2026年3月27日
フローチャート(フロー図)とは?書き方・記号・作成手順をわかりやすく解説
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フローチャートとは?
フローチャートとは、業務手順やシステム処理の流れを、図形や矢印を用いて視覚的に表した図のことです。「フロー図」や「流れ図」とも呼ばれます。
フローチャートを活用することで、業務やシステムの全体像を把握しやすくなり、業務内容の理解促進や、メンバー間でのスムーズな情報共有につながります。
また、マニュアルとして利用されるケースも多く、フローチャートに沿って業務を進めることで、属人化の防止や業務の標準化・効率化にも役立ちます。さらに、条件分岐も含めて表現できるため、イレギュラー対応時にも的確な判断がしやすい点が特長です。
今回は、フローチャートの基本的な作り方と、よく用いられる図形(記号)の使い方を解説します。

フローチャートで使用する主な図形・記号
フローチャートでは、手順や処理の流れを図形・記号を用いて表現します。これらの一部は、「情報処理用流れ図・プログラム網図・システム資源図記号 JIS X 0121 – 1986」という JIS規格(日本産業規格)で定められており、それぞれ意味や役割があります。
JIS規格によって図形・記号が標準化されていることで、フローチャートごとに使われる図形・記号がばらつくのを防ぎ、どのフローチャートを見ても意味が一貫して伝わるようになります。
端子

「端子」は、角丸の四角形もしくは楕円形で表され、フローの開始(始点)と終了(終点)を示す記号です。開始の端子では「どのようにフローが始まるか」というきっかけを、終了の端子では「どのようにフローが終わるか」という結果や到達点を表します。
処理

「処理」は、四角形で表され、各プロセスの作業内容や操作、タスクを示す、最も基本的な記号です。
ボックス内には「書類を送付する」「データを入力する」など具体的な作業を記載しますが、一つのボックス内に複数の処理をまとめるとわかりにくくなるため、基本的には「1ボックス=1作業」とするのがポイントです。
判断(条件分岐)

「判断」はひし形で表され、「はい/いいえ」「あり/なし」などの条件によって処理が分岐する場面で使用します。
ひし形の中には「請求書が届いているか」といった条件を記載し、そこから伸びる矢印には「はい」「いいえ」などの選択肢を示します。選択肢が3つ以上の場合でも使用できます。
線・矢印

「端子」「処理」「判断」といった各記号同士は、線や矢印でつなぎます。並行して進む処理や順序を明確にしない場合は「線」、時系列に沿った流れを示す場合は「矢印」を使用します。
ループ

同じ処理を繰り返す場合には「ループ」を使用します。ボックス内に終了条件を明示し、ループの開始と終了の間に繰り返す処理を配置します。
定義済み処理・サブプロセス

「定義済み処理(サブプロセス)」は、両端に二重線が付いた四角形で表され、処理の一部を別フローとして分けて記載する場合に使用します。
複雑な業務の場合はフローチャートが長くなりがちですが、定義済み処理を用いることで工程を分割でき、全体を整理して見やすくすることができます。
データベース・システム

処理を行った情報がデータベースやシステムに保存されることを示す記号です。複数のデータベースを使用している場合は、それぞれの名称もあわせて記載しましょう。
フローチャートの書き方
フローチャートは、専用ツールのほか、PowerPointやExcelなどを使って作成することができます。ここでは、レストランでの接客フローを例に、基本的な作成手順をご紹介していきます。
1.目的と対象者を明確にする
まずは、「何のために」「誰に向けて」作成するのかを明確にします。目的と対象者を具体化することで、記載する内容や業務範囲が整理され、情報の粒度や強調すべきポイントが定まります。
今回の例では接客フローがテーマのため、調理方法やバックヤード業務、清掃作業などは詳しく記載する必要がないことがわかります。
また、新人向けマニュアルとして使用する場合は、専門用語や社内用語をできるだけ避けるといった配慮も重要です。
2.関係部署・担当者を洗い出す
次に、業務に関わる部署や担当者を整理します。今回の例では、「ホールスタッフ」「キッチンスタッフ」「お客様」が該当します。接客方法がメインのフローチャートであっても、キッチンとの連携が発生するため、ここではキッチンスタッフも関係者として含めます。
関係者や担当者が明確になったら、担当者ごとに横軸(スイムレーン)を設定し、役割の違いがわかるようにしましょう。

3.業務工程・作業内容をリストアップする
関係部署や担当者を横軸(スイムレーン)に記入したら、次は業務の開始から終了までの流れを洗い出します。今回の例では、「席への案内」「注文」「調理」「料理の提供」「会計」「片付け」などが挙げられます。
これらを時系列に沿って「上から下」または「左から右」に配置し、流れを整理していきます。複数の担当者や部署にまたがる工程は、該当するスイムレーン内に配置しましょう。

4.フローを設計する
洗い出した業務を時系列順に配置したら、それぞれに適した図形を当てはめ、矢印でつないでフローを構築します。あわせて、条件分岐や反復作業(ループ)、サブフローの有無も確認し、必要に応じて適切な記号を使って明記しましょう。
今回の例では、「調理」や「会計」をサブフローとして整理し、「アレルギーの有無」を分岐条件として設定しています。

▼以下の記事では、フローチャート作成ツールをご紹介しています。

フローチャート作成のポイント
必要な情報を整理する
フローチャートを作成する際は、あらかじめ情報の範囲を定め、各工程の粒度をそろえることが重要です。
例えば、先ほどのレストランの接客フローの例の場合、「会計」だけを「金額を伝える」「レジを打つ」「お金を受け取る」「おつりを渡す」と細分化すると、「注文を取る」「料理を提供する」といった他の工程との粒度にばらつきが生じてしまいます。
詳細な説明が必要な場合は、別のフローやマニュアルに切り分け、フローチャートに記載する業務は、作業レベルや業務の細かさがそろうように心がけましょう。
使用する図形(記号)は最低限にする
フローチャートではさまざまな図形を使い分けられますが、種類が多すぎると意味がわかりにくくなり、かえって理解を妨げてしまいます。
フローチャートはシンプルさを心がけ、使用する図形は必要最低限にとどめておくのがよいでしょう。
業務の流れを複雑にしすぎない
フローチャートは流れを視覚的に整理するためのツールですが、工程が多すぎたり構造が複雑だったりすると、混乱の原因になりかねません。
不要な工程は省略し、複雑な部分は別のフローチャートに分けるなど、情報を詰め込みすぎないようにしましょう。サブプロセスや外部参照を用いるのも有効です。
線の交差をできるだけ避ける
フローチャートでは、業務同士を矢印でつないで流れを表現するため、配置によっては線が交差するケースも出てきます。ある程度は避けられない場合もありますが、あまりにも線の交差が多いと、どの順番に進んでいくのか、流れを追いにくくなります。
矢印の交差や図形の重なりは最小限になるよう意識し、重なってしまう場合には各業務の配置を工夫したり、フロー全体を見直すようにしましょう。
まとめ
今回は、フローチャートの書き方と押さえておきたいポイントについてご紹介しました。
フローチャートは、情報を詰め込みすぎるとかえってわかりにくくなり、ミスやトラブルの原因にもなりかねません。誰が見ても理解できるよう、シンプルで整理された表現を意識することが大切です。
また、フローチャートは業務の可視化だけでなく、マニュアルと併用することで業務の効率化や属人化の防止にもつながります。ぜひ実務に取り入れてみてください。





