2025年5月16日
文章でよく使う記号の種類とは? 使い方・読み方・注意点まとめ

目次 ▼
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文章の中でよく使用される、句読点(、。)、括弧(()〔〕〈〉《》)、中黒(・)などの記号。これらはまとめて「約物(やくもの)」とも呼ばれます。
こうした記号は、文章のリズムを整えたり意味を明確にしたりすることで、読みやすさを高める役割を持っています。適切に使えば、伝えたい内容がスムーズに届き、読み手の印象も良くなります。
しかし、実際には、読み方や使い方がよくわからない記号も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、文章作成においてよく使われる代表的な記号について、それぞれの読み方や意味、使用シーンをご紹介します。

よく使われる代表的な記号
文章を区切る記号
記号 | 読み方 | 意味・使用シーン |
---|---|---|
、 | 読点(とうてん) | 文の区切りや意味の切れ目を表す。 |
。 | 句点(くてん) | 文の終わりを表す。 |
, | カンマ | 英文での読点として用いられるほか、数字の区切りにも使用される。 |
. | ピリオド | 英文の句点として用いられるほか、小数点としても使用される。 |
! | 感嘆符、 エクスクラメーション | 驚きや喜びなどの感情を表す。 |
? | 疑問符、 クエスチョン | 疑問や不確かさ、質問などを表す。 |
: | コロン | 補足や言い換えなどで文をつなげる際に用いられるほか、 時刻や比率を表す際にも使用する。 例)持ち物:ノート、ペン、PC |
; | セミコロン | 英文で、内容が関連する二つの文をつなぐ際に使用する。 ピリオドとカンマの中間のような役割を持つ。 例)He didn’t go;he was too tired. |
・ | 中黒(なかぐろ) | 並列する語句や地名、人名の区切りを表す。 例)東京・大阪・福岡 |
… | 三点リーダー | 余韻や間、省略を表す。 関連する項目をつなげる際にも使用される。 例)本当は言いたいけど… |
/ | スラッシュ | 選択肢の提示や文の区切りを表す。 「and」や「or」という意味のほか、日付やURLでも使用される。 例)はい/いいえ ライス/パン |
\ | バックスラッシュ | 主にプログラミング言語やファイルパスで使用される。 自然言語ではほとんど使用されない。 |
‐ | ハイフン | 英文で、複合語を形成する際や、語が改行で分かれる際に使う。 例)all-inclusive |
― | ダーシ、 ダッシュ | 会話の間や余韻を表す。範囲や期間を示す際にも使用される。 例)彼は出発した―― |
~ | 波線、チルダ | 時間や場所、数量などの範囲を表す。 文末につけて感情をやわらかく表現する際にも使用される。 例)受付時間:10:00~18:00 |
_ | アンダーバー、 アンダースコア | 主にファイル名や識別子など、スペースを使えない場面で使う。 |
| | 縦線、バーティカルバー、 パイプライン | 主にプログラミング言語や数式で使用される。 |
‘ | アポストロフィ | 英文で、短縮形や所有格を表す際に使う。 例)It’s mine. / Rock’n’roll |
^ | キャレット、ハット | 挿入位置を表す。 校正において文字などを追加する箇所を表す際にも使用される。 |
▼適切な句読点の使い方は、以下の記事で詳しくご紹介しています。
括弧(かっこ)類
記号 | 読み方 | 意味・使用シーン |
---|---|---|
( ) | まる括弧、パーレン | 語句の補足説明や、他の部分と区別する際に使用する。 例)明日(木曜日)はお休みします。 |
「 」 | かぎ括弧 | 会話文や引用、強調を表す際に使用する。 例)彼は「おはよう」と言った。 |
『 』 | 二重かぎ括弧 | かぎ括弧内にさらに会話文を入れる場合や、書籍や雑誌などのタイトルを示す際に使う。 例)「先生が『明日までに提出』って言っていたよ!」と友達から連絡があった。 |
【 】 | 墨付き括弧、 墨付きパーレン | 見出しやタイトルなど、目立たせたい部分に使う。 例)【至急】提出期限を過ぎているのでご確認ください。 |
[ ] | 角括弧、ブラケット | 主に横組みにおいて、強調や引用の補足をする際に使う。 数式や発音記号にも使用される。 例)開発部長によると「新商品はUX[ユーザー体験]が大幅に改善された」とのことだ。 |
〔 〕 | 亀甲括弧 | 主に縦組みにおいて、強調や引用の補足をする際に使う。 |
{ } | 波括弧、ブレース | 強調したい箇所や見出しで使われるほか、 数式やプログラミング言語で使用される。 |
〈 〉 | 山括弧 | 強調や引用を示す際に使われるほか、 書名や作品名などのタイトル、見出しにも使用される。 例)書類は〈金曜の18時まで〉に提出してください。 |
《 》 | 二重山括弧 | 強調や引用を示す際に使う。 書名や作品名などのタイトル、見出しにも使用される。 例)今回のプロジェクトの鍵は、ずばり《スピード感》だ。 |
‘ ’ | シングルクォーテーション | 主に英文や横書きの文で使用する。 引用や会話、強調など、「」と同様の役割で使われる。 |
“ ” | ダブルクォーテーション | 主に英文や横書きの文で使用する。 引用や会話、強調、作品名など、『』と同様の役割で使われる。 |
繰り返しを表す記号
同じ文字を繰り返す際、2文字目を省略して記号で表すことがあります。
このような記号は「踊り字」と呼ばれます。
記号 | 読み方 | 意味・使用シーン |
---|---|---|
々 | どうのじてん、ノマ | 直前の漢字を繰り返す。 例)人々、時々、色々 |
ゝ | いちのじてん | 直前のひらがなを繰り返す。 例)学問のすゝめ |
ゞ | いちのじてん | 直前のひらがなに濁点をつけて繰り返す。 例)かゞみ |
ヽ | いちのじてん | 直前のカタカナを繰り返す。 例)バナヽ |
ヾ | いちのじてん | 直前のカタカナに濁点をつけて繰り返す。 例)サヾエ |
〃 | ののじてん | 前行の文字または語と同じことを示す。主に表やリストなどで使われる。 例)縦の長さ 10m 横の長さ 〃 |
その他の記号
記号 | 読み方 | 意味・使用シーン |
---|---|---|
※ | こめじるし | 注釈や補足、注意喚起を表す。基本的には日本語でのみ使われる。 例)日曜定休 ※祝日の場合は営業します。 |
* | アスタリスク | 注釈や補足を表す。主に英文や学術的な脚注で使用される。 例)ご不明点はお問い合わせください。*1 *1 問い合わせ先:example@example.com |
# | シャープ、いげた、 ハッシュタグ | 電話番号や楽譜、SNSでのハッシュタグなどで使用される。 |
・ | ビュレット | 箇条書きにおいて、項目を示すために使用する。 例)・キャベツ ・にんじん ・トマト |

