2016年3月8日
DM(ダイレクトメール)成功の鍵を握る各種リストの集め方
目次 ▼
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DM(ダイレクトメール)成功のためのリストの集め方とは
販促活動におけるリストとは、実際に商品を購入したりサービスを利用したお客様や、見込み客などの名簿のことです。
特に、DM(ダイレクトメール)やテレマーケティングなどのダイレクトマーケティングにはリストが欠かせません。
以前もご紹介したように、DM発送の成功要因には4つの要素があり、その要素のうち一番重要とされているのが、ターゲットです。
DM成功法則の4大要素1.ターゲット
DM成功法則の4大要素2.オファー
DM成功法則の4大要素3.タイミング
DM成功法則の4大要素4.クリエイティブ
そして、ターゲットの選定(ターゲティング)はこのリストを元に行われます。
ターゲティングとは、ターゲットとなる市場を選定する行為を指しますが、DMにおけるターゲティングは、手元にある顧客リスト・見込み顧客リストを基に、条件にマッチした対象にピンポイントでDMを発送することを指します。
つまり、DMを成功させるための前提条件として、ある程度の量のリストが必要だということです。
ターゲットが重要であるということは、同じくリストも重要であるということです。
そこで今回は、DMなどのダイレクトマーケティングにおいて、リストがなぜ重要なのか、リストの種類や特徴、集め方とともにご紹介していきたいと思います。
内部リストとは?
まずリストには大きく分けて内部リストと外部リストの二種類があります。まずは内部リストから説明します。
内部リストとは、自社で所有している顧客リストや見込み顧客リストのことです。
内部リストは自社で所有するリストのことで、ハウスリストとも呼ばれています。
大きく「顧客リスト」「優良顧客リスト」「見込み客リスト」の3つに分けることができますが、まずは顧客リストを説明しましょう。
内部リスト1.顧客リスト
もしあなたがDMを送ろうと思うなら、真っ先に顧客リストを思い浮かべることでしょう。
顧客とは一般的に自社の商品やサービスを販売する対象のことを指しますが、「顧客リスト」とは、一度でも商品を購入したりサービスを利用したことのあるユーザーや消費者のリストのことです。
リストにある顧客情報の入手方法は様々です。
BtoBであれば、契約や発注などの取引において、顧客情報のやり取りが必ず発生します。たいていの企業は、その際に取引先として顧客情報を登録しています。
BtoCの場合は、通信販売やECサイトであれば購入時にお客様の住所や名前が必要なため、その際に顧客情報を登録します。
併せて、DMや通販カタログを送ることの許可を顧客からいただきます。
しかし店頭購入の場合、顧客情報を取得できるキッカケがなかなかありません。そこで用いるのが、ポイントやマイレージなどの顧客メリットを打ち出した会員制度の仕組みです。
あなたもポイントカードを作るとき、個人情報の登録の他に、「弊社からのDMをお送りして良いですか?」といったチェック項目を見たことがあるでしょう。
このような会員制度があるのは、顧客ロイヤリティの向上だけでなく、顧客関係管理(CRM)やダイレクトマーケティングのためです。
内部リスト2.優良顧客リスト
続いて優良顧客リストです。
さて「優良」の定義とは何でしょうか?何を持って優良顧客とするのでしょうか?
そこで用いるのが、顧客ごとの購買金額や購入頻度などの購入履歴による顧客分析です。
顧客分析の方法として一般的なのは、顧客リストを、RFM(Recently|最近購買、Frequency|購買頻度、Monetary|購買金額)でセグメンテーション(グルーピング)し、それぞれの基準で絞り込むREM分析です。
グルーピングの設定は、企業や店舗、取り扱う商品、平均購入価格や価格帯によってによって様々です。
例えば、以下のセグメントでは、Rank5が優良顧客となりますが、単価の低い商材であれば平均価格帯は下がりますし、日用品の場合は来店頻度は更に絞り込まれるでしょう。
各指標のセグメントの範囲やベースになる期間(ここでは1年とします)は、商材の価格帯、業界、または企業によって設定が異なります。
上記の表のとおりに分けると、5×5×5で125のグルーピングが可能になります。
RFM全てが5評価のグループであれば、最近購入したのは1ヶ月以内で、ここ1年の購入頻度は100回以上、累計購買金額も30万以上と一番の優良顧客グループであることがわかります。
内部リスト3.見込み客リスト
続いては、見込み客リストです。
見込み客とは、なんらかのキッカケでその商品に興味を持ってくれたり、購入や契約を検討したことのあるお客様のことです。
見込み客リストの集め方はいろいろあります。
・チラシ・Web(検索)・広告をキッカケとした問合せや資料請求
・プレゼントキャンペーンへの応募
・店頭やWebでのアンケート回答
・セミナーや展示会などの申し込み
・メルマガ登録
もちろんいずれの方法にも、必ずDM送付のパーミッション(許可)をとってください。
外部リストとは?
続いてもう一つのリスト、外部リストをご紹介します。
外部リストとは、業者によって販売されているリストのことです。
外部リストは、所有するリストがない場合に利用するものです。
購入先の業者によって取り扱うリストや得意分野が違いますので、選定には注意が必要です。
主な外部リストは以下のとおりです。
外部リスト1.名簿販売業者によるリスト
名前のとおり、名簿を販売する業者が扱うリストのことです。
名簿業者では、大学の同窓会リストや有名企業の管理職以上の名刺リストなど、個人から法人まで様々なジャンルの名簿が売買されています。
外部リスト2.商品同梱サービス
住所や名前を知らなくても、特定のターゲットにDMを送る方法がありますが、商品同梱サービスはそのうちの一つです。
商品同梱サービスとは、通販会社のカタログや商品、クレジットカード会社の請求書、会員制サービスの会報誌の発送時にチラシを同梱するサービスです。
老若男女へ幅広いリーチが可能!チラシの商品同梱サービスとは?
年齢や性別といった属性を指定できる上、個人情報を取得することなく送付できるので、漏洩リスクがないのがメリットです。
なかにはTポイントカード会員対象の「T-DMタウン」のように、商品と同梱するのではなく単独でDMを送ることができるサービスもあります。
T-DMはTSUTAYAを始め様々なサービスで利用できるTポイントカード会員が対象で、性別や生年月日の他、行動商圏(指定エリアでの消費行動など)で属性が指定できるのが大きな特徴です。
外部リスト3.タウンプラス
タウンプラスは商品同梱サービスと同じく、住所や名前を知らなくてもターゲットにDMを送れるサービスです。商品同梱サービスとの違いは、宛名の記載がないことと、個人てではなく世帯単位で配布することです。
タウンプラスは、リストがなくても、日本郵便が持つ住所データやGISデータを用いて、性別、年齢、家族構成、世帯別年収データなどをもとにDM広告を配達できます。
いずれの方法にしても、どのような属性が指定できるのか、予め把握・検証しておきましょう。
外部リストを購入する際の注意点
ここでは、外部リストを購入する際の注意点をご紹介したいと思います。
外部リストを購入する際の注意点1.認知の違い
内部リストと外部リストの大きな違いは、ターゲット自身(送付先)が、自社商品やサービスに対する認知があるかないかです。
外部リストのターゲットは、基本、自社や自社商品を知らないと思ってください。
そのため、訴求ポイントやオファーの内容など、内部リストとはクリエイティブの内容を変える必要があります。
外部リストを購入する際の注意点2.必要な情報は何か
BtoBもBtoCどちらも、ターゲットを絞るためのセグメンテーションに必要な属性を見極めなければいけません。
BtoBであれば企業名や部署名、担当者の名前などが基本ですが、さらに商品特性やDMの目的によって必要な情報が変わります。
業務用の商品を売っている会社であれば、「建設業」「農林業」など、業界・業種・職務に特化したリストを購入する必要があります。
また、大企業向け、中小企業向け、企業規模に応じた商品がありますが、その場合、上場か非上場、従業員数や資本金などの情報が必要になります。
金額が大きく、決済権のある担当者をターゲットにするなら、役職名が必要です。
BtoCであれば、富裕層向けの商品や不動産投資などは、性別や年齢、居住地のような基本情報はもちろん年収がわかるデータが必要です。
このように、リストを購入するときは、事前にどのような情報が必要なのかを検証しなくてはいけません。
DM成功の鍵を握る各種リストの集め方 まとめ
DMの送付は、まずリストがなければ始まりません。
冒頭でも触れましたが、DM成功の4つの要素のうち、一番大きな要素はターゲットです。そして、ターゲティング(ターゲットの選定)には「リスト」とセグメンテーションが必要です。
DMを成功させるための前提条件として、ある程度の量のリストが必要だということです。
反響率を上げる正しいDMターゲットの設定方法と流れ
ただし、リストいっても、今回ご紹介したように様々なリストが存在します。
どのリストを使うか、どの属性でリストをセグメンテーションするか、何をもってターゲットを絞り込むかで、成果に大きな違いが生まれます。
リストを最大限活用するには、まず目的を明確にし、商品特性と掛けあわせながら、ターゲティングのPDCAを回していきましょう。