がることもあります。質問リストは台本として固定するのではなく、取材の流れに応じて柔軟に活用することが大切です。

【例】経営者にインタビューをする場合
経営者へのインタビューでは、経歴や事業内容を確認するだけでなく、意思決定の背景や仕事に対する考え方を掘り下げることが大切です。

・この事業を始めようと思ったきっかけを教えてください。
・自社ならではの強みは、どのような点にあると考えていますか?
・経営において、特に大切にしている考え方は何ですか?
・これまでのキャリアで、現在の考え方に影響を与えた出来事はありますか?
・今後、実現したいことや挑戦したいことはありますか?

5.質問事項と当日の流れを共有する

質問内容がまとまったら、事前に取材対象者へ共有しておきましょう。あらかじめ主な質問を伝えておくことで、相手も回答に必要な情報を確認したり、具体的なエピソードを振り返ったりできます。特に、過去の実績や数値、専門的な情報など、正確な回答が必要な質問は、事前に伝えておくとスムーズです。

質問事項とあわせて、次のような情報も共有しておくとよいでしょう。

・当日の進行予定と所要時間
・取材の目的や記事のテーマ
・事前に用意してほしい資料
・写真撮影や録音の有無
・当日の集合場所やオンライン会議の接続方法

なお、質問を事前に共有する場合でも、回答を一字一句準備してもらうことが目的ではありません。自然な会話の中から具体的なエピソードや考えを引き出せるよう、当日の流れによって質問の順番や内容を調整する可能性があることも伝えておきましょう。

質問事項の共有方法や範囲は、取材の目的や相手との関係性に応じて調整することが大切です。

6.機材・資料・取材環境を確認する

取材当日をスムーズに進めるためには、機材や資料の準備も欠かせません。必要なものを事前にリストアップし、前日までに必ず動作確認や持ち物のチェックを済ませておきましょう。

【主な準備物】
・録音機器(ボイスレコーダー、スマートフォンなど)
・撮影機器(カメラ、ビデオカメラ、三脚など)
・質問リスト
・企画書
・媒体資料、見本誌
・名刺
・筆記用具、ノート

録音や撮影を行う場合は、事前に取材対象者の了承を得ておきます。録音機器は、バッテリー残量や保存容量、音声が問題なく記録されるかまで確認しておくと安心です。重要な取材では、機器の不具合に備えて予備の録音手段を用意することも検討しましょう。

カメラマンに撮影を依頼する場合は、撮影の目的や必要なカット、当日の進行についても事前に共有しておきましょう。

また、取材場所のアクセスや周囲の音環境、オンライン取材時の通信環境なども確認しておきたいポイントです。オンラインの場合は、使用するツールや接続方法を事前に案内し、必要に応じてテスト接続を行っておきましょう。

こうした準備を済ませておくことで、当日のトラブルを防ぎ、インタビューそのものに集中しやすくなります。

▼事前準備ができたら、当日の進め方も確認しておきましょう。話しやすい雰囲気づくりや質問の深掘り、時間管理などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

取材・撮影・原稿整理・校正など、広報誌・機関誌専門の編集業務委託・BPOサービス

インタビュー取材の事前準備チェックリスト

<企画・取材対象者の選定>
□記事の目的とターゲットを明確にした
□取材テーマと取材対象者を決めた

<依頼・日程調整>
□取材依頼書を作成した
□取材日時・場所・所要時間を調整した
□録音・撮影の有無や掲載条件を確認した

<リサーチ・質問設計>
□取材対象者や所属企業について調べた
□質問リストを作成し、優先順位をつけた
□質問事項や当日の流れを共有した

<当日の準備>
□録音・撮影機器の動作を確認した
□必要な資料や持ち物を用意した
□取材場所や通信環境を確認した

まとめ

インタビュー取材を円滑に進め、読者に伝わる記事を作るには、事前の準備が重要です。

今回紹介した6つのステップを参考に、記事の目的や取材対象者を整理し、リサーチや質問設計、当日の機材確認まで、必要な作業を一つずつ進めていきましょう。

特に、質問リストを作成する際は、何を聞くかだけでなく、どのような情報を読者に届けたいのかを意識することが大切です。取材対象者の経験や考えを具体的に引き出すことで、記事の内容も深まります。

また、インタビュー記事を制作するには、企画や取材対象者の選定、質問設計、取材、原稿作成など、さまざまな工程があります。社内で対応することもできますが、担当者の負担が大きい場合や、取材・編集の経験が十分でない場合には、外部の制作会社に依頼するのも選択肢の一つです。

目的や状況に合った方法で準備を進め、読者にとって価値のあるインタビュー記事を目指しましょう。

取材・撮影・原稿整理・校正など、広報誌・機関誌専門の編集業務委託・BPOサービス

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