記号を使用する際のポイント
1.多用しすぎない
記号は文章を読みやすくするために重要な役割を果たしますが、多用しすぎるとかえって読みにくくなってしまうことがあります。
文章がぶつ切りになったり、強調したい部分が埋もれてしまったりするため、適度な使用を心がけましょう。
(例)
× 資料(「今期売上報告」)は、5月15日(水)17:00までに(形式:PDF・Excel)提出してください<送付先:営業部>。《注意事項:未提出の場合は担当者へ連絡》
→「今期売上報告」の資料は、5月15日(水)17:00までに、PDFまたはExcel形式でご提出ください。送付先は営業部です。未提出の場合は、担当者までご連絡ください。
2.環境依存文字の使用は避ける
「①」「㈱」「㌔」などの環境依存文字は、表示される環境やデバイスによっては正しく表示されず、文字化けを引き起こす可能性があります。
特に、異なるデバイスや媒体で共有・閲覧される可能性がある文章では注意が必要です。印刷物の場合でも、使用する編集ソフトによって文字化けが発生することがあるため、校正時には十分に確認しましょう。
3.使い分けのルールを設ける
記号には多くの種類がありますが、必ずしも使い方のルールが明確に決まっているわけではありません。例えば、強調したい部分に{ }を使うか< >を使うかは、どちらも誤りではありません。
とは言え、一つの文書の中で、場面によって使う記号がバラバラだと、読み手に混乱を与えてしまう恐れがあります。
例えば、「強調には< >を使用し、補足には( )を使用する」など、社内やチーム内で使い分けのルールを決めておくと、文書全体の統一感が生まれます。
また、「!」や「?」といったカジュアルな印象を与える記号についても、文書の性質や読者層によっては不適切とされる場合があります。文書の目的や読み手の属性を考慮して、使用の可否を判断しましょう。
4.記号の表記を統一する
「。」と「.」、「~」と「―」、全角と半角など、意味は同じでも表記が異なる記号が混在していると、読み手に違和感を与えてしまいます。文中の記号は、意味に応じて使い方や表記を統一するようにしましょう。
(例)
× イベントは5月20日(火)~25日(日)の10:00-15;00に、駅前広場で開催します.
→イベントは5月20日(火)~25日(日)の10:00~15:00に、駅前広場で開催します。
まとめ
今回は、文章作成においてよく使われる記号の読み方や使い方、ポイントについてご紹介しました。
記号は文章を整理し、読みやすさや理解のしやすさを向上させる重要な要素です。普段なんとなく使用していた記号も、目的に応じて適切に使うことで、情報がよりスムーズに伝わる文章を作成することができます。
ぜひ文書作成の参考にしてみてください。
