2021年7月30日
未然に防ごう!印刷物制作でよくあるトラブルとは?
この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。
印刷物を作成するにあたって、起きやすいトラブルがいくつかあります。
トラブル事例を事前に知っておき、トラブルを未然に防ぎましょう。
「勝手に顔写真を載せられた」
例えば、写真に関するトラブルです。
みなさんの会社や協会などが主催したイベントや講演会などで撮影した写真を機関誌に載せるとき、
参加者の顔を入れていいかどうか迷うことってありませんか?
うっかり顔を載せて後からトラブルになるよりは、
「写真を載せない」「顔が分からないようにする」など、
無難に対応してしまうことも多いと思います。
トラブルを未然に回避するために、
「これからイベントの状況を撮影します。この写真は機関誌やホームページに掲載します。
もし不都合があれば申し出てください」などと一言断ってから撮影してはいかがでしょう。
あとから、一人ひとりに連絡し確認をとるのは非常に困難です。
大切なのは、「利用目的を事前に伝え」「本人の同意を得る」ことです。
写真を利用する目的がほかにあれば、すべて事前に伝えておきましょう。
ちなみに、個人情報保護法からこの点を見ていくと、以下のような区分けになるようです。
【1】引き目の写真、ソフトフォーカスなどにより個人を特定できない→「個人情報」ではないので掲載可能
【2】明確に顔が写っている等により個人を特定できる→掲載することを通知、公表する必要がある。
「作った通りに印刷がされていない」
ワードやパワーポイント、Adobe Illustratorで作ったデータを印刷会社に、そのまま渡したのに作った通りに印刷がされていない…というようなトラブルがよく聞かれます。
中でも“文字(フォント)のトラブル”が多く、フォントがうまく表示されなかったり、記号が文字化けしてしまうというケースがあります。
このようなトラブルは主に、Mac/Windowsなどパソコンの違いやバージョンの違いが原因で、データを作ったパソコンに搭載されているフォントが、データを開いた別のパソコンには搭載されておらず、別のフォントに置き換わってしまっているのです。
MacパソコンとWindowsパソコンとでやりとりする場合や、特徴のあるフォントを使う場合は特に注意してください。
WindowsとWindowsの間でも、作ったデータを他のパソコンで開くと文字が細くなっていたり、変なところで改行されていたり…といったことがあります。
対策としては、
・フォントを埋め込んだPDFデータに変換する
・フォントのアウトラインを取る
・プリントアウトしたものも確認用に用意しておく
などが有効です。
ちょっと心配なときは、印刷会社に事前に相談しましょう。
「思っていた色と違う」
校正で見ていた色と実際に完成した色味が違う、というケースもあります。
これはモニターで見る色(RGB)と紙で見る色(CMYK)が異なることが原因の一つとして考えられます。
RBGとCMYKは色の再現領域が違うため、パソコンで作ったデータ上の色を印刷で正確に再現することは難しく、若干の違いが出てしまうということです。
RGBとCMYKの違いについて、詳しくは下記記事で紹介しています。
また、印刷紙や印刷機によっても色味が大きく異なります。
紙の種類は、印刷物の仕上がりに大きな影響を与えます。紙の種類は非常にたくさんありますが、主に使われる紙は、上質紙、コート紙、マットコート紙の3種類です。
元々の紙の種類が違うため、同じデータを印刷しても、見た目が全く異なります。
このような色の違いによるトラブルを減らすために、色校正がオススメです。
色校正とは印刷において最終的な色味を確認する校正のことで、色校正にも種類があり、それぞれ再現性や費用が異なります。詳しくは下記記事も参考にしてみてください。
まとめ
今回紹介したトラブルは一例ではありますが、事前にこうしたトラブルを把握しておくことで未然に防ぐことができます。
不安な場合は、事前に印刷会社に相談しておくと安心ですね。