2016年6月20日
企画〜集計までの流れを解説!成功するアンケートの作り方

目次 ▼
この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
アンケートを成功させるには
アンケート成功への道筋は平坦ではありません。
回収率が良くてもターゲットの回答が想定より少なかったり、回答に不備が多く有効回答数が少なかったりもします。
そのためアンケートには、計画から回収〜集計までのプロセスにおいて、緻密な計画と設計が必要です。
そこで今回は、アンケートを成功させるための計画から回収、集計までの流れを順を追ってご紹介したいと思います。
アンケート作成の流れ1.アンケートの目的を明確にする
なぜアンケートを取るのでしょうか?まずはアンケートの目的を明確にすることです。
なぜなら目的が明確になれば、ターゲットや設問内容も明確になり、スムーズに設計ができるからです。
ちなみnアンケートには以下のような目的が一般的です。
目的1.顧客満足度の調査
調査結果を元に、顧客が不満に思っている点や改善しなくてはいけない点をあぶりだします。
最終的なゴールはサービスや商品の改善を行うことで、満足度を向上させて、売上アップに繋げることです。
目的2.商品イメージの調査
アンケート結果を元に広告やパッケージデザインなどの見直しや改善を計り、イメージを向上させ、最終的に新規顧客の獲得に繋げることがゴールとなります。
アンケート作成の流れ2.アンケート目標を決める
アンケート回収率や有効回答率の目標を決めます。
アンケートの回収率とは、配信数に対して回収された回答数を割り出した率のことです。
有効回答率とは、調査配信数に対して回収できた回答から、集計に不適正な無効回答を除いた割合のことです。有効回答数を配信数で割ることで算出できます。
調査概要などには回答率よりも有効回答率を記載することが多く、有効回答率72%などと記載されています。
参考:
アンケート用語集
また、回収率・有効回答率の目標値から配布数・配信数を逆算します。
アンケート作成の流れ3.対象(ターゲット)の選定
配布数が決まったら、目的や関連する商品の特性などからアンケートの対象を決めます。
不特定多数でお願いする場合もありますが、性別や年齢などを限定するなど、特定の属性のみにアンケートをお願いする場合もあります。
また「東京23区在住」などエリアで分ける場合もあります。
アンケート作成の流れ4.回答ルート/回収方法を決める
アンケートを募集したり、回収したりする方法を決めます。
もし不特定多数をターゲットとしたアンケートであれば、調査会社を使って街頭アンケートを行うこともあるでしょう。その場合、調査対象が偏らないように方針を決める必要があります。
店頭であれば、販売チャネルを利用して広く配布するという方法もあります。
Webであれば、調査会社を使うか自社サイトで行うのかを決める必要があります。
その場合、自社の会員制サイトの会員やメールマガジンの購読者向けに告知するのも良いでしょう。
もし顧客リストにDMを送って告知する場合は、返信用ハガキなどを同封したり、Webでも回答できるようURLのQRコードを記載したりするなど、回収率を高める工夫が必要です。
アンケート作成の流れ5.インセンティブ(謝礼)を決める
回収率を高めるために、回答の謝礼を決めます。
インセンティブがあると、景品発送や連絡手段として個人情報を取得しやすいため、設問数が多い面倒なアンケートでも回答率はアップします。
ただし、インセンティブを抽選形式にする場合は、「評価を落とすアンケート回答をしにくい」という回答心理が働きます。
つまり、回答の質が落ちる(正確な情報が取得できない)傾向があるため、インセンティブの使い方には注意が必要です。
インセンティブは必ず用意すべきものではありませんが、有ると無いとでは回収率に大きな差が出ます。できれば用意しましょう。
アンケート作成の流れ6.期間・期限を決める
アンケートの告知や配信の日程、募集期間、回収期限を決めます。
回収しきれなかった場合のバッファや、リマインドのための再告知のタイミングなども決めておく必要があります。
アンケートの目的にプレスリリースがある場合や季節もののアンケート結果を発表する場合などは、特に期限を厳守する必要があります。
アンケート作成の流れ7.説問を決める
アンケート内容を決めます。
説問数や内容は、回答の質や回収率に大きな影響を与えます。
アンケート回収率が悪いのは、アンケート対象やアンケート方法にズレやミスがある事も原因の1つですが、一番気を付けなければいけないことはアンケートの作り方です。
設問の内容はもちろん、文章や回答形式を見直すだけで、アンケートの回収率はグンと上がります。
もちろん、アンケート目的によって設問内容は変わります。アンケート目的や謝礼によっては、個人情報が必要な場合もあります。
回答者が答えやすい工夫をしつつ、アンケートの目的を達成できる内容にしなければいけません。
アンケートの回答方法については以下を参考にしてみてください。
参考:
回答形式の種類 – 顧客・見込み客アンケートに必要な質問とは
アンケート作成の流れ8.アンケートデータの集計方法を決める
アンケートの集計は、インターネット回答のみであれば比較的簡単ですが、紙で取る場合は入力作業が必要となります。
回答ルートを検討する際は、その場合の手間も考えましょう。
回答形式の種類には、単一回答(選択肢のうち一つだけ答えるもの)と、複数回答があります。
単一回答であれば、集計も簡単です。回答形式による入力作業の工数もアンケート設計の際に考慮しなければいけない点です。
アンケートの集計は、専門のソフトウェアもありますが、Excelなどの表計算ソフトでも充分可能です。
単純集計やクロス集計を行って、活用しやすいデータにします。
クロス集計とは、単純集計の結果を元に「属性ごと」や「月ごと」などの複数の項目を掛けあわせて集計する方法です。
例えば、知名度調査において、年齢層ごとの集計結果をグラフに表すれば、どの年齢層に浸透していて、どの年齢層には浸透していないのか、という結果がわかります。
それが、ターゲットである層に浸透していれば問題ありませんが、そうでない場合は広告やブランディング戦略にテコ入れをする必要があります。
集計結果は分析をするためのデータです。どのようなデータが使えるかは質問内容だけでなく、集計方法や集計レポートを見て確認しましょう。
アンケート成功のための作成〜集計、分析までの流れ
緻密な計画がアンケートの成功を導きます。
アンケートを集計しても、その結果が目的やゴールに繋がらなければ意味がありません。
また回収率が低いと、データの信用性にも関わります。そのため設問設計は慎重に行わなければいけません。
つい、あれもこれもと設定してしまいそうになりますが、設問が多かったり複雑だと回収率が低くなる傾向があるからです。
回収率を高めるためのインセンティブの内容やリマインダ、回答ルートや告知方法、集計方法にも工夫が必要です。
そして集計や目的が達成されたら終わりではありません。
各プロセスを見直すことによって、次のアンケート実施にも活かすことができるはずです。
次回の成功に繋がるようにPDCAを回しながら回収率や有効回答率を高め、アンケート結果に基いた施策の実施などの効果を高めていきましょう。