2021年6月4日
すぐに実践できる!読みやすい文章の書き方
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機関誌や広報誌、社内報などの編集担当者は自分で文章を作成したり、編集したりと文章に触れる機会が非常に多いかと思います。
そこで今回は、文章を作成する際にすぐ実践できるポイントをご紹介します。
日本語にはリズムがあります
日本文学を専攻する海外の学生が必ずする質問があるそうです。
「どうして日本語の小説は昔のことと今のことがごっちゃになっているの?」
これは一言でいえば日本語の「時制」の扱いに対する疑問です。
世に名文と謳われる日本語の文章には、必ずと言っていいほど「過去の出来事(~だった)」と「現在の出来事(~である)」が混在しているのです。
ためしに夏目漱石の『我輩は猫である』の冒頭を少しだけ読んでみましょう。
「この書生の掌の裏(うち)でしばらくはよい心持に坐っておったが、しばらくすると非常な速力で運転し始めた。書生が動くのか自分だけが動くのか分らないが無暗(むやみ)に眼が廻る。胸が悪くなる。到底(とうてい)助からないと思っていると、どさりと音がして眼から火が出た。」
お分かりになりますでしょうか。
主人公である猫は、過去のことについて話しているのに、途中から「眼がまわる」「胸が悪くなる」などなど、まるで今感じていることを話すかのように現在形をつかって物語を進めています。
これは日本文学の特徴で、諸説あるものの、日本語は過去形が「た」という単一の子音で終わるため、響きが単調になり、心地よいリズムを生みにくいことから生まれた慣習だというのが一般的な解釈のようです。
現在形の「る」をところどころにちりばめることによって、日本語は文章のリズムを豊かにし、加えて、過去のことが目の前で起こっているかのような緊迫感を獲得しているのです。
身近なエッセイや、読み物調の記事を手にとって見てください。
思わず読まされる「記事」はきっと、タイムマシンのように過去と現在を自由に行き来しているはずですよ。
文語調に要注意
知らず知らずのうちに古くさい文語調の言葉や表現を使っていることはありませんか?
文語調の言葉を使うと、読者に古くさい印象を与えるだけでなく、硬く読みづらい文章になってしまいます。話し言葉に言い換えることで、読者が内容を理解しやすくなり、親しみを持ってもらえるようになります。
ただし流行語や俗語などは安易に使うと品のない文章になるので、できるだけ使わないようにしましょう。
【言い換え例】
~か否か → ~かどうか
~にて → ~で
~において → ~で
~時より → ~時から
~のみ → ~だけ
~すら → ~さえ
~を有する → ~を持つ、~がある、~を備える
短く切って伝わりやすく
「~が」や「~で」などで文と文をつなぎ、いつまでも切れ目なく続く文章をよくみかけます。ひとつの文章にあれもこれも詰め込むと、動詞や名詞の働きがぼけてしまい、内容が散漫になってしまいます。
ダラダラと切れ目がなく続く文章では、伝えたい言葉が読者に伝わりません。
長い文章は二つに分ける。読みづらいと感じたら、どこかで区切ることができないか、文章を見直してみる。スッキリした切れのいい文章で書くように心がけましょう。
今日は文章を作成するにあたってのポイントをご紹介しました。
文章を書く際や、リライトする際に意識してみてはいかがでしょうか